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「毒親」の正体を読んで気づいたこと。

精神科医の水島広子先生の本は、知的で分かりやすい。
どの本を読んでも大きな気づきがある。
「毒親」の正体、という本を読んだ。
自分が「毒親」に育てられたと思っているわけではなく、ただ、水島先生の本を読みたいと思って読み始めた。

水島先生が、臨床的に診てきた「毒親」で最も数が多いのが「発達障害タイプ」であるという。この中には「アスペルガー症候群」も含まれている。

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最近、友人の旦那さんがアスペルガー症候群であると分かった話を聞いていた。この本には、アスペルガー症候群についても書いてあり、彼女から聞いた苦悩と同じことが書いてあって驚いた。
結婚前は、少し変わっているな~程度にしか思わなかったそうだ。結婚後になっても相変わらず話がうまくかみ合わなくて、彼女はパニックになったり、鬱のような症状も出たという。
子どもにも、旦那さんと同じような傾向があることに気づき、何件も病院を受診した結果、アスペルガー症候群であるとの診断を受けた。

彼女はその時、病名が分かってほっとしたと言っていた。
対処の方法が分かるからだ。
同時に、夫は子より重度であると気づいたことで、今までの謎がすべて解けたと言っていた。

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ふんふん、と読み進めていたのだけど、はたと、もしやこれはダーリンのお父さんもこれではないのか?という思いになった。
素直で向上心が高く、前向きに生きるダーリンはみんなに愛されている。
彼と話をするとそのシンプルな思考回路に毎回驚かされ、人生そんなイージーモードでいいのか!と目から鱗がポロポロ落ちることばかりだ。

そんな彼が、人生の中で唯一まっすぐに話が進まないのが父親だ。
いつも、最後の最後で話が振り出しに戻って、振り回されているらしい。

お父さんもしかしたら発達障害・・・?
そう考えると、今まで起こったすべての事のつじつまが合ってしまう。

さっそくその事をダーリンと話してみた。

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ダ「ふむふむ。ほんとだ。そうだね。それだね。なんかスッキリしたね。」

Y「おじいちゃんはどんな人だった?」

ダ「ザ・亭主関白で、アルコール依存症だったらしいよ」

Y「そっか。じゃあ、お父さんがそうなったのも仕方なかったのかもしれないね。でもさ、ダーリンがその悪い影響を受けなかったのは、お母さんが愛情をかけて守ってくれたからなんだね。お母さんも、お父さんの影響を受けてしまう場合もあるもんね。お母さんすごいね。」

ダ「あぁ。ほんとだね。そうだね。」

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その後、最後まで読み終わって、最期の章に出てくる、「毒親」を乗り越えるための考え方に書いてあったことを、私たちはこの短い会話の中で行っていたと気づいた。

(実際は、お母さんのフォローがあったので彼は子ども時代に実害がなく育ってきたけれど、今これから、どうやって付き合っていけばよいかの指針になった。)

「親もいろいろと事情のある、ひとりの人間だったんだ」

ということを受け入れられるようになってはじめて、大人同士の関係になれるという。

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彼のお父さんは事情があって「発達障害」になってしまった人、と思うことでこれからは不要に傷つくことは減る気がしている。

自分にとっては驚くことを言われてしまったときに「親だからこんなことは言うはずない」と思っていると傷ついてしまう。
親だけれど、「事情のある人の事情のある言葉」というフィルターを通すことで、上手に付き合っていけるんじゃないかな、と思った。

なんか、ふたりとも大きな何かを手に入れた気がした。

ラスボスの攻略法を手に入れたような気持になった。

すごく、自由な気分になった、仕事の合間のランチデート。


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