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リラックス難儀な館内着

人間、寄る年波には勝てない。人間や生物にとどまらず森羅万象、時間の流れに逆らえるものはない。






パンツのゴムも然り。


よほど永久保存したくて日光に触れるのを避けて真空パックでもしていなければ、ましてや利用客の多い温浴施設の館内着のパンツのゴムなど著しく消耗も激しいのは当然である。




私がほぼ毎日過ごしている温浴施設の館内着のパンツは腰にゴムのあるタイプで調節する紐がない。日によってピタッとくることもあれば、気をつけていないとあわや猥褻物陳列罪になるヨレヨレパンツに当たることもある。その場合ハンケツ状態や昔流行った腰履きなどの陳列未遂が一日中何度も訪れることになる。


ここの館内着はFサイズよりLLサイズが大きく、本来ならば上着がゆったりリラックスできるLLサイズを着たいのだが怖くていつもFサイズを選んでいる。しかし3〜4回に一回はユルユルに当たる。

私はその温浴施設内に併設されたジムの会員である。入館処理のあとジム内の棚に置かれたサイズ別の館内着とタオル入りのメッシュのバッグをセルフで選ぶことになっているのだが、その際に腰周りがヨレヨレになっていないか入念にチェックしようとすると新しいジムのスタッフさんからは訝しげに見られて、止めに入られることがある。

サイズチェックをしようといていると思われるのか、大抵「そちらの棚はFサイズですよ」と促される。そんなことは百も承知である。私はゴムの劣化を見たいだけだ。しかし他の会員も手にするものを片っ端からほじくるわけにもいかずだいたい最初に手にしたバッグを願掛けしつつ借りることになる。一度スタッフさんに説明した時には笑われながら「ゆるかったら交換しにきてください」とありがたい言葉をもらったが、何度も運試しするのは気が引けるではないか。履いたり脱いだりも手間だし申し訳ない。見させてほしいし触らしてほしい。それかあらかじめスタッフさんにチェックしてもらって合格したパンツのものを渡してほしい。
いやそれ以前にクリーニングの終わった館内着のパンツのゴム強度をチェックして合格しなかったものは回さないでほしい。
そうでなければ温浴施設も猥褻物陳列幇助罪に問われるのではないだろうか。


そんな瑣末ながらも緊張を強いられるパンツのゴム問題の解決を今もゆるゆるなパンツをあげつつ願ってやまない。

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