音ゲーマーがゼロから始めるハウス・ミュージック ~音ゲーマーのためのハウス・ディスク・ガイド~

この記事は何?

こんにちは。Tosh K.です。
何故こんな記事の執筆を突如始めたのか、その理由を説明します。

すべてのきっかけはダンアラ公式くんのこのツイート。

ハウスダンス!?!?!?!?!?
突然どうしたの!?!?!?!?!?!?!?!?!?

今までこんなに前面にハウス押し出してきたことありましたっけ!?
ハウス流行ってる!?!?!?
突然の事態にえらく混乱しましたが、
しかし、これは「いろんな人にハウスを聞いてもらえるチャンスだ」とも
考えた私は、このような記事を書くに至ったわけです。
音楽ゲームからハウスミュージックに出会った人が、
ゼロからハウスミュージックを掘り進むためのディスクガイドになれば
いいなと思っています。

この記事を書いた人のこと

Tosh K.です。音ゲーマーです。
初めてポップンミュージックを触ってから20年が経ちました。
最近は9ボタンはめっきり、14鍵盤と2つの円盤ばっかり。
ギタドラやったりノスタルジアをやってた時期もありました。
クロスビーツを触っていた時期もありました。
いろんな機種やったけど、一番モチベが続いてるのは結局IIDXDP。
LincleでDP皆伝取得。でも穴クエは超苦手。

そして音ゲーマーでありながらハウスのDJをしています。
名古屋市内のクラブとかご飯屋さんとかでDJしてたり、
時々名古屋以外でもいろんなところからお誘いをもらって
ハウスミュージックでDJをしています。
最近はレコードを買いすぎて反省している。

ハウスミュージックって何さ

っていうのは、今回ダンアラくんで遊べるようになる曲を聞いてみてください。

というのはあまりにも酷なのですが、
歴史の長いハウスミュージックは昨今、多様なサブジャンルを展開し、
もはやこういうのがハウスミュージックです!というのは
この記事がどれだけあっても例を挙げきれないほどになっています。

なので、次節から音ゲーに収録されている(過去形も含む)
ハウスミュージックと言い張る曲たちを見ながら、
こういうもんなんだよというのをふんわり掴んでいただければ幸いです。

ここに挙げられてる以外にもハウスは多彩なサブジャンルを持ちます。
というかEDMもハウスの血が混じっています。

音ゲーマーのためのハウス・ディスク・ガイド

というわけで、ここからはいくつかのカテゴリーに分けて
ハウスミュージックを紹介していこうと思います。
ポイントは以下。

①音楽ゲームで遊べる(遊べた)オリジナル楽曲
②音楽ゲームで遊べる(遊べた)ライセンス楽曲(J-POPなど)
③さらなるDigを進めるためのガイド

①音楽ゲームで遊べる(遊べた)オリジナル楽曲

音ゲーとハウスはマブダチ。
自分が認識してる限りでは、初代beatmaniaから少なくとも25年は
つかず離れずの関係にありました。
さまざまな音ゲーの中からこれハウスじゃん!というオリジナル楽曲を
独断と偏見によるレビューを交えて紹介していきます。

筆者の音ゲープレー遍歴がめちゃくちゃ偏ってるので、
1機種1曲を心がけてますが知識のない機種については載せてません。
これハウスやろ!!!っていうのがあったら教えてください。

D.J. Spugna - Bad Routine

筆者が最もハウスらしいと思う音ゲーハウス。
現在はこの専用ムービーが削除されてしまっているのですが、
今見るとバリバリハウスダンスをしている。割と最近気づいた。
クラシック・ハウスらしいドラムとストリングスに、
フレンチ・ハウス的フィルターワークと、ディスコ・ハウス的なソウルフルボーカルを乗せた、令和でもバッチリ通用する大推薦ハウストラック。

