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WF-1000XM3を買った話(11月22日追記)

念願のフルワイヤレスイヤホン・WF-1000XM3(長いので以下XM3)を手に入れた!というわけで購入までの経緯やら軽めのレビューやらをつらつらと残しておきます。

ちなみに写真は撮るし、描くのも割と好きだけど音楽は全く分からんど素人の耳です。音質にこだわる奴は黙ってポタアン繋げて有線で聴け、俺は機能や利便性しか語れん。

(追記)3ヶ月以上使ってみて改めて製品本体とアプリの使用感についてまとめておく。結論としては製品はいいが、アプリは……。

購入に至るまで

私は右耳に小さなコブがあるらしく、AirPodsのようなインイヤー型イヤホンは装着できない。必然的にカナル型で探していたのだが、なかなか条件に見合うものがない。

当初はApple傘下のBeats by Dr.Dreが発売しているPowerbeats Proを買う予定だったのだが、発売時期が延期を重ね、購入予定だったネイビーは未だに発売されていないのでXM3を店頭で試聴してPowerbeats Proと聴き比べた上でXM3に決めた。

購入の決め手はイヤホン単体で連続6時間、ケースで充電して計24時間再生可能という点と装着感、低遅延に加えてAAC対応という機能性だった。

遅延はどの程度か

Bluetoothイヤホンの遅延はなくしようがないと分かってはいるが、低遅延と言われると音ゲーができるか試してみたくなるのはガジェッターの方ならご理解いただけるはず。

上の設定でプレイした結果が下のスクショになる。メンバーにライフ回復やダメガ持ちはいないので、楽曲Lvの低い曲ならMILLION MIXでもフルコンは可能だ。

ただしスコアに関しては判定向上スキル持ちがいるので、PERFECT・GREATの数は参考にならない。体感としてはタップの直後にSEが鳴っているくらいで、先日まで使っていたOptomaのBE Sport3より格段に遅延が少ない。

動画はほぼ気にならないレベルで、上の曲のMVで口の形と声がほんの少しズレている瞬間が二、三度あったくらいだった。アニメでは紅蓮可翔式のデビュー戦に違和感はなかったが、「けいおん!」や「響け!ユーフォニアム」のような音楽主体で作画の緻密な作品だと、演奏経験者はズレに気づくと思う。

なお三次元はカバー範囲外なので全く見ていない。よく見るMVも演奏シーンがないものばかりなので、ズレには気づけなかった。

接続の安定性

XM3には音質優先と接続優先の2つの設定がある。音質優先で金曜夜の新宿から帰宅ラッシュの電車に乗ってみたが、瞬間的(体感で0.5秒未満)な切断が3回、1秒弱の切断が1回だった。瞬間的な切断は左イヤホンのみだったが、1秒弱の切断は両耳で起こっている。また1秒弱の切断は降車してホームに降りた直後に発生した。

土曜の9時台に接続優先で上り電車に乗ったところ、瞬間的な切断が2回起こったのみだった。こちらは平日でも検証した上で追記する予定。

ノイズキャンセリングの性能

SONYが最高性能と謳うだけあり、予想以上に効果がある。ただし耳栓のような効果はない、つまり音楽なり動画なりを視聴しイヤホンから音を出す必要がある。

スマートフォンアプリ「Headphones Connect」でノイズキャンセリングの効果量を調節できるのだが、スマホのセンサーを使うことで静止・歩行・走行・電車内のシチュエーションごとに設定を変えることができる。

上のスクショが効果が一番大きい設定だが、一段階落とした風ノイズ低減が侮れない。数年前までのノイズキャンセリング製品は風切り音がひどく、安全性以前に外で使う気が起きなかったがXM3は風切り音が全く気にならない。

繰り返しになるが何かしらを再生していないと効果が発揮されない。最大設定で喫茶店くらいの騒音だと音楽を再生することで、会話音が遠くでモニョモニョ言っている程度の聴こえ方になり周囲の音を気にすることがなくなった。

音楽以外の雑音を全て消すことはできないが、再生時のボリュームはこのくらいだ。Be Sport3では16時〜17時の位置までボリュームを上げていたので、音量を抑えても音楽に集中できると言える。

よくわからない接続設定(追記1)

上で接続優先と音質優先の2つのモードがあると書いた。あれは嘘だ。いや、嘘ではないのだが、iPhoneで使う場合は音質優先一択となる。

価格.comのレビューだったかクチコミだったかをダラダラ眺めていると、「AACで接続されるのは音質優先」という情報を見て、慌ててソニー公式で真偽を確認した。

製品情報やヘルプなどに記載がないため、見つけるのに少々苦労した。とりあえずiPhoneで使うのであれば、音質にも接続安定性にも優れる音質優先モードで使う以外の選択肢はない。

