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横浜スタジアムの地縛霊

昨日はCSファーストステージ第3戦を観に横浜スタジアムへ行ってました。私には、試合観戦の他に「どうしても行かなくてはいけない理由」があったんです。

対阪神戦、そう聞くだけでファンは吐き気や目眩などの諸症状を引き起こすくらいベイスターズは阪神に弱い。更に私は日曜の県大会の疲労もあって、バッチリ体調不良の状態でした。

でも、もしかしたら今日で今年のベイスターズが最後になってしまうかもしれない。そしたら「今年しかできない、まだ果たせていないこと」が叶わなくなってしまう。そう思うと体は自然と横浜スタジアムの方へと動くのです。私は思いつく限りの”必死のパッチ”(風邪用の栄養ドリンク、マスク)を駆使してなんとか現地に向かいました。

横浜スタジアムに到着後、私は雨が降る前にまず客席へ。今年まだ果たせていないこと、それは、今季戦力外通告を受けた#23 大河(松尾大河)選手のユニフォームとタオルを纏っての写真撮影でした。

大河くんは熊本・秀岳館高校出身。甲子園では「1番・ショート」として鳥谷もびっくりな活躍をして、2016年にベイに入ってきました。甲子園を観てファンになった私は、入団からの一年間は熟考を重ね、二年目にようやく彼のユニフォームを買ったのです。ベイの選手ユニで筒香以外のものを買ったのは初めてでした。春季キャンプにも行って、サインも書いてもらいました。

彼が一軍公式戦を迎えたらこのユニフォームを現地で着ようとずっと心に決めて待っていたんです。なのに、まさかの一軍未経験のまま戦力外に……。

私はユニを着てタオルを出し、感情を殺し、近くにいた知らない人にお願いして写真を撮ってもらいました。
「撮りますよ~ハイチーズ」

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こうして目的は果たされました。そして試合は2ー1で敗れ、2019年のベイスターズ――つまり大河くんが横浜にいた最後のシーズンが終わってしまいました。実感はまだありません。私の目的は果たされたけれど、まだ成仏できずにハマスタ上空をさまよっている感じです。さらには筒香のポスティング承認の報まで飛び込んできました。おいまじか。

前に祖父が餅を喉につまらせて急死した時、ショックすぎて涙がどこかに引っ込んでしまったことがありました。葬式の準備や寝ずの番や家事で忙殺され、しばらく経ってからびっくりするほど涙が出たんですが。あのときと同じだよじいちゃん。悲しさがまだわからないよ。来年は大河くんも筒香もいないらしいよ?

これを書きながら、「やはり自分の気持ちを供養するためにもトライアウトに行くべきでは?」という考えが頭をよぎります。舞洲で大河くんのトライアウトを見たら、私の想いをじいちゃんが天国に連れて行ってくれるんじゃないかななんて。

きっと風邪が悪化しているのでしょう。もう今日は早めに横になることにします。そうでなきゃ大阪の足と宿を押さえちゃう。ご拝読ありがとうございました。

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