PSYQUI - Stepper

カットアップとベースドロップが特徴的な、きわめて現代的エレクトロ・ハウス。
いわゆるEDMの系譜ですね。
DANCERUSHは平成後期~令和最新型のハウスが大量搭載されたゲーム!
大箱系なハウスがモリモリ入ってるので、こういうのが好きな方は是非とも遊んでみてくださいね。

Yukihiro Fukutomi - WALKIN' IN THE SUN

日本が産んだハウスの巨匠、Yukihiro Fukutomiによる書き下ろしハウス。
タイトルのごとく、非常に爽やかなラテン・ハウスに仕上がっています。
入手困難ですが、beatmania ClubMIXのサウンドトラックにはロングバージョンも収録!

TOMOSUKE feat.Jazzin' park - walk with you

今やすっかりウマ娘とブルーアーカイブとひなビタ♪の話しかしない、
小生ことTOMOSUKEおじさんによる極上和製ハウス。
ゲストアーティスト、Jazzin' parkのエッセンス全開のハウスに、
Frances Mayaのクリアなボーカルが乗ったハウサー必聴の1曲。

kors k feat.Suzuyo Miyamoto - Special One

jubeatが産んだハウス超名盤!
プレー動画が見つからず(音源だけ抜いたやつは避けたかったので)
IIDXのプレー動画で紹介です。
スウィングしたリズムと伸びやかなボーカルに誰もが心躍る、
音ゲーにありそうでなかった爽快乙女ハウス!

NAO with K Lyric by 所ジョージ - Nanja-Nai

一部界隈で熱狂的な人気を誇る(?)ポップンクラシック。
研ナオコに所ジョージというトンデモブッキングに加え、ボタン音の妙なチープ感や90年代的なドラムの音色はまさしく歌謡ハウスの名がふさわしい。
そこかしこにポップンミュージックらしさを感じながらも、
80~90年代的な質感を見事にあらわした良質ハウス・トラック。

SENAX - ヨコシマ・カラー・ベイビー

こちらはちょっと番外。
ファンキーなドラムやベースラインとは裏腹に、ポップで爽やかなボーカルが響くニュー・ジャズ的な楽曲ですが、
ハウスダンサー的にはこの曲はガッツリ踊れてしまうようです。

スタジオこもった時に流したらこの通り。
4つ打ちに限らずいろんなジャンルで踊れるのは楽しそうですね。

kors k - Gymnopedie -kors k mix-

エリック・サティのジムノペディを引用したエレクトロ・ハウス。
当時はまだ流行の兆しぐらいだった記憶がありますが、
EDMが圧倒的に流行する未来を的確にとらえていたような楽曲ですね。

Sota F. feat.Carol Gadsden - Fever

DDRはハウスが豊作!
Sota Fujimoriによる極上のソウルフル・ハウスです。
アルバムに入っているロングバージョンがベースソロ・シンセソロと
聴きどころ満載で素晴らしい仕上がりです!

Tomoyuki Uchida feat.秋成 - insist

音ゲーおじさんとおばさんにはMr.Tでお馴染み、Tomoyuki Uchidaによる
エモーショナルなガラージ・ハウス。
音ゲーでは男性ボーカルのハウスというのは結構珍しかったりするので、
ハウス比率が少な目な現代社会において非常にありがたい供給ですね。
疾走感のあるトラックに、秋成氏のエモーショナルなボーカルがバッチリハマったオススメの1曲。

brinq - Let Me Give You My Heart

現在はポップユニット「ハレトキドキ」のメンバーでもある
brinqによるキュートなエレクトロ・ポップ。
2000年代から続く和製ハウス・ポップのエッセンスが2分間に凝縮された見事な楽曲です。

②音楽ゲームで遊べる(遊べた)ライセンス楽曲(J-POPなど)

次は筆者が大好き、版権楽曲集♡
おおかた削除されてるんですけど、こういうのもあったんだよ~
的な気持ちで聞いてみていただければと思います。

Monday Michiru - You Make Me

ハウサーはご存じ、Prod.=Shinichi Osawa、Vo.=Monday Michiruの
黄金コンビによるブギー・ハウス。
Monday Michiruの伸びやかなボーカルがたまらなく良い!
音ゲーで遊べたのは太古の昔ですが、25年経っても色褪せないアンセムです。

