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夏の日光旅行

日曜は元々休業日だが、公休と有給の取得指定を組み合わせて3連休を作ってもらっていた。各々1回は3連休を作っているとのことで、自分だけじゃないなら気兼ねなく満喫できると思っていたが2日目の午前中をダラダラと過ごしてしまった。

こうなると消化試合のようなもので、3日目もそれを引きずるに決まっている。何とかするには行動するしかないので、車を月曜の夕方から24時間借りた。
目的地にもよるが、タイムズカーシェアは12時間パックと24時間パックの値段差が2千円ほどで、どちらも距離料金がかかる。12時間パックに延長料金をつけても時間に追われるのは目に見えているので、日をまたぐ時は24時間で借りると仮眠もしっかり取れて有意義な旅ができると思う。

さて目的地だが、少々迷い年始に訪れた霧降高原に決めた。最優先は星、次いで運次第だが雲海。星だけなら山梨・長野方面もありだが、冠雪していない富士山は好みでないので山梨は除外。長野方面も天気予報がよろしくなかった。

往路は距離料金をケチろうと、最短距離のルートを選択したところ下道で行くはめになった。知っている道から知らない道に入り、気づいたら都県をまたいでいたという感覚は新鮮だったが、土地勘のない場所で住宅街を縫っていくのはこれっきりでいいだろう。

霧降高原に着いたのは日付が変わる直前だったが、一面真っ暗闇で物音もしない。駐車場には自分が乗ってきた車しかなく、本当にクマが出たら三脚と一脚を駆使して追い払うしかないなと中二病精神で車から降りたが、待っていたのは大量の虫だった。

予定では展望台まで登るつもりだったが、単独行動かつろくな光源もない状態でこれ以上外にいる気概が挫け、10枚ほど撮影して仮眠を取ることにした。それでもこれだけ星が写る場所は近場ではそうそう無い。現像しているとはいえ、天の河がこれだけしっかりと見えれば当初の目的の一つは達成したと言える。

目を覚ますと日の出まで1時間を切っていた。こういう時に夜型かつショートスリーパーの生活リズムだとありがたみを感じる。アラームなしで起きたことがこの日一番頑張ったことかもしれない。

駐車場も車が数台停まっており、展望台側も白み始めた空の光を受けてハッキリと輪郭が見えるようになっていた。しかし展望台まで登ることはできなかった。
カメラ用のバッグはthink tank photoのエアポート・ナビゲーターというキャリーバッグで、服装はいつもの格好。かたやこれから登るであろう人たちの装いは、トレッキングをするような軽快な服装。

展望台まで登るのであれば、機材と使用するバッグの選定をした上で体力をつけなければ話にならないと痛感した。年始より一段上の展望スペースまではたどり着けたが、夕方には東京まで運転しなければならない。帰るまでが旅行である。

それでも日光市街とは反対側に雲海が見えたのは幸いである。念のためXF90mmも持ってきておいたのが功を奏した。朝靄の市街地も綺麗だったが、雲海に勝るものはない。

目的のものは撮れたが、これで帰るのも勿体ない。行きやすい滝を回って、最後に東照宮を参詣して帰ろうと行き当たりばったりな計画を立てた。今回で日光は3回目だが、過去2回は冬だったので夏は初めてだ。きっと行ったことがある場所も新しい発見があるだろう。

白糸滝はついにナビ不要で行けるようになった。駐車スペースから滝までが近く、道も勾配がないので簡単に行ける上に滝までの距離が近い。個人的にイチオシのスポットなのだが、今回は滝そのものよりも滝壺からの流れと木々から差す朝の光の方が見応えがあった。

冬だともっと待たなければこの角度で日が差さないと思うので、きっとこれは今まで撮れなかった一枚だと思う。まあそういうことを言い出したら、どの写真もその瞬間でないと撮れないものではあるのだが。

華厳の滝のエレベーターは営業開始が意外と早い。中禅寺湖周辺に着いたのは8時半ごろだったが既に運転していたので乗らないという選択肢はない。そしてここでも新しい景色を見ることができた。

こういう瞬間に出会うと、改めて日光を選んで正解だったと思う。ちなみにXF16mmのフィルター径のNDフィルターは売ってなかったのに家に忘れてきた。Canonのレリーズケーブルが見つからず、そっちに気を取られたのが原因だろう。

これを撮ったのは8時半過ぎだが、日がけっこう高く昇っていたので夏場に虹を狙うなら開店ダッシュをするのが確実と思われる。これまでは冬の、しかも吹雪いている中でしか撮ったことがなかったので、これも新しい発見だ。

華厳の滝を撮り終えてからは一度明智平に戻り、滝と中禅寺湖と男体山を全部入れて撮ろうとしたが、到着したときにはご覧の通り山頂が雲で隠れてしまっていた。それでもロープウェイには乗ったが。

展望台から降りて軽食を食べ終えると、ちょうどいいタイミングでロープウェイが降りてきた。ここで迷わずXF35mmを選べたのが少し嬉しい。男体山をバックに入れ、ロープウェイの存在感も薄めずに撮れる画角が頭の中で計算できたということだ。

残念だったことがあるとすれば、撮る場所を選ぶ猶予がなかったことか。もっと引いてれば雲の上端まで入れられたと思う。ここで粘ると東照宮が混むので、今回はこれが妥協点。

東照宮は平日とはいえけっこうな人出だったが、比較対象が年始では比べるまでもなく空いていた。空いていたのだが、暑い。ここはけっこう登りが多かったことをすっかり忘れていた。

バッグを置いていくことも考えたが、明智平の時点で戻ったときの車内の温度が大変なことになっていたので、カメラとレンズ、バックアップ用のPCを置きっぱなしにするのは怖い。結局ここでもエアポート・ナビゲーターを担いだのだが、鳥居までで尋常ではない発汗量だったので参詣は断念した。

標高が高い場所だから涼しいだろう、という見通しの甘さが良くなかった。天気こそよく外しているが、気温の大ハズレはあまりしていなかったな、気象庁も。写真だけ撮って一銭も落とさないのも何なので、参道脇の土産物屋で何度目かわからない朝食を食べた。

年始は宇都宮まで電車で行き、そこからカーシェアを使ったのだが日帰りなのもあり、今回の方が遥かに安く済んだ。とはいえ車中泊用の装備をろくに持っておらず、撮影を最優先したため夕方前に帰ってから風呂に入るという生活になってしまった。次は泊まりでゆっくり周りたいなあ。

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