尼崎連続変死事件 角田瑠衣_01

日時場所:2015年12月2日 1000〜1630@神戸地裁202号法廷

罪名:逮捕監禁、殺人、死体遺棄、監禁、詐欺、生命身体加害略取

 東京在住の私ですが、凶悪殺人の裁判傍聴のために地方へ足を運ぶ事もけっこうあります。こちらは2011年11月、兵庫県尼崎市の倉庫で大江和子さん(66=当時)の遺体が見つかったことがきっかけで発覚した「尼崎連続変死事件」です。主犯と目されていた角田美代子元被告(64=当時)は逮捕後に留置場で自殺を遂げ、主犯不在の裁判が、神戸地裁で粛々と行われております。一連の事件では瑠衣被告人を含む10名が起訴され9名にはすでに有罪判決が言い渡されており、こちらの瑠衣被告人が、一審の神戸地裁では最後の関係者となります。初公判は10月に開かれていて、起訴事実の大半を否認しています。殺人では3件の起訴。角田久芳さん(51=当時)を沖縄県の崖から転落死させ、姉の仲島茉莉子さん(26=同)を尼崎市のマンションのベランダ物置に監禁し虐待を加えて殺害。さらに橋本次郎さん(53=同)を虐待死させ、岡山県の海に投棄したとされるものです。

 関係者の裁判は必ず一度は見に行こうという意気込みで、今年は数ヶ月に一度、神戸に通うことになりました。他の共犯の公判も見ていますが、瑠衣被告人は美代子に気に入られていたという報道もあり、気になり度も高いです。朝イチの新幹線で神戸へ向かいます。

 この日の審理は通称「久芳さん事件」。平成17年7月に沖縄の万座毛の崖から転落死した角田久芳さんですが保険金目的であることが他の共犯の裁判では認定されており、実際に死亡後、美代子ファミリーは保険会社2社から約5000万円の保険金を得ています。しかし私がこれまでの共犯の公判に出向く時、なぜかこの「久芳さん事件」の審理をやってるときが多く、万座毛の崖から…という話は正直死ぬほど聞いたので、神戸行きの日にちをちょっと間違ってしまったと思いました…。

 事件が多いので各事件ごとに冒頭陳述や証拠調べ、被告人質問が行われるスタイルです。朝から久芳さん事件の冒頭陳述、証拠調べ(調書などの読み上げ)が行われ、検察側からの被告人質問がスタートしました。と、ここで気付いたのですが瑠衣裁判の裁判員にむちゃくちゃハイレベルなスーツのイケメンがいて死ぬほど驚きました。この裁判は来年2月まで続くのです。今年の10月から来年2月まで、裁判員裁判を傍聴し続ける事の出来る裁判員は限られています。年金世代か専業主婦か、ニートかバイトか…ってなもんです。実際にこの裁判の裁判員はジーさん率高め。しかしこのスーパーイケメンは(見た目判断ですが)仕事もバリバリやっていそうな世代なのに…2月まで休めるって一体何の仕事してるの!?こんなスーパーイケメンが!?この裁判最大の謎です。

 で、肝心の瑠衣被告人はまあ、死んでしまった美代子の言葉を…例えば「○○だというようなことを言っていました」とかではなく「美代子は『お前にいくらかかったと思てんねん』と」など、美代子語録を完全再現して法廷で話すのです。まるで瑠衣被告人に美代子が乗り移っているのかと思うほどでした。共犯の仲島康司とかは「あ〜そうですね、そんな感じでしたね」と適当でしたので差がすごかったです。

 そんな瑠衣被告人が発した美代子語録は、

「怖がらさんようにな、心配してるように呼んだり」(当初、車に自転車で飛び込んで死ぬよう言われていたができず一度逃走した久芳さんを公園に探しにいく際、美代子から指示された言葉)

「それにしてもな〜」(連れ戻した久芳さんを含めての家族会議…美代子は家族会議と称する長時間の話し合いでメンバーらを疲弊させていた…が始まる合図)

「うち、恥忍んで言うたよな、お前には。家苦しいんやって。そしたらお前、『姉ちゃんのためならいける、皆のため、死ねる』って言うたんちゃうんか」(家族会議で美代子が久芳さんに言った言葉)

「自殺じゃあかんねん」(家族会議で美代子が久芳さんに言った言葉。保険金を得るため事故に見せかけたいという美代子の意志のようである)

「玄関で、これで久芳見れるの最後かと思て『いってらっしゃい』言うてんのに、帰ってきやがって」(家族会議で美代子が久芳さんに言った言葉)

「家計苦しいのに、三枝子ちゃんがやりくりしてカスミの旅行にも連れてったやろが、最後の思い出作りに」(同)

「いつからこんな話なってんねん。今さら何言ってんねん。いつからこんな話なってんねんと思てんねんや」(同。前から死ぬ事を久芳さんも了承していたのに…という意味)

「なあ?どう思う?信じられへんやろ」(同。上記台詞を言った後皆に同調を求める美代子)

「またたのんだよ、一杯飲ましてね、気ィ大きいさせてな」(再度死ぬ事を決意した久芳さんが、ふたたび自転車で車に飛び込むため、共犯の李正則を見届け人としてともに出かける際、マサに言った言葉)

「あれじゃアカンなー」(そこで怖じ気づく久芳さんを見た美代子がマサに言った言葉)

「結局お前、どないやねん。お前、今さら何言ってんねん」(やはり死ねない久芳さんに対してブチ切れながら美代子が言った言葉)

「見てみ、この子でもこんなこと言うてくれてんのに」(瑠衣被告人が上記やり取りを聞いて「風俗で働こうか?」と切り出した事に対して、久芳さんに向かって言った言葉)

 と、このような感じで、死ぬ決心がつかない久芳さんを美代子率いるファミリーが追い込んでいき、最終的には沖縄に家族旅行に行き、観光地で写真を撮る際に誤って崖から足を滑らせ死ぬ、というシナリオが出来上がりまして、それに久芳さんも了承しました。

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tk84yuki

傍聴の記録

コメント1件

裁判ものといえば、北尾トロさんのを読んでました。高橋さんのも、ガンガン読みます。会話の件が生々しいですし、一番パーソナリティや場の空気感を想起し易いです。それにしても、イケメン何者!?
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