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小規模CSチームでプロアクティブに行動する時間を捻出する方法

本記事は、以下の方々を対象に執筆させていただいております。
・これから社内にカスタマーサクセスチームを立ち上げようとされている方
・CSチームの人数が少ない方
・チームのオペレーションなどが定まっていない方

Coubicのカスタマーサクセス(CS)担当の きしもと です。
本記事はカスタマーサクセス Advent Calendar 2018 14日目の記事となります。intercom Meet UPでお世話になった iwasakiさん にお誘いいただいたので初noteを書かせていただきます。

自己紹介

簡単に自社と自分の紹介を。「ビジネスを加速する予約・会員管理サービス Coubic」のCS担当としてjoinして1年ほどです。Coubicは、クラウド型予約システムとして様々な業態でお使いいただいています。(最近では話題の映画ハリーポッターのコラボカフェの予約などでご利用いただいています)

このnoteでは僕がCSチームにjoinした後、チームの仕組み構築などを行ってきた中で、新規でチームを立ち上げる時の下地作りの観点で気をつけた方がいいことご紹介します。(CSマインド的な部分やオンボードの手法などは、他の記事などでも多く触れられていると思うので、そこについては割愛します)

下地作りって?

スタートアップなどがCSチームを立ち上げる場合、カスタマーサポート的な役割とカスタマーサクセス的な役割を並行して担当することも多いかと思います。そこで僕が大事だと思うのが、先に問い合わせ対応などのカスタマーサポート的な部分を固めてから、オンボード支援などのカスタマーサクセス的な部分に取り組む事です。
問い合わせ対応にかかる時間を削減することができればその削減した時間をカスタマーサクセス業務の時間に当てることが可能です。リアクティブな対応にかかる時間を削減し、プロアクティブに行動する時間を増やしていきましょう。

プロアクティブ?

ではプロアクティブとは何でしょうか?wikipediaによるとこんな感じです。

前向き、積極的、先見的の意を表す形容詞。

カスタマーサポートはリアクティブ(受身)、カスタマーサクセスはプロアクティブという風に言われたりしています。ここを説明しだすと長くなってしまい脱線するので省略しますが、最近イベントの登壇でHiCustomerの高橋さんが仰っていた「ヘルススコアを設定し、プロアクティブ風なリアクティブ活動を行う」という考え方がとてもしっくりきたので興味がある方は こちら のスライドを読んでみてください。

小規模CSチームでの役割分担

みなさんが作ろうとしているCSチームには何名がアサインされる予定ですか?弊社では時期によって異なりますが、おおよそ3名体制のチームとなっています。
CSチームの人数が多い場合、顧客のステージやステータスごとに専門性を持たせたチーム作りもできますが、できたてのCSチームは人数が少ないので、細かく担当を分けることは難しいのが実情かと思います。
ただ少ない人数の中で、最低限担当を分けた方がいいと思われるのが「問い合わせ対応」と「オンボード/アップセル対応」の2つとなります。

問い合わせに追われる日々

弊社では昨年から今年頭ごろまで「低単価なのに電話サポート」が付いていることを売りに契約数を伸ばしていきました。結果どうなったか。鳴り続ける電話。とってもとっても終わらない…営業時にも分からないことがあったらすぐに電話してね!と案内していたので、みなさまヘルプを見る前に電話。
お客様の中にはITリテラシーがあまり高くない方もいらっしゃるので、ボタンの位置1つをご説明するにも10分かかってしまう場合もある…本当はもう少し踏み込んでヒアリングや説明をしたいけど、1つのお問い合わせに時間をかけてしまうと全てのお問い合わせに対応しきれない…
CSチームは実質「問い合わせ担当チーム」となってしまっていました。なんとか捻出した時間で行っていた、あまりご利用いただけて居ない方への再オンボード支援も、過去の営業ログや問い合わせ対応ログがない状態であったため、顧客の情報も分からないまま電話を行うので成果も出ず…
そんな中、社内では「カスタマーサクセス = プロアクティブなサポート」という認識が徐々に広まっており、うちのCSはリアクティブな対応ばかりで全然ダメ!というネガティブなイメージを持たれてしまいました。