Moloko - Sing It Back(Can 7 Supermarket Mix)

5鍵beatmaniaの至宝(と筆者が勝手に思っている)、
ブラジリアン・ハウスの世界的アンセムにもなった楽曲です。
Molokoのいいところは、同じ曲でもたくさんのリミックスがあり、
サブスクやデジタル販売も対応していて、手に取りやすいところです!
(この時代のハウスはレコードオンリーとかザラなので)
このSing It Backもたくさんのバージョン違いがありますので、
お気に入りを探してみてくださいね。

beatmaniaに入ってるアレはVol.1。
クラブでよく聞く(?)方のSing It BackはVol.2です。

Satoshi Tomiie, Satoru Shionoya - Brazilian Rhyme

Earth, Wind&FireのBeijo(Brazilian Rhyme)を、
ディープハウスの巨匠Satoshi Tomiieと、ジャズピアニストSatoru Shionoyaが大胆にカバーした名作。
ゲームではわずか2分ほどですが、オリジナルは10分を超える超大作!
この大元になってるBrazilian Rhymeって本当にたくさんのカバーやリミックスがあるんですけど、
個人的には一番好きな作品がコレです。夏に聞きたい清涼感!

GTS - Last Chance feat.Baby M

夏だ!ハウスだ!GTSだ!
じゃないですけど、音ゲーにはBrand New World以来の登場となるGTS。
この曲と筆者の出会いはリフレクなので、English Version派なのですが、
GTSのオタクからするとJapanese Versionのイメージが強いそうですよ。
初代リフレクは、同時期のjubeatが邦ロックに振り切ってきた影響か、
ダンスミュージックの文脈が強い選曲でしたよね。

Lion Musashi - thunder(HOUSE NATION REMIX)

これ版権なのか?って感じですけど、HOUSE NATION削除の波にのまれて一度消えたので版権なんでしょう。サントラも長いし。偉い人が作ってるし。
そしてここに来て墓譜面を引っ提げて衝撃の復活を果たしたことは記憶に新しいですね。
2005~2008年ぐらいのハウスにありがちな要素を見事に詰め込みながらも、
聴ける・踊れるハウスとして完成された、beatmaniaとavexのコラボレーションが産んだ名作ハウスミュージック。

capsule - Starry Sky

筆者がbeatmaniaIIDXに収録しろと15年言い続けた楽曲が、
なんと令和になってミュージックダイバーに収録されました。
なんということだ。
ハウサーにはもはや説明不要、今や日本を代表するプロデューサーとなった
中田ヤスタカのユニット「capsule」の代名詞でもある
和製フレンチ・エレクトロ・ハウス!

Takeshi Nakatsuka - Kiss&Ride

30代以上の人はふんわり覚えてるかもしれない、
CMでも聞いたことのある和製フレンチ・エレクトロ・ハウスです。
「きんいろモザイク」の「Your Voice」を作った方って言った方がわかりやすいのかな?
前期jubeat屈指の変態譜面として名を馳せた(?)時代もありました。
実はゲームではラスト1分30秒しか使ってないんですよね。

Shoichiro Hirata feat.Sana - BANG!

