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オールドレンズがマクロレンズに!中間リング、リバースアダプターのご紹介

今回は、脇役的なアイテムではあるけれど、状況によってはお財布に優しい非常に役に立つアイテムをご紹介。

お手軽だけれど、写真の表現の幅が大きく広がるアイテムだ。


マニュアルAiレンズ、もう一寄り出来たらなー


最近のレンズの多くが最短撮影距離がかなり寄れるものが多い。

でも、そんなけっこう近くに寄れるレンズを使い慣れた中で、古いマニュアルレンズを使うと、「あれ、これしか寄れないの?」そんな風に良く感じる。
あまり寄れないのである。

せっかくの味わいのあるオールドレンズ、もっと寄れたらどれだけ楽しいものか。

そんな、思いを実現させてくれるアイテムがあるのだ。
それは、中間リング
それとリバースアダプダー

上の写真、左から中間リングのPK-11、PK-13、そして一番右がニコンリバースアダプターBR-2A

中間リングは読んで字のごとく、レンズの無いただのリングだ。

中間リングは全群繰り出しの延長線


昔のレンズは全群繰り出し式のレンズが多かった。
全群繰り出しとは、カメラレンズの中のすべてのレンズをまとめて前後に動かして、フォーカスを合わせる仕組み。

最も単純だけれど、信頼のおける仕組み。
フォーカスを移動させて、ボケ撮影倍率などの写りが大きく変化することも無い。

レンズ群を焦点面から離すほど、より近くに、逆に近づけていくと、どこかで無限遠にフォーカスが合うのだ。

全群繰り出し方式の欠点

この全群繰り出し方式、標準レンズぐらいまでだったら良いが、中望遠クラスからあまり採用されていない。
理由は、レンズがすこぶる重くなってくるからだ。

大きく重いレンズを、フォーカスを合わせるために、モーターで前後に駆動するとなると、多くのパワーを必要とし、電力を多く消費する上に、フォーカススピードも遅くなってしまう。

そんな全群繰り出し方式の欠点を補うため、インターナルフォーカスとか、リアフォーカスとか、レンズ群の一部分だけを動かして、エネルギーの節約とフォーカスのスピードアップが図られるように工夫がなされているのだ。

あれれ、話がそれそうなので、
余計なことは書かないほうが良いな。
今回のネタは、お勧めアイテム。

中間リングの仕組み

フォーカスリングのヘリコイドをぐりぐりと最短撮影距離で止まってしまいそれ以上近くでフォーカスを合わす事が出来ない。

そこで登場するのが中間リング。

中間リングをレンズとカメラの間に挟みこむと、全群繰り出しの量を一気にジャンプ、レンズ本来の最短撮影距離よりもずっと近くでフォーカスを合わせられるようになるのだ。

最短撮影距離を近づけてしまうというとっても、非常に単純な仕組みなのだ。

PK-11を装着した様子


今時のミラーレス用の中間リングもサードパーティー製含めいろいろと販売されている。
一眼レフに限らず、中間リングを装着しての撮影は楽しむ事が出来るようだ。

ただ、フランジバックのすこぶる短いミラーレス、薄い中間リングでも、拡大されすぎてしまう気がするが、はたして?

中間リング、PK-11、PK-13

冒頭の写真の中間リングには電子接点の類は付いていないが、機械的には完全連動する。

撮影時は開放測光で撮影が行える。
基本的に、マニュアル露出に加え、絞り優先オートが使える。

確かケンコーだったかから、電子接点の付いてAFも連動する中間リングが昔、販売されていた。

電子接点が連動すれば、AFレンズなど、レンズ情報がしっかりと写真に記録される。
撮影モードも、プログラムオート、シャッター速度優先モード、他すべての露出モードが使えるようになる。


中間リングを使用して撮影するような人は、別に露出計が作動してシャッターが切れればそれで良いはず。
AFにも、それほどこだわらないだろう。

僕は、中古ショップに立ち寄ると、こういった類のアクセサリーを毎度の事探してしまう。

これらの3点も、某中野にある中古ショップでおよそ30年前に購入したもの。
いつの話???

PK-11PK-13、お察しのとおりその中間、PK-12が存在する。

僕は持っていないので、次回、中古屋めぐりをした際、PK-12は購入候補に入れておく事にしよう。
今、ケニアに住んでいるのでそんな中古屋めぐりは出来ないのだ。

中間リングを使うとどんな写真が撮れる?

中間リングを使用すると、まず、最短撮影距離よりもずっと近くで撮影出来るようになる。

それだったらずっと付けっぱなしにしておけば良いじゃん!

ては、ならない。
なぜならば、近くに寄れるようになった分、遠くにフォーカスが合わなくなってしまうのだ。
だから、必要なときにだけ付けて使う事になる。

それと、中間リングが厚くなればなるほど、近くに寄れるようになるが、フォーカスの合う範囲が非常に限られてくる。

中間リングが厚くなってくると、元レンズのフォーカスリングを回転させようと、フォーカスはほとんど変化しなくなる。

また、元レンズの焦点距離によってもその効果は変化する

元レンズの焦点距離が短くなればなるほど、中間リングの効果も強調されてくる。
画質のことはさておいて、同じ中間リングを使用すれば、50mmと比べて24mmのほうがずっと近くに寄れるようになる。

