「勤務医」か「開業医」どちらにするか決断は出来ましたか?私はどちらも諦められず、第三の選択をしました。ここで全て晒します。

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僕も医師になって早14年。

勤務医としてこれまで研鑽を積み、まずは自分のことよりも患者さんのことを第一に考え、今日まで精一杯汗をかいてきました。

だけど、

充実した日々を過ごしているにしては、最近どこかに息苦しさを感じたり、しっくりこないのは何故だろうか…

正体のわからないポッカリ空いた穴。

時々、えも言われぬ不安を感じる時がある。

まわりの同僚や級友は、独立してうまくいってるといった話もよく耳にするし、古い付き合いのアイツだってもう届かないところにいる…

どこかで羨ましさを感じてるのかもしれない。

時々感じるザワザワとした胸騒ぎと苛立ちは、このせいなのだろうか…

比べなければいいだけなのかな…

最近は晩酌をしながら頭の中でボーッとこんなことばかり考えてしまう。

「このままでいいのだろうか」

「他の選択肢はないだろうか」

「自分もこのまま終われない」

自分だって一度は開業医にチャレンジしてみたい。

だけど、今の職種も職位も立場も不満はないし、むしろ出来れば続けたいと思ってる。今も時々副業はするけど、恐らくそれではこの心の穴は埋まらないのは分かってる。それは多分ワクワクしないから…

まだ、自分を試したことがないから。

でも、

開業について考えると、好奇心とワクワクに駆られる一方…

耳にするのはもちろん良い話ばかりだけじゃなくて、苦労してるって話も沢山聞くし、それを聞くと「わざわざリスクを冒してストレス抱える必要もないんじゃないか」とも思う。

こんな感じで、

頭の中はいつもぐるぐる回って、結果答えなんて出やしない。

ずっとモヤモヤしてる。


でも冷静に考えてみると、

開業といえば皆んな退路を絶って身一つでしているけど、果たして勤務医か開業医かどちらかを選択しないといけないのだろうか?

そんな決まりないよな?

もちろん常識的に考えたら「勤務をしながら…」だと、フルコミットはできない。

でも僕の目的はそこではないから、副業の様な感覚で開業医をやることはできないだろうか?

ここが僕のスタートライン。

具体的な方法はイマイチわからないけど「とりあえずやってみよう」から始まった

「勤務医と開業医のハイブリッド開業」

うまくいったこともつまづいたことも、自分で課題を一つ一つクリアしてきたからこそ語ることができる実体験に基づくノウハウ。

今回はその全てをここに記していこうと思います。



当時僕が考えていた、勤務医しながら開業してみようと思ったメリットはこんな感じです。

勤務医をしながら開業するメリット①(💡勤務医+α)

勤務医+αとして、いろいろな副業を模索する人が増えてきています。


しかし一方で、法人収入についての悩みNo1は、

✅ 事業所得を作りたいけど、何をすればいいか分からない

ではないでしょうか。
新しい改正で、年商300万以下の事業は雑所得に決まりそうですしね。


僕も色々な副業を試してみました。ホームページを作って法人化したり。

年間利益500万円の事業を作る難易度は極めて高いです。
ゆるい先生は、「難易度東大理3レベル」と仰っていました。
僕もそう思います。


ですが、今なら、こう答えるかもしれません。

医師にとって、最も簡単な副業は、医師の仕事をすることです。

普段している外来やバイトが、そのまま事業収入になればいいなと思う人は多いのではないでしょうか。

でも「それができないから困るんじゃないか・・・」と思いますよね。

それに対し、僕は、「小さなクリニックを作ろう」と思いました。

年間利益500万円の事業を作る難易度は高いですが、年間利益500万の
クリニックを作るのは極めて簡単です。

ゆるい先生が提唱する勤務医+αの本質の一つは、+αの経費を使って生きていくことだと解釈しています。つまり、その利益を基に、借り上げ社宅を借りるもよし、事業に関わる接待交際費に使うもよし、手伝ってもらう配偶者に給与分散するのもよし、診療に関わる車を買うのよし(全て税理士さんと相談)かなと。

クリニックを開業すると、ウハクリと比べたくなる気持ちが出るのですが、そこをぐっとこらえて勤務医の副業(勤務医+α)として考えるのであれば、勤務医+αは、ミニマムクリニックでクリアできます。

※僕の場合は、勤務先で経費を使う契約が出来ているので、このメリットは大きくありません。再婚相手が専業主婦かつ子育てのため診療縮小した場合に、このメリットを使うかもしれません。


勤務医をしながら開業するメリット②(💡税の特別措置法26条)

クリニックには、特別措置法26条という税金計算方法があります。
個人的には、とても優遇されていると感じました。

社会保険料の売り上げ5000万までの場合に使える制度です。

上の表の金額が、「みなし経費」とう名目で、経費として認められます。

例えば、売り上げ3000万円のクリニックの場合、
概算経費という名前で2150万円が経費とみなされます。

実際にかかった経費が400万円だとすると、(みなし経費2150万ー実経費400万)=1750万円は真水のお金として通帳に残ります

残りの部分(売り上げ3000万-概算経費2150万)=850万円に対しては、所得税や住民税などの税金がかかります。ざっくりとした計算で恐縮ですが、こちらは半分税金で取られたすると手取り425万です。

つまり、売り上げ3000万、実経費400万円とすると
1750万+425万=計2175万円が税引き後手取りで残る計算になります。

勤務医の手取りを1200万くらいで計算しておくとすると
+年間売上3000万のクリニック(実経費400万)の手取りは

・1200万+2175万=3375万

皮算用だとこんな感じになりますかね。


なので、経費400万とすると

・売り上げ1000万であれば経費計上で相殺
・売り上げ2000万であれば手取りが約1100~1200万円増える→再婚できる!
・売り上げ3000万であれば手取りが約2000万円増える
・売り上げ4000万であれば手取りが約3000万増える

そういったイメージですね。


僕は、こんな感じのざっくりとした皮算用で、深く考えずに

✅ よし!やってみよう!

