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【エッセイ】私のパートナーはパズル模様

「嫌な夢を見た。横に入れて」

早朝、起きるにはまだ早く寝たら二度寝になってしまいそうな時間に私は目が覚めて夫の布団に潜り込んだ。

寝ぼけ眼で「ん」と掛け布団を持ち上げてくれる夫。そこに滑り込む私。切り忘れた足の爪が夫の弁慶の泣き所に刺さり「いって!」と悲鳴が上がるが私は気にせず夫にしがみついた。

そして、次。
目が覚めてみると夫は布団にはすでにおらず、息子も学校に行ってしまった後だった。
だいたいこれは夢見が悪い時のパターンである。

「おはよ。あったかいの飲む?」

休日の夫はスーパーサイア人悟空が如く、髪が逆立っている。ひょろっとした体型ではサイア人ではないと頑なに主張していた。

「静かに鍵をかけて遠ざかる足音だったよ」

私は言った。

これはDo As Infinityの『ディザイア』という曲の出だし。恐らく不倫がテーマの曲なのだけど、私はこう言った少しダーク要素のある曲が好きなのですぐ話のネタに使う。

「いや、めちゃくちゃ寝顔見て寝かしといてあげようって気持ちで遠ざかった足音だよ」

そもそもDo As Infinityを聴くきっかけになったのは夫からの影響。だからこそ、この辺りの私のネタへの反応は早い。

いつもなら笑い話で終わる。
でもこの日はどうしても終われなかった。

息子の見送りやらなんやら代わりにやってくれたのに、「どうして私を1人ベッドに残すん」と低い声が出た。はい、メンヘラが少し顔を出す。

月に1回、母としてではなく妻としてきちんと向き合って欲しい時がある面倒な女が発動した。

これはとりわけ子供関係のトラブルや問題、親同士のいざこざに対処して疲弊した時に起こる。2割くらいの割合で仕事も入るが、ここは夫もお互い様なので自重している(つもりなのだが夫はどう感じているかわからない)。

交際期間を入れて長年連れ添い11年ほど(ぶっちゃけよく覚えていない)。記念日は夫は覚えているのに私は忘れている。ここまで聞けばなんてことない、夫がいかに私をきちんと妻としてみていることがよくわかるだろう(私も今納得してきた)。

だがこのときばかりはすべてが吹っ飛ぶ。服のボタンが飛び立つように。パーーーーーンと。


ほんの出来心、自分を客観視したくて初めて手相占いを受けた。5分で1000円。なかなかシビアな金額だが占いとはそういうものだと記事に書いた記憶がある。

話がそれてしまった。
そこで言われたのは、

感情線がとにかく強く出ているということ。
ここから、

  • 良妻賢母…尽くすタイプ

  • 人気者…人に恵まれ人に好かれやすい

  • 感情に関して過敏…相手を傷つけない

と言うことがわかるらしい。
また、生命線がとても強く「生」に対するエネルギーは計り知れないということも。

「病気をしないんじゃないですか?」

と聞かれ、「精神面ではありますけど…それ以外は元気」だと答えた。

車と衝突する交通事故でも骨すら折らず打撲で済んだ。現場に看護師の町民の方がいらして迅速な対応で救われた経験があったことを話すと、すごく納得してていた占い師さん。

「強い運に恵まれています。体調不良やエネルギーが出ないのは、強い感情線の影響がありそうですね。その点がわかっていたら、きっと今後よりよくなります」

とのことだった。
別の機会で、取材させていただいた方が手相を見てくれたことがあって、そこでも「人に尽くす優しい人って出てます…!」と言われたことを思い出し、なんとなく自分の人物像というのが見えた気がして納得した。

大きく話が逸れてしまったが、ここでパートナーの話に戻る。

要は調子の良いときには尽くすことができるのだが、調子が悪かったり子育てはパートナー同士で公平だという認識のもと始まったこの家族生活の批准が明らかに私に偏ってる気がしたりしてしまうと、妻である自分をもっとわかってほしい、助けてほしい、愛していると言って欲しい…と冒頭の件に戻るのだ。

こんな妻や夫はこの世にいないのだろうか…みんな上手にその辺りを打ち明けず、仲良くやっているのだろうか。
私が、子どもなのだろうか…。

いつだったか、夫と過ごすこの先の未来に私は違和感が強くなったことがある。未来に、夫がいない姿を描いてしまったのだ。
でもそれってだいたいこう言う、一個人の私を見てくれ!と言う時だった気がする。

しかしそこは夫、私が完全に普段の決まったルーティンを送ることができる状態にならないとき。仕事に逃げて子育てをやや放棄するとき。

必ず相談(と言うなの発狂)をすれば動いてくれる。助けてくれる。言葉足らずな人間だけど、とひたすらに頭を下げて気がついてやれなかったことを悔いてくれる

そしてようやく話し合ってくれる(欲を言えば爆発する前にあれこれ報告したり相談したりしている段階でフォローが欲しいところだけれど、それはもう諦めつつある)ので、もうこれが私たちパートナーとしての形なのだと思うようになった。いや、改善はし続けたいけどね。

夫は私と違い柔軟で合わせる対応が神レベル。対して私は自分で決めたことは譲れない性格。そして子育てにおいては息子の気持ちを第一に尊重したい気持ちでいる。

そんな融通の効かない私にいつも振り回されているのは夫だと気がつくも、すぐ夫にいちゃもんつけてしまう自分も自分だが、やっぱり子育てに関してはもう少し思うところや相談したら意見を聞かせて欲しい。私を尊重する部分を使い分けて欲しいというわがままだ。

でもそれでこそ、私たちのピースはかち、とはまっているのかもしれない。

#私のパートナー

そんな暴走する私と夫を癒してくれるのがうちの息子とお犬ちゃんとお猫なのだろうな。
手相占いの言う通り、私は恵まれて、守られている。

パートナーってそもそもひとりじゃない。息子もお犬ちゃんもお猫も含めてパートナーだと思った。

そんな今日のことを忘れずにいたい。


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