時には採算を度外視したこともやってみる

今までのnoteの記事は何となく自分の中では成功が見えていることにフォーカスして原稿を書いてきたのですが、今回は、自分でもどうなるか分からないことに対して、タイトルのように採算を度外視したチャレンジについて書きたいと思います。

それは数日前に私の携帯にかかってきた1本の電話から始まりました。

電話の相手は、愛媛県松山市で発行されている情報誌の広告営業の方で、「6月下旬に発売の紙面で、うちのゲストハウスの広告を掲載しませんか?」という内容でした。

いつもなら直ぐに切るところですが、電話口の話し方がたどたどしく、営業にのってくる企業が少ないのか、明らかに諦めムード、ダメ元での電話という感じがしたので、このまま電話を切ってしまうと、少し可哀想なのもあり、具体的に話を聞きたいという旨を伝えたのです。

すると、声のトーンが明らかに変わり、ハキハキ話し始めました。最後には「詳細は別のものから電話させても良いですか」ということで、アポの段取りに…笑

私の方も映像メインとはいえ、本業が広告制作なので、雑誌広告にも興味があったのもあり、勉強のためという軽い気持ちでした。

そこから別の担当の人から改めて電話があり、具体的な広告営業の話をいただきました。

カラー1/8Pでいくら、カラー1/4Pでいくらと、媒体資料を見ながら数万円単位の価格設定を聞かされ、わざわざどこにでも埋もれる広告にお金をかけてもなぁ…って思ってたのですが、今回の誌面の特集は「愛媛でこの夏したいこと」というのを聞いて、「これは実際に広告枠を買っても面白いかも」と少し心を動かされたのです。

というもの、私が運営しているゲストハウスは1日1組限定で17人まで宿泊できる施設で、松山市内の大学生やママ友のお泊まり会、同窓会、家族旅行で利用されていたり、地元で自粛というテーマで地元のテレビ局への取材も交渉もしていたので、「愛媛でこの夏したいこと」という特集は正にピッタリかなと思ったのです。

そうなると、ただ4分の1ページとか2分の1ページとかで施設の紹介だけされても面白くないと思い、見開きとかなるべく大きく取り上げてもらうためにはどうしたら良いかを聞いたところ、

・話題のゲストハウス「Mittan」を徹底解剖!
・編集部が体験!ゲストハウス「Mittan」でできること

こんな感じの切り口の提案を受けました。

確かに、こういう切り口で取り上げてもらえれば、うちのゲストハウスの施設はきちんと紹介してもらえますが、「愛媛でこの夏したいこと」という特集に対してダイレクトに集客に繋げるというところに、広告っぽい嘘くささが出てしまうことで、何となくピンとこなかったのです。

また、特集として見開き2Pや最大4Pの掲載も可能ということでしたが、掲載料は2Pで400,000円+制作費20%(税別)、4Pで700,000円+制作費20%(税別)という、結構な金額でしたので、そこも悩みの種でした。

そもそも1ヶ月ほぼ満室で入っても、売上が130万、粗利が80-90万なので、現状でも宿泊予約がちょこちょこ入ってきていて、政府も7月下旬から旅行クーポンを発行し、旅行や飲食業界向け需要喚起策による支援を実施するという中、わざわざ誌面にここまでのお金をかけてする必要があるものかなと…。

そんな感じで逡巡している時に、私のゲストハウスがある三津浜という地域は、松山の玄関口として栄えた港町で、最近ではレトロスポットとして注目を浴びている地域なので、「愛媛でこの夏したいこと」に三津浜散策をメインに置き、三津浜の人気スポットを紹介しながら、最終目的地としてうちのゲストハウスに泊まってもらうというストーリーであれば、広告っぽくなく集客できるのではないかとふと思いついたのです。

早速その内容を編集部の方に伝え、4Pの中で三津浜散策に半分誌面を割き、残り2Pでうちのゲストハウスを紹介するという内容であれば、広告よりも特集との親和性も高いタイアップになるので、予算含めて検討できないかをお願いしたところ、編集部の方でも、三津浜は特集することも多いので、散策の取材先もある程度お任せいただければ、誌面の制作費の20%というのは外せそうだということでした。

ただ取材先に関しては、全て編集部にお任せではなく、このエリアで私がお世話になったお店がいくつかあるので、そこに優先して取材交渉をしてもらいたい旨は伝え、そこも了承をいただきました。

また完全なゲストハウスへの宣伝タイアップは4P中、2Pなので、掲載料も込み込みで50万(税別)でよいとのこと。

当初の4Pで700,000円+制作費20%(税別)を考えるとかなり譲歩をしていただきました。

掲載内容もある程度固ま理、掲載料もディスカウントしていただいたところまではトントン拍子で進みましたが、果たしてこの広告効果はどれくらいあるのか?本当に集客できるのか?というところは否めません。

媒体資料には、発行部数は30,000部読者数は50,000人以上を抱え、雑誌、WEB、アプリ、SNSが連動し、約10万人以上に届く圧倒的な影響力と書いてありましたが、こういった数字の羅列は、私も広告制作で15年仕事をしているので眉唾なのは分かっていて、盲目的に広告効果が上がりこれで集客が伸びるとは思えなかったのです。

うちのゲストハウスの1泊あたりの平均単価が4万円程度で、粗利が大体3万円程度なので、単純にこの広告から新規で17泊以上予約が入ってやっと黒字化、16泊でトントンと考えると、夏の2ヶ月間の広告効果を考慮した際に、うちの小さな事業スキームで出す広告としては得策ではなく、止めた方が良いかなと思ったのですが、思い切って掲載することにしました。

Uberで必死こいて1ヶ月で20万の報酬と言ってたのに、ここではあっさり50万です…笑

ただ自暴自棄になり、ギャンブル的な感じで掲載を決めた訳ではありません。

ここ三津浜では、私と同じく集客に苦しんでいるお店が沢山あり、そのほとんどは自前で広告を出すことはないので、今回の三津浜散策という特集になってもらえれば、三津浜に来る人が増え、雑誌に掲載されてないお店も含め、三津浜にお金が落ちることで経済が回ると考えたからです。

この情報誌の広告営業の方としても、何度も営業電話をダメ元でかけ続けたところの成功体験にも繋がりますし、この雑誌社自体も広告費が取れることで潤います。仮に私もゲストハウスで利益が出なくても、清掃スタッフにはバイト代は支払えるので、少なくとも今の時点で私以外の人は全てプラスになるということもあり、広告掲載してみようと決意しました。

最後にちょっとでも値引きできないか聞いたのはここだけの話にしておいてください!笑

ということで、今回は、時には採算を度外視したこともやってみるというテーマでお話しさせていただきました。

早速来週には取材が入ります。このnoteでもまた進捗を書いていきますね。

それではまた!

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