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梅の美しさは遠景の方が際立つと思う。

高尾山にある木下沢梅林に行ってきた。付近一帯は高尾梅郷と呼ばれているらしく、川べりや公園、関所跡など至る所で梅を見ることができる。

昨年も行ったのでこれで2回目だ。最近新しく訪れる場所が減り、2回目・3回目が増えている。これは実に良くない。生きるに能う美しいものを見つけることも重要だが、行ったことがない場所に行き、見たことがない景色を写すことも欠かせない。

最近今ひとつ気分がよろしくないのは身体面の不調もあったが、マンネリになっている旅先も原因の一つなんだろう。

いわゆる梅林の風景を狙うなら駐車場から少し登った位置が良い、というより他の場所だと全て下から見上げる形になってしまい、梅林の全景が入らなくなってしまう。

今回は35mmF2、50mmマクロ、90mmF2と全て単焦点を使うと決めていたので、風景を撮るなら35mmを使うしかない。それでも梅林は入りきらず、左に振ると駐車場が写り込んでしまう。

駐車場を登った位置と言ったが、ここにも数は少ないが木が植えられている。しかも平坦な場所はなく、足を使うのはかなり難しい。作品になるものを狙うならズームを使うか、車が入ることを見越した撮り方をするしかない。

それでもこうして花を単体で撮るよりは見応えがあって良い。一輪だけクローズアップするなら桜の方が儚げで、バラの方が艶やかだ。

じゃあなぜこんな写真を撮ったか、と言われると単に寄って撮るのが楽しいからに尽きる。風景よりは背景のコントロールが利くし、桜には劣れども梅の花弁も透過が綺麗だ。

もう少し日が出ていると良かったのだが、予報よりも早く雲が広がってきてしまい、木下沢に着く頃には完全な曇りになってしまっていた。大した登りがなかったとはいえ、山間なのを忘れていたのは自分の失態だろう。

1枚目と若干角度を変えて。山間部の傾斜地なので仕方ないが、なかなか綺麗に咲き揃わない。右手前は花弁が落ちたものが多かったので、1枚目は極力入れないようにした結果駐車場が入ってしまった。

この色合いは何度見ても素晴らしい。桜だと基本的に同一色で、圧倒はされても賑わいのようなものは感じない。多色の賑わいこそ梅の美しさだと改めて感じる。

木下沢梅林は通路が決められているおかげで、地面が背の低い草に覆われている。茶色成分は梅の幹と枝で十分なので、春らしい色合いは多いに越したことはない。

近場の植物園は通路が明確ではないため、木の間近まで寄って撮影する人が多かった。地面はもちろん土の色で、申し訳程度に草や苔が生えている程度だった。枝を掴んで寄せる不届き者は残念ながら木下沢にもいたが、そういったケースは植物園と比べるまでもなく少ない。

木下沢梅林のみ開放期間が定まっているが、9日から開放だった上に7分咲きと猶予がある。週明けの風雨で散っていないことを祈ろう。


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