このエレクトロハウスの流れではこれを紹介するほかない!
音ゲーだけでなく、J-POPでも幅広い活躍をしている平田祥一郎さんと、
コナミの歌姫と呼ばれたSanaさんのコラボ!
まさかこれがmaimaiに収録されるとは。。。いやはや。。。
beatmaniaおじさんにとって、ヒラタ先生といえば
ラテンハウスやフィルターハウスのイメージなのですが、
こちらはガチガチにEDMの流れを汲んだエレクトロ・ベースハウス!
今の時代はこういう曲をアイドルが歌ったりもする。すごい時代ですよね。

Firebeatz&Schella - Dat Disco Swindle

DANCERUSHはSPINNIN' RECORDSの楽曲がたくさん収録されていました。
これ、フレンチっぽい感じかと思ったらベースドロップ来るので、
初めて聞いたときにめちゃくちゃ笑った記憶があります。
PVもめっちゃVJっぽい感じがして面白いですよね。

③さらなるDigを進めるためのガイド

さて、過去の音ゲー曲や版権曲をさかのぼるだけでも、
なかなかの数のハウスミュージックにたどり着けるのですが、
ここではこんなんじゃ足りないぜ!という
欲張りな人のために、
さらなるハウスへたどり着くための指針を伝授します。

音ゲーアーティストが音ゲーじゃないところで作ったハウス

手近なところからいきましょう。
音ゲーに縁のあるトラックメイカーの皆さんは、
ゲーム性やゲームの方向性などもあり、なかなか
ハウスを書いているところを音ゲーでは見せてくれないのですが、
それ以外のお仕事ではバッチリ書いていたりするものです。
ありがたや。

たとえば、kors kはCaramel Podというハウスユニットで活動していました。

Caramel Pod - Last Love

先ほど版権曲のコーナーでもあげましたが、
Diverse Systemは最近の音ゲーに曲を書き下ろしているトラックメイカーが
多数楽曲を提供しているコンピレーションを発売しています。

BlackY feat.Risa Yuzuki - Lemonade Fizz

この楽曲や、BANG!も収録されているのが、AD:HOUSEシリーズ。
配信媒体もバッチリ対応。ありがたや。

リリースされるコンピレーションは、TwitterやYouTubeで
試聴が公開されていたり、各種配信媒体(サブスク等)で聞けるなど、
いろんなところで聞けますので、探してみてくださいね。

レーベルDigで好きなサブジャンルを根こそぎ入手

自分はこういう傾向のハウスが好きだ!というのが
既に定まっている人は、レーベルを糸口にすることで、
似たような雰囲気の曲を芋づる式に探り当てることができます。

同じレーベルからリリースされている曲は、サブジャンルとしては
近いことが多いからです。

例えば、音ゲーでいうなら先述のBad Routineみたいな曲がいい!
という人は、
海外レーベルのGlitterboxやGroove Cultureといった
ブギー・ハウスレーベルがオススメ!

Horse Meat Disco - Falling Deep In Love(Joey Negro Disco Blend)

DANCERUSH収録曲のような現代的なハウスが好きな方は、
版権として多数収録されていたSPINNIN' RECORDSはもちろん、
TOOLROOMやDefectedといったテック・ハウスなレーベルもオススメです。

Mark Knight, James Hurr - Lady(Hear Me Tonight)

レーベル単位で曲を探していると、1年に1度総決算ベストや、
季節ごとにコンセプトを変えたコンピレーションを出していたりするので、
さらに曲探しがはかどります。

TOOLROOM AMSTERDAM 2023

Glitterbox Jams

こちらは必殺、HOUSE MASTERSシリーズ!
ハウスミュージックの巨匠たちによる作品をまとめて聞くことができます。

Defected Presents HOUSE MASTERS <Jazz-n-Groove>

サブスクはサジェストも優秀だったりするので、
ひとつきっかけが見つかるとどんどん新しい曲と出会えます。
是非活用してみてください。

おわりに

この流れに乗らなければ!というのもあって、
かなりノリと勢いで書いているうえに、
ハウスというのは本当に長い間育ち続けてきたジャンルなので、
この記事ひとつではおさまりきらない楽曲が存在していて、
10年以上ハウスを探してきた筆者にもまだまだ知らない世界があります。

筆者をはじめ、音ゲーからハウスの魅力にとりつかれた人は
いると信じていますが、
この記事がお気に入りの新しい楽曲に出会うきっかけになればいいなと思います。
ハウスは、いいぞ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?