歳末ニューヨーク放浪記:その①「信号機」


年の暮れ、ニューヨークを訪れました。

特にこれといった目的はなく、「仕事を辞めてニューヨークに行く」というこじらせたOLみたいな発想のもと、酔った勢いで航空券をとってしまったのです。
翌朝、クレジットの明細を確認した時のあの衝撃たるや。

こうなったらもう、行くしかありません。

元を取るつもりで、「アナザースカイ」を何本も見ては「僕を育ててくれた場所・ニューヨーク」というナレーションを想像し気分を盛り上げる夜。

今回のテーマは「暮らすように」と決めていました。
まるでニューヨークに住んでいるかのごとく、歩くということ。

特にエンパイアステートビルディングに登ったりしないし、ハイラインを歩いたりもしない。
チャージング・ブルの前で写真を撮らない。
ニューヨークに、はしゃがない。
これをテーマに旅をして来ました。

実際に予定を詰め込まずに街並みを歩く時間を多く作ってみると、細かい部分が気になるものです。
この違和感の正体はなんだろう、と考えたことをしばし。

ニューヨークの信号機への違和感

もっとも気になったのは、ニューヨークの「信号機」なんです。
それも、歩行者用の。

日本では、歩行者用の信号機は、赤が止まれで青(緑)が進めですよね。

見慣れた光景です。

ではニューヨークはどう違うのか。

NYの信号機

これが実際のNYの信号機です。


▽赤「止まれ」

▽白「進め」

どうでしょう。

信号機なので至る所で見かけるわけですが、どうも違和感が止まらない
自分でもそれがどうしてなのか全然わからなかったんです。

ちなみにNYでは、赤「止まれ」の信号の時でも、皆んな隙を縫って平気で渡っちゃいます。
危なっかしいったらありません。
余りにも大勢の人が「止まれ」を無視して渡るもんだから、段々あの「止まれ」が横断歩道的な「手を挙げて進め」に見えてきちゃう始末。

ん、「手を挙げて進め」…?
…!!

(ここで僕は閃くわけです。場所はヒューストン通りの一角でした。)

もう一度見てみてください。


▽NY流「止まれ」

▽NY流「進め」

これ、記号の主体が違うんですよ。
だからめちゃめちゃ違和感だったんです、感情移入できなくて(笑)


▽NY流「止まれ」=主体:信号機さん

「止まれ」は、手でストップの形をしています。
これは、(擬人化された)信号機さんが歩行者に対して「渡っちゃダメ」と言っているアイコンですよね。

それに対して、

▽NY流「進め」=主体:歩行者

「進め」は、歩行者が歩く形をしています。
これは、私たち歩行者目線で「歩いてるよー」というアイコン。
主体は歩行者になっています。(日本はこのパターン)

つまり、1つの信号機で「信号機側」の目線と「歩行者側」の目線を演じ分けているが為に、どっちに感情移入すれば良いのか分からず困惑してしまったというわけなんです。
だから日本の様な歩行者が主体のアイコンに慣れている僕は、NYの「止まれ」の手を見て、(歩行者が)「手を挙げて渡る」アイコンに見えてしまったのかと。

本当に勘違いして渡っちゃったら困るので、目線の統一をする必要があります。
そうなると、こう変わるんじゃないかというのを書きました。

NY信号機、勝手に改善案

▽主体:信号機の場合

「止まれ」が「ストップ」の手ならば、「進め」は「カモン」の手であるべきですよね。
ものすごく渡りたくなると思います。向こう岸に誘ってくる「カモン」の手。


▽主体:歩行者の場合

「進め」が進んでいる歩行者なので、「止まれ」は当然止まっている歩行者。
今回はNYによくいる「めちゃめちゃ太っているのに、顔だけ小さい人」をモチーフにしました。


「暮らす」ように旅することで気付くこと

これで解決。
観光に奔走していたら絶対に気にもとめなかったなと思うと、「暮らす」ことにますます興味が湧く一方。
そして、違和感を解決した上で渡る信号の清々しさたるや。
このあと僕は結局、ハイラインをスキップで歩きます。

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たけだ( 元書店員/ WEBライター / イラスト描き )

webライターをやっている25才🙇‍♂️特に漫画や本の記事を書いてます📖前はwebの本屋さんでした📚イラストで描いてます🖌あるある/ギャグ1コマ漫画がメイン▼お仕事の依頼はメールにてお願い致します。takeda1993.writer@gmail.com
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