わたしの兄弟たちよ。あなたがたが、いろいろな試錬に会った場合、それをむしろ非常に喜ばしいことと思いなさい。あなたがたの知っているとおり、信仰がためされることによって、忍耐が生み出されるからである。だから、なんら欠点のない、完全な、でき上がった人となるように、その忍耐力を十分に働かせるがよい。ヤコブ1章2-4節

　大人になってしまったので、蟻の行列を見ることが無くなりました。子どもの頃は時を忘れて蟻の行列を見ていたものです。特に蟻たちが自分たちの身体よりも何倍も大きい獲物を力を合わせて移動させている姿には感動したものです。蟻は人間から見れば弱く小さい虫です。しかし大きな力を持っています。

　このように自然界の小さな生物達は人間の指でひねり潰すことが出来る弱い存在ですが、よ～く観察すると、彼らの持っている逞しさと高機能に感動します。彼らの姿は私たち人間を応援してくれているように思えます。

　日本人の凄いところは復元力ではないでしょうか。先の戦争で原爆を二つも落とされただけでなく、日本中が焼け野原になりました。しかしその19年後には東京オリンピックを開催し、やがてはジャパン・アズ・ナンバーワンとまで言われる国に甦りました。阪神淡路大震災、東日本大震災、最近では毎年頻繁にやってくる強力な台風による自然災害。そのような自然の猛威の前に人間の弱さと人間が作り上げたものの脆さを痛感しつつ、それでも時間を掛けて、復興・回復に向かっている底力はすごいと思わされます。

　これは有名な事実ですが、世界4大文明は、快適な自然環境地域に興ったのではありません。4つとも大きな川の流域で文明が興りました。繰り返される川の大氾濫に立ち向かう小さい人間達の必死の努力によって文明が興ったのです。

　私たちは小さく無力ではありますが、私たちの内には物凄い可能性が埋蔵されているのも事実です。この埋蔵された可能性を引き出す手立ては、試練に立ち向かって乗り越えようとする必死な努力しかありません。限界に立ち向かうのです。ボーッと生きていては可能性は埋蔵されたまま終わります。

　かと言って自分からわざわざ試練や困難の中に飛び込む必要はありません。天（神）は、私たちの可能性を引き出すために、必要なときに必要な試練や困難を人生に投げ込んでくださるからです。その試練や困難から逃げないで、乗り越えるために必死で立ち向かうことです。その時、埋蔵された可能性が引き出されます。

■祈り■
　神よ、あなたは私を知り尽くされています。私の中の可能性が埋もれたままにならないように、私の日常に試練や困難を投げ込むことで、私の可能性を引き出そうとしてくださっていることを感謝します。そんなあなたの思いを受け止めて、限界に挑戦させてください。イエスの御名によって、アーメン。