音楽を集める100の方法

 高校教員です。

 ある時、放送機材のトラブルで、始業のチャイムが流れず、ノイズの音になった。
 「チャイムがリニューアルしたね」などとおどけて見せる。
 その後で、「ノイズが音楽に聞こえるという視点もある」と話した。
そこで、池田亮司さんのパフォーマンスを流してみる。

 授業が終わった後、「さっきの人の名前教えてください」と話しかけられた。
 うむうむ、良い。

 別の機会で、生徒に宗藤竜太さんを紹介した。

 どうやってこういう音楽を知っていくんですか、と聞かれる。
 学生時代に新宿のタワーレコードで視聴機に張り付いていたんだよ、と応える。そして家でも、ちょっと見聞きした音楽や音楽家の名前などをきちんと覚えておくんだよ、と話した。
 YoutubeでもSNSでも、「あなたへのおすすめ」が流れてくる。それをノイズだと思って無視することだってできるのだが、そこを(面倒かもしれないけれど)メモしておく、その繰り返しによって、自分の趣味は広がっていくと思う。
 今を生きる私たちは、タイムラインのCMや、ロードサイドの看板、その他広告と呼ばれるものを、1日のうち数えきれないほど「無視」している。無視することを毎日訓練しているその中で、無視してしまうことに目を向ける意識が大切かもしれない、と思う。時間がないからといってスルーしてしまいそうな異国のバンドや出始めのシンガーをなるべく覚えておく。聞いた結果、変なのーと言ってそれきりなこともあるけれど。笑

 そういう、人によっては面倒な生活の仕方で、昨日であったのは、Arlo Parks。
 チルな感じ、良い音楽。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?