処理能力を高める

契約数が伸びると同時に、増え続ける問い合わせ。これにどう対応していくかは本当に悩みました。このままいくと、1日問い合わせ対応の電話に対応するだけで1日が終わってしまう日々が繰り返されていく…一体どうしたらいいのか…
その中で出したやるべき事は3つ。1. 同時対応できる数を増やす 2. 問い合わせ数を減らす 3. 誰でも対応できるようにする です。

1. 同時対応できる数を増やす
電話だと担当者が電話をしている間は1対1のコミュニケーションとなるため、どんなに1件辺りの回答速度が早くなっても、人数を増やす以外の選択肢で同時対応数をあげることはできません。そこで弊社が導入したのはintercomというチャットツールです。

チャットであれば1対nのコミュニケーションができるため、担当者のスキルが上がるほど同時対応できる人数は増えていきます。電話サポートを売りにしていたので、電話サポートを廃止しチャットサポートonlyにした際はドキドキしましたが、結果は成功。お客様のお問い合わせにスピーディーかつ分かりやすく回答することができました。
お客様がチャットの利用方法さえ覚えてくれれば電話よりも効果的なサポートが可能になります。電話では伝えずらいURLやボタンの位置などもチャットでURLやスクリーンショットを送れば1発。お客様の利用デバイスや見ているページもわかる。メールよりも簡単に問い合わせが出来るので、ちょっとした課題も即解決できるような対応ができています。
また、リズミカルに会話が進むことが多いのでお客様が運用で困っていることなどをリアルタイムに聞くことができ、その問題について深掘りできるところもメリットです。

2. 問い合わせ数を減らす
サービスの成熟度にもよりますが、「ヘルプページ」の充実や「操作マニュアル」の準備を行いましょう。簡単な機能の問い合わせはヘルプページを作成し、それを入れ込んだメールテンプレートで素早い対応が可能です。単純なQAは素早く、本質的なお客様の課題に向き合う時間を捻出することができます。
当然プロダクトが分かりやすければ問い合わせは減りますが、エンジニアさんとのコミュニケーションおよび実装までの時間がかかります。プロダクト改善に関連する顧客の声のフィードバックもCSの重要な仕事の1つですが、まずはCSだけで出来ることをどんどん進めていくと良いと思います。
日々お客様の声を聞いていると、お客様側の考えによりすぎてついついプロダクトに疑念を持ってしまう瞬間などもあるかもしれませんが、問題点についてまだまだCSチームだけで出来る事はないか考えてみると良いかもしれません。

3. 誰でも対応できるようにする
当初、問い合わせログがなかったため、なんとなく1つのお客様に1人のCS担当が付いて対応するフォーメーションになっていました。これもこれで悪くはないですが、極端に誰かの負担が高くなったり、回答内容を後からチェックすることができないので、担当によって回答の質に差が出てしまいます。
salesforceなどのCRMなどを導入していればそちらに、導入して居なければExcelなどでどのような問い合わせがいつ発生したかきちんと一元管理できるようにしましょう。誰かのメールボックスを見ないと、問い合わせ内容が分からないという状況は避けたいところです。
また質問に対するテンプレートを各ツール内に用意しておけば、誰でもすぐに回答ができるようになります。単純なQAにかける時間が少なくなっていくと、お客様の深い部分をヒアリングする時間も取れるようになってきます。
問い合わせの情報(内容や顧客別の問い合わせ量など)はチャーン防止やアップセルにも役に立つので、早いうちから一元管理することをオススメします。

弊社の現状

そんなこんなで、入社から1年ちょい経った弊社CSチームの状況は1名の「問い合わせ対応」担当と1名の「オンボード支援/アップセル」担当、そして「問い合わせ + コンテンツ + オンボード支援」担当の僕の3人で仕事をして居ます。
昨年の電話が鳴り続けている状況が続いていたらこんなフォーメーションではCSチームは成り立たなかったので、ゆっくりではあるかもしれませんが少しづつ前進しています。
今後はCS HACKなどでみなさんが発表しているオンボード支援の方法などを自社に落とし込み、よりオンボードに力をいれていこうと思っています。

初noteはこの辺りで締めさせていただこうと思います。自分の考えをOutputするのって難しいけど頭の整理にいいですね!
またnote書いてみようかなー。という事でまた次回!(1月くらいになんか書きます)

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