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デンマークに90日以上滞在する人必須!〜CPR Numberの取得方法〜

今回は、留学や移住等でデンマークに90日以上滞在する人は必ず申し込まなければいけないCPR Number、イエローカードについて記事にしてみます。

こちらは、現地についたら5日以内に必ず行わないといけない作業になりますので、忘れずに行うようにしましょう。


CPR numberとは

まず、CPR Numberとはなんだ?という人が多いのではないでしょうか。

【CPR numberとは•••】
"Central Persons Registration" の略で、デンマークに90日以上滞在する人は国籍等を問わず、全ての人が保持する個人番号

これは、日本でいうマイナンバーカードみたいなもので、全ての個人情報がCPR numberに紐づけられています。

マイナンバーカードは2016年に開始しまだ10年も経っていない比較的に新しいですが、CPR numberは1967年から導入され、すでに50年以上の歴史を持つ制度となっています。

「デジタル先進国」として知られるデンマークでは、公共分野も含めてほとんどのもののデジタル化が進んでおり、CPR numberはそのデジタル化を進めるにあたりなくてはならない存在となっています。


どんな場面で使用するの?

CPR numberはあらゆる場面において必要になり、かなり生活に密着した制度となっています。

どんなものに必要なのか一例を挙げてみると、

・銀行口座の開設
・健康保険証の発行/利用
・納税
・給与受給
・図書館の利用
etc.

これ以外にもあらゆる場面で使用するこの番号ですが、CPR numberを登録した交通ICカードを使用すると、電車やバスの運賃の割引が受けられるなどもあります。

また、ネットで何か買い物をする際にも本人確認としてCPR numberを求められることもあるみたいです。


番号の仕組み

CPR numberは10桁の数字で構成されています。
〈 ○○○○○○-■■■◆ 〉

○=自分の生年月日(dd, mm, yy)
■=ランダム
◆=男性(奇数)女性(偶数)

最後の下一桁の「性別」の番号に関して、心と体の性が違う人はどうするのか?性別を変えた人はこの番号も変えるのか?そもそも性別による番号の違いは撤廃した方がいいのではないか?など、色々議論が起きているみたいですが、今のところこの仕組みを変えるつもりはないそうです。、

CPR number の取得方法

いつ・どこで取得するの?

デンマークの現地に着いてから5日以内に行わなければいけません。

あまり大きな声ではいえないのですが、私の学校にいる留学生のほとんどは5日以内どころか、2ヶ月や3ヶ月経ってから申請したりいます。必ず5日以内に登録しないとトラブルに巻き込まれる、ということは見る限りなさそうなのできっと大丈夫だと思いますが、期限を守ることに越したことはないです。

また、取得場所は各自治体の住民登録局になります。その際、予約が必須なので、注意しましょう。


必要書類

必要書類は以下になります。

・パスポート
・ビザの申請書(学生ビザの場合:ST1)
・デンマークでの居住地が記載された書類
→フォルケの場合は、学校の入学許可証でOK
・戸籍謄本(英訳:アポスティーユ付き)★

ここで最も面倒でややこしいのが「アポスティーユ付き、英訳の戸籍謄本」です。

「そもそもアポスティーユってなんだ?」
という人も多いと思います。もちろん、私もその一人でした。

【アポスティーユとは•••】

公印確認,アポスティーユは,どちらも日本の官公署,自治体等が発行する公文書に対する外務省の証明のことです。外国での各種手続き(婚姻・離婚・出生,査証取得,会社設立,不動産購入など)のために日本の公文書を提出する必要が生じ,その提出先機関から,外務省の証明を取得するよう求められた場合,また日本にある提出先国の大使館・(総)領事館の領事による認証(=領事認証)取得に際して要求された場合に必要になります。よって,外国の提出機関あるいは駐日大使館・(総)領事館が求めている場合のみ申請をして頂くことになります。
外務省「公印確認・アポスティーユとは

めちゃくちゃ簡単に言うと、日本の市役所などから発行された証明書が正式なものだよ、ということを外務省が証明するものです。

このアポスティーユを取得するには、① 「外務省に申請」②「代行業者に頼む」の2つの方法があります。

〈外務省でのアポスティーユ申請方法 → こちら

※外務省での申請は、新型コロナ対策として郵送でのみ対応。(2023年3月26日時点)

困ったことに、外務省に申請するのはかなり手続きが面倒だし、委託でどこかの業者に頼むのもめちゃくちゃ高いです。(大体2万円くらいします…。)

今まではアポスティーユは必要なくただの英訳だけでよかったらしいのに、2023年1月から私のいる自治体のルールが急に変わったらしく、ただの英訳した戸籍謄本を持っていったら、「これはアポスティーユがついてないからだめ。」と跳ね返されてしまいました。

サイトにも何も書いていなかったため、学校側も抗議の電話を入れてくれたのですが、「今までも必要だったけど、やってなかっただけ。規制を強化した。」なんて言われてしまいました。とっても腹立たしいが仕方ないですね…(泣)


申請方法

気を取り直して申請方法です。
書類さえ揃っていれば、そんなに難しくないはずです。

1. 各自治体サイトから事前に予約 ※平日のみ
2. 予約時間に行く
3. 受付番号取る → 呼ばれたら、CPR numberを取得したい旨を述べる
4. 職員の指示に従って所定の書類に記入
→この時、かかりつけの医師を聞かれる場合があるので、事前に学校や周囲の人にどこがいいか聞いておく。
5. 約2週間に登録した住所に書類と、CPR numberが記載された「イエローカード」が郵送、完了

大体、2週間くらいで登録が完了します。
書類とともに、イエローナンバー(健康保険証)にCPR numberが記載されて登録した住所に送られてきます。(イエローナンバーについては、後ほど詳しく説明。)

注意点としては、以下の3点です。
① 事前の予約が必須
② 平日の9時〜15時までしか空いていない
③ かかりつけ医師を事前にリサーチしておく

最後のかかりつけ医師に関しては希望を聞かれる時と、聞かれない時があるようですが、希望がある場合はその場で申告するようにしましょう。また、もし聞かれた時に備えて、事前に学校や周囲の人に確認しておくのが良いでしょう。

(ちなみに私は聞かれませんでしたし、希望もなかったので、そのままスルーしました。)

そして、どこの自治体に赴くかは、学校に聞くのが一番正確かと思います。参考までに私はここの自治体から事前の予約をしました。
Aabenraa Kommune



イエローカードとは

イエローカードとは、健康保険証のことです。

CPR numberを申請すると自動的に申請・交付されます。これを持っている人は病院での診察代や薬代を全額(または一部)負担してくれます。

つまり、3ヶ月以上デンマークに滞在する全ての人は国籍問わず全員このカードを持つことになるので、デンマーク人でなくても無料の医療を受けられることになります。

サラッと書きましたが、だいぶ衝撃的です。

他の国の人でも自国民と同じような医療が無料で受けられるなんて普通に考えてあり得なくないか?自分たちの税金は自分たちの国民のために使ってよ!みたいな反対の声が飛んでこないのか?と色々疑問に思って友人らに聞いてみると、やっぱり反対している人もいるみたいです。これも、デンマークがEUの中では移民や難民を受け入れない数少ない国である一つの理由だそうです。

ちょっと話はそれましたが、このカードにもCPR numberが記載されているため、本人確認書類としても使用することができます。


おわりに

今回は、デンマークに90日以上滞在する人は必ず行わないといけない、CPR numberやイエローカードの取得方法について書いてみました。

みなさんの参考になれば嬉しいです。

フォルケホイスコーレ、Rønshoved Hojskole
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