ただ、今度はワーキングディスタンスの問題が出てくるのだ。

ニコン純正の中間リング、PK-11を使っても、焦点距離24mmだと、もっと薄い中間リングがほしくなる。

それと比べて、望遠500mmとかになると、PK-11PK-13を2枚重ねにしても、少しだけ近くに寄れるようになるだけにとどまる。

レンズの焦点距離が伸びるほど、中間リングの効果を体験するにはより分厚い中間リングが必要になるのだ。

その他の、撮影倍率を大きくする方法


撮影倍率を稼ぐ方法には、他にもクローズアップレンズを使う方法と、テレコンバーターを使うという方法がある。

クローズアップレンズ

クローズアップレンズは、フィルター形状でレンズ先端部にねじ込んで使うもの。
虫メガネをレンズ先端にねじ込んで使うようなもの。
もしくは、老眼鏡をかけるようなものだ。

僕はまだご厄介になっていないが、確か6年前だったか、同窓会で旧友に会った際、彼ら、彼女らはみな近くが見えなくなっていた。

僕なりの、眼力トレーニング法があるので、そのうちにnoteで紹介しようと思っている。
年を取っていくと、眼力は、ほっておけばすぐに弱体化してしまうのだ。
僕独自の考えなので、真に受けないでください。

一般的な単玉のクローズアップであれば画面周辺部の色収差が結構厳しい。
レンズ2枚を組み合わせ、色収差を抑えた高画質のアクロマートタイプもあるが、中間リングと比べると画質的に劣ってしまう。

テレコンバーター

もうひとつ、テレコンバーターを使う方法もある。

いわずと知れたテレコンバーター。
カメラとレンズの間にはさんで使い、焦点距離を伸ばす便利アイテム。

これを使うと、レンズ本来の最短撮影距離は変わらずに、望遠になった分より大きく写す事が出来る。
この方法のメリットは、最短撮影距離から無限遠までフォーカスが合う事。

でも、焦点距離が変わってしまったら本来のレンズと表現がかけ離れてしまうのでちょっと違うか。


上と比べても、手軽でレンズ本来の味わいを残し、なおかつ画質の劣化が少ない中間リング。

値段も手ごろなので、とってもお勧めのアイテムだ。


最もオススメな中間リングはニコン純正だとPK-11


❶ ニコン50mmf1.2、最短撮影距離、0.5m

以前ご紹介したニコンのレンズAis50mmf1.2、最短撮影距離は50cmと最近のレンズと比べるとあまり寄れない。
最も近づいてとったのが上の写真。

下に、中間リングを取り付けて、拡大率を上げて撮った作例を載せていく。

❷ Ais50mmf1.2 + PK-11、無限遠、

一番薄い中間リングPK-11を付けて、レンズのフォーカス設定は無限遠でこのサイズ。
この作例だと判り難いが、画質は画面の周辺までけっこういける。

❸ Ais50mmf1.2 + PK-11、最短撮影距離

フォーカスリングを「グリグリ」と、いや「スーッ」と、いや、フォーカスリングは無音で操作できるので、どのような表現が良いのか?いずれにせよ最短撮影距離に設定して上のサイズ。

PK-11だとフォーカスリングでかなり調整出来るので、ストレスをあまり感じずに撮影できる。

❹ Ais50mmf1.2 + PK-13、無限遠

PK-13を取り付けて無限遠が上の写真。

❺ Ais50mmf1.2 + PK-13、最短撮影距離

PK-13を付けて、最短撮影距離設定で上のサイズ。
PK-13になると、50mm焦点距離の元レンズのフォーカスを端から端まで動かしても、あまり撮影倍率は変わらない。

これぐらいまで拡大すると、中心部は良いが、周辺部の画質の劣化がかなり目立ってくる。


中間リングを広角や標準レンズで使うのであれば、薄いものをお勧めする。


理由は、フォーカスが合わせられる距離の範囲が広いから。
ストレスが少なく非常に便利。

厚い中間リングを使用すると、拡大率も上がるが画質も低下していく。
上作例のとおり、フォーカスが合う範囲もすこぶる限られる。


50mmやさらに広角レンズでは、ニコン製でいうとPK-11ぐらいがちょうどいい。


画質も中心部はピカイチ、周辺部もそれほど劣化しない。

厚い中間リングは、基本的に望遠レンズ用と考えることが出来る。


PK-11の注意点

薄型PK-11にはひとつ気をつけなければならない注意点がある。
それは、オートフォーカスレンズなど、電子接点が付いたレンズで使うと、接点が干渉するので傷ついてしまうのだ。

つわものは、接点が干渉する部分を削って使いそうだが、
いや、接点など要らぬ!と無理やり付けて使ってしまってこそ、つわものだ!?

そんなことをせずとも、あらかじめ接点が干渉しない作りのPK-11Aというのが存在するので、オートフォーカスレンズで使用する方はこちらを選んでおいたほうが正解だ。

カメラバッグにこれらのアイテムを入れておけば、表現の幅は大きく広がるはず!
PK-11一枚カメラバッグに忍ばせておくだけで、上作例❶までしか寄れないものが、上作例❸のサイズまで寄って撮影する事が出来てしまうのだ!


中間リングをカメラバッグに忍ばせておけば、もっと寄りたい!といった時に大助かり。

撮影の幅が大きく広がるのは間違いなしだ!


あれ、リバースアダプターについてはまだ書いていない。
長くなってしまったので、ここいらへんで。

とりあえず、リバースアダプターに関しては、そのうちに書くことにいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。






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