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短編小説 オワリへのハジマリ 第一話


死ぬ事が確定した時に、あなたは何を想いますか。誰を思い浮かべますか。

今、想った事を素直に口に出し、限りなく傷付く人が少ない方法で行動してあげてください。

今、思い浮かべた人たちの側にいて、笑顔でいてあげてください。

■オワリへのハジマリ
学生達が受験の合否結果に歓喜、落胆している頃、僕はどうやら死にます。

人としての勉強をおざなりにしていた結果、学生達より少し早めに、昨日、当たり前に不合格を頂きました。

昨晩の話。
夢なのかも知れないけど。。

寝付く寸前。

枕元に現れた、死神みたいな格好をした、変な奴が、僕を変な乗り物に乗せて、変な場所に連れてきた。

この場所がどこなのか分からない。
ただ、一つ言える事は多分、この地球上では無い、違う次元、空間、世界。

ただただ、寒い。暗い。怖い。
寒いのは苦手だ。

死神みたいな格好をしたあいつ。
ブソラって名前らしい。

ご丁寧にも、僕の最後を映像付きで、チクイチ説明してくれた。

脳に直接映像が飛び込むとかじゃない。

壁一面にある大きな大きな棚にビデオテープが数えきれないほど、並んでいる。
テープの側面には、一つ一つ、人の名前が書かれている。

中には名前が書いてないテープもある。


ブソラに聞いてみた。
「このビデオテープは何なの?」
彼は言った
「人間の人生を記録した物です」

続けて僕は
"名前のないテープ"の存在について聞こうとした。
しかし、何かを察して聞けずにいると、砂嵐が映るテレビの前に座らされた。

テレビの下には古びたビデオデッキがおかれている。

子供の頃、僕は夜中に付けっ放しのテレビに流れていたこの砂嵐が異常に怖かった、オワリの無い世界に吸い込まれそうで。

ブソラはビデオデッキに僕の名前が書かれたビデオテープを差し込む。

つづく

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