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子どもに飛び道具を与えよ

最近の親子クラスでは飛び道具の練習をしている。

弓矢や吹き矢、投石器など。

やらせてみると意外にできない。最近の子どもは弓矢の存在すら知らない子も多いようだ。これもひとえに大人が「危険だから」と危ないものを遠ざけてきた結果だろう。

しかしマーシャルアーツを標榜する以上、飛び道具について最低限の知識とスキルが無ければいけない。ということで百均で弓矢と吹き矢を買い込んで子どもたちに配り、それであそんでいる。

最初は矢をつがえる動作すら知らない子でも、遊んでいるうちに射てるようになる。まあすごくうまくなるわけではないが、基本的な使い方くらいは身につく。ゼロがイチになるくらいのものだ。

吹き矢もそう。弓矢に比べて吹き矢は不評だったけど、ハマった子もいた。

意外な発見は、吹き矢は呼吸の練習によいということ。呼吸法しまくってる僕が射つとすごい勢いで飛んでくのだけど、これはなかなか熟練を要するらしい。子どもたちにはぜひ勢いよく吹き矢を射てるようになっていただきたい。

あとは投石。銃が登場する前、戦場でもっとも多くの兵を殺めた兵器は石であった。投石である。古代の戦記には城の上から投げ下ろして、登ってくる兵士を貫通したなんて威力もあるらしい。空を飛ぶ鳥にあてて狩る部族なんてのもいるそうだ。こんな有効な技術をマーシャルアーツとして、忘れるわけにはいかない。親子クラスでやったのはゴムボールにヒモを結んでぐるぐる回して投げる方式。パレスチナに車椅子にのったレジスタンスがこのやり方で投石している写真があって、これがなかなかかっこよかったのでぜひやってみようかと思った。もう一つ、布に石をくるんでなげる方式をやらせてみたこともある。こちらは振り回す途中でボールを落としてしまったりなど、ちょっと難しそうだったので。

もしかしたら子どもたちが大人になって、どこかのレジスタンスに入って戦うこともあるかも知れない。そういう時に役立つように。

投石の練習をして気づいたのは、意外に先におもりのついたヒモを振り回すことができない、ということ。簡単そうな動作だけど、やっぱりこれも一定の習熟が必要なようだ。

ものを投げたり、振り回したり。

こうした動作は本来、遊びの中で自然に養われるはずのものだ。

昭和生まれ、東京生まれで東京育ちの僕の時点ですでに身体操作はかなり喪失していたはずだ。でも今の子どもはそれ以上なのかも知れない。

ひとえに良識のある素晴らしい大人たちが、その高邁たる理性と優しさによって危険なものを子どもたちから遠ざけたからだ。それでいて「今どきの子は」なんて言うのは理不尽だ。

だったら僕は悪い遊びを教える悪い大人のほうがいい。

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