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2018/9/4 術後検査の結果が判明しました


術後1か月が経過しましたが、その間まとめてnoteを更新する面持ちになることがどうしてもできませんでした。退院の翌日8/9にすでに「がんの手術・入院にまつわるお金」のことについてドラフトは書き始めていたのですが、妻の受け入れ準備、リフォームの対応、仕事の多忙化等諸処の理由により更新することができず、漫画家のさくらももこさんが乳がんで亡くなる報を受けるまで、更新に至ることができませんでした。

(※プライバシー保護のため一部有料です)

9月3日 病理検査結果説明の日

そしてひと月後、残念なことをお知らせしなければなりません。

妻の乳がんとステージが確定しました。

T2N1M0(ステージⅡB)の「浸潤性乳管がん(硬癌)」との所見です。

リンパ節転移の程度は「軽度」で、廓清した部位の21本中、転移が認められたのは2本のみでした。そのうち1本(2.5cm)に「被膜浸潤」が認められましたが、「断端」への浸潤は陰性で、患部のガンはすべて取り除くことができたことが確認されました。私はこの手術の結果を信頼します。

リンパ節転移:2/21
① 1.7cm(被膜外浸潤あり)
② 2.5cm(被膜浸潤あり)

しかし、「静脈侵襲」しているかどうかは不明で、血流に伴ってガンが患部外に転移したかどうかは確認できないようです。

その上で、術前より悪い結果が報されました。

核異型度(核グレード)という、ガン細胞の悪性度を測る目安が、術前に最低の”1”だったものが、術後には最高の”3”に変わってしまったのです。このグレードは、いわゆるガン細胞の「顔つき」を表すもので、顔つきが「おとなしい」と増殖能力が「比較的低い」ことになるのですが、これが「悪い」となると増殖能力が「高い」ことになります。

核異型度:NG3(高度)
• 大小不揃いで核縁不整あり
• 核小体が目立つ
• 中等度、核分裂像:12個程度
• 組織学グレードもはIII相当

具体的には、「顔つき」が整っていて大小の形が揃っていれば、その分増殖が少ないことを意味するのですが、これが「大小不揃い」「核縁不整あり」「核小体が目立つ」とされたことから、増殖能力が高く、また増殖していることが確認されたのです。ということは、患部外に転移したら活発に増殖して広まってしまうかもしれないということです。

つまりがんの広がりを抑えるために、抗がん剤治療が必須となりました。さらに「免疫染色体」の検査結果も、当初所見通りに、エストロゲン(女性ホルモン)受容体(ER)について陽性、プロゲステロン(黄体ホルモン)受容体(PR)についていずれも「陽性」、受容体型チロシンキナーゼ(HER2)については「陰性」と診断されました。

ER+ (80-90% moderate-strong) positive
PgR+ (10-20% weak) positive
HER2 2+ (MIB-1 30-35%+) negative

妻のがん細胞はこのERを餌に増殖するタイプと判ったので、細胞増殖を抑制するためにホルモン抑制剤の投与が必要となり、これが5年から10年必要となるということです。

結果、妻が術前から拒絶していた抗がん剤治療とホルモン剤治療はいずれも「必要」という判断となりました。唯一の救いは、放射線治療は必要ないことがわかったことでした。また、仮に抗がん剤治療は受けないとしても、ホルモン剤治療だけでも受けることを強く推奨されました。

こうして、私たちの選択肢は狭まりました。

今日に至るまでの術後回復経過

今日に至るまでの妻の術後回復経過は、すこぶる順調でした。当初は麻酔の副作用や発熱により苦しんでいた妻も、2週間後、3週間後には抗生物質も必要となくなり、3週目にはドレーンにより左脇腹に溜まっていた体液もほとんど出なくなり、外来で注出作業を行う必要がなくなりました。そうして、外来診療そのものが必要となくなった矢先に、これから定期的通院が必要になることが言い渡されたのでした。

左腕のリハビリ状況も、リハビリの担当医に言わせると順調で、左半身の回復状況も、階段の上り下りができるようになるくらい回復していました。じつは自転車にも乗れるようになっています。職場復帰が秒読みとなった矢先のこの宣告は、妻には予想外のことで、さぞ落胆したことでしょう。

そこで当日は急遽、映画を予定してアクション映画で現実逃避することにしました。二人とも、この新しい現実にどう対応してよいかわからなかったし、この宣告の力に私たちの日常を支配されたくなかったからです。

せっかく仕事を休み、偶然できた妻との時間。

私は妻とのデートに使うことを選択しました。

今後の選択

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noteをご覧くださりありがとうございます。基本的に「戦う」ためのnoteですが、私にとって何よりも大切な「戦い」は私たち夫婦のガンとの戦いです。皆さまのサポートが私たちの支えとなります。よろしくお願いいたします。