疑問に思うのは、対応コーデックがAACとSBCの2つなのになぜ、接続設定の名称を紛らわしくしたのかという点だ。aptXに対応していない時点で多くのAndroidユーザーは見向きもしないだろう。コーデックに詳しくない層がいることは承知しているが、ギークでないならもっと手ごろな価格帯の製品を選ぶと思われる。

iPhoneとはスムーズに接続、なおアプリとの接続は…(追記2)

充電ケースから取り出し、耳に装着すると電子音がなって起動したことを知らせてくれる。Apple Watchでプレイリストを選び再生を押すと曲が流れてくる。iPhoneを取り出さなくても簡単に曲が聴けるようになるのは素晴らしい。

素晴らしいのだが、アプリとの接続が不安定でノイズキャンセリングが機能しないことがある。アプリをいちいち開かなければいけないのかとも思ったが、アプリ上で接続されていないことになっていて、接続ボタンを押してもどうにもならない。

XM3をケースに戻して再装着する(電源を入れ直す)とアプリ上でも接続できたが、これは正直イライラさせられる。曲は再生できているのに、それを中断するというテンポの悪さ。とはいえこれはアプリの問題なのか、iOSのバックグラウンド処理の問題なのかは分からない。ソニーを一方的に非難するつもりはないが、現実としてアプリを使うことで想定されている使い方はできないことがある。

風ノイズ低減の効き(追記3)

購入した夏はあまり風が強くなくて、「微風程度ならそりゃ影響ないわな」とも思っていたが、ここ数日の強風でも全く風切音がしないことに驚かされた。外で使うと風切音が鬱陶しいのがノイズキャンセルイヤホンの欠点だと勝手に思っているが、これに関してはパーフェクトだと言わざるを得ない。

もちろん全くの無音というわけではなく、木々や建物などに風が当たる音は微音量だが聞こえる。ただこういう音は発生源が遠いのであまり耳障りではないので許容範囲内だ。ノイズキャンセル用マイクが生じさせる、あの耳元で響く不快な音は(アプリが機能する限り)全く聞こえてこない。

AirPods Proのノイズキャンセル機能がどれくらいのものかは分からないが、XM3が劣るということはまずないだろう。

アップデートによる性能向上(追記4)

最新のガジェットらしく、Headphones ConnectアプリだけでなくXM3のファームアップも同アプリから行える。

本体は一度(公開停止になったものを含めれば二度)アップデートがあり、アプリ自体もそこそこな頻度でアップデートされており、iOS13への対応も比較的早い方だと思う。

特に9月に公開されたバージョン6.0.0が素晴らしく、接続待ち時間は体感できるくらい短くなった。シチュエーションによってノイズキャンセルの効きを変える、アダプティブサウンドコントロールの切り替え時間を選べるのもよく機能している。

あとはアプリがたまに認識しなくなることを解消してくれれば、現状での不満は全てなくなる。

ちなみにiPhoneとXM3の接続安定性だが、ラッシュの新宿駅では片側だけ途切れることが瞬間的に、稀に数秒に渡って発生するがワイヤレスイヤホンユーザーが増え、公衆Wi-Fiが飛び交っている以上ゼロにはできないだろう。

まとめ

イヤホンに3万円弱、音だけならコスパは超絶悪いと思う。しかし機能性を考えると価格相応な製品だという印象を受ける。これで多少でも防水・防汗性があればコスパが良いという評価を下しただろう。

Powerbeatsとの比較でデメリットを挙げるのであれば、ケースの充電量がLEDランプでしか把握できないことと接続する端末ごとにペアリングを行う必要があることくらいだ。

トリプルコンフォートイヤーピースなる、コンプライのようなイヤホンチップも3サイズ付属しているしケースの充電はUSB-CだからMacBook Proと統一できる。Appleユーザーでも耳の形がAirPodsに合わず、運動もあまりしないのであれば同価格帯のPowerbeats Proよりも役に立つだろう。

(以下追記)

改めて気に入っている部分や不満な部分を考えてみたが、不満に関しては許容範囲内のものが一つだけと自分の中で史上最高なイヤホンになっている。

接続先の切り替えも音源となる機器から接続を選ぶだけなので、そこの使い勝手はAirPods (Pro)と変わらない。

AirPods Proとの比較レビューではXM3の方が音質は高いという評価をよく見るが、どちらがいいかは本当にその部分。音質を取るか、軽量防滴を取るかだと感じる。俺は歌も聴くけど、一番よく聴くのはアニメやゲームのサントラなのである程度低音が出るXM3の方が合うんだろうなと思っているが。

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