って思っちゃったんですね。


勤務医をしながら開業するメリット③(💡ビジネスモデルのアイデアが沸く)

僕にとっては、このメリットが大きいです。

・必要は発明の母
という言葉があるように、目の前の課題に真剣に向き合うことで、新しいアイデアが沸いたり、成長できるのでは、と考えました。

困った結果、色々思いつくのです。

アラフォーになると、ミッドライフクライシスは「中年の危機」というものがやってきます。

ミッドライフクライシスは「中年の危機」
心や身体、環境などの変化を経験することで、自身のアイデンティティが揺れて心の葛藤が起きることを、ミッドライフクライシスと呼びます。この英語を直訳すると、中年の危機です。「自分の人生は本当にこれで良いのだろうか?」などと考え、これまでの生き方や自分自身に自信がなくなったり、悩んだりする期間が続きます。
ミッドライフクライシスに陥りやすい年代は30代後半~50代くらいで、性別は関係ありません。
特徴:行動パターンを変える人が多い
心身の衰えを感じた男性は、「自分の生活を大幅に変えよう」という心理が働きやすくなります。例えば、ジムに通いだして体を鍛え始めるのは、男としての誇りを持ち続けるための行動です。

悩みが限界まで達したときは、起業や家出をする、家族に相談せずに仕事を辞めるなど、理解に苦しむ行動をする場合も。中年男性が不倫相手を探す、キャバクラに通いだすのは、自分の「男性性」を再確認するためという意見もあります。もちろん、度を越えればミッドライフどころか、家庭がクライシスになりかねません。

Coeurlien

僕の家庭はクライシスっていうより崩壊しましたが、
僕も同じように、気持ちがもがいていました。

ですが、冷静な自分も居て、いわゆる「やけくそ開業」をしたら、「終わるな、俺の人生」という実感がありました。

そのころ、ラーメン屋を閉店した医師の話を聞き、「医師免許しか勝たん」と改めて思いました。


・何かしらのビジネスを所有したい。
・けど、医師免許に付随しないビジネスを実行すると討ち死にする。


開業前の思考としては、ミニマムクリニックでも、クリニックを保有していると「クリニック所有が鍵になる事業」を思いつき、トライすることができるのではないか。。。そんな風に思いました。

開業後の今、実際に進行中・交渉中のものがあります。

その中には、

・自分の労働力を必要とするもの
・他人の労働力に仕事を任せられるもの

があります。
例えば訪問リハビリとか、完全に他人の労働力ですよね。

この感覚は、クリニックを持って初めて気が付けることがあるかなと思います。

ミニマムなクリニックですが、それを作ったことで
「今、手詰まってるな」
って感覚から脱却できました。

ただ、労働集約型の塊である開業を経験したことで、「労働力の限界」を初めて感じ、今の僕は、他人の労働力に仕事を任せられるものに興味を持っています。
(雇用というリスクを負うものの、ここは避けられないと思っています)


開業の場合、ビジネスモデルによって、立地や条件選びが少し変わってきます。開業前にビジネスモデルのアイデアを練っておくことはとても大切だと思っています。

例えば、
・郊外だと集患がしやすいが、一方で医師を少し雇いにくい。

クリニックを人に任せて自分はオーナーに回りたい、というのであれば、
都会などの医師が多いところで開業した方がゴールが近いかもしれません。

医者を雇う以外にも、他の人を雇ったり自分じゃない労働力でビジネスをしていきたいなと、思いました。


勤務医をしながら開業するメリット④(💡病院をハブにしたビジネスのアイデアが沸かせたい)

まだ模索中で言語化できないのですが、これから取り組みたいこととして。

クリニックを作って、逆に病院を見直してみることで感じるのですが、
人の力・組織の力・地盤の力は、とても強い力です。

・病院の規模感を持っていることで、何かできないか。

そんな期待をもって、今の仕事を継続しています。

僕の器が大きくなれば、何かできるんじゃないか。そんな気持ちがあり、どうしても諦めきれないものがあります。

これは、まだ見えていないので、偉そうに言えることではないのですが。


お金の流れ(キャッシュフロー)とクワドラント(4等分)からハイブリッド開業を考えてみる

E:勤務医 バイト
S:開業医 ECサイト ホームページ その他色々

💡キャッシュフロー・クワドラントとは、キャッシュフロー(お金の流れ)とクワドラント(4等分)を合わせた造語で、世の中で収入を得る方法は、次の「E、S、B、I」4つのいずれかにあてはまるという考え方です。


✅ 黄色の線で手取りキャッシュ→投資を伸ばす


✅ 緑の線でビジネスの種→ビジネスオーナーへ

ざっくりいうと、こんなイメージ。

勤務をしながら開業医は、一見すると大変そうに見えるかもしせん。
最初のころは苦労も多いです💦

ですが、ポイントを押さえれば可能でした。


自分の好きなように自由で居たいが、レセプトは不安

開業するとき、多くの先生方は、開業コンサルタントと契約して

・相談できるメンター
・相談できる人

を作っている方が多いと思います。しかし、ミニマムな開業だと、このコストすらも苦しいと感じます。

僕も、全部自力で取り組むことに決めたものの
特に、開業当初のレセプト請求関連について、不安を抱いていました。

https://twitter.com/medpractitioner/status/1518565815213498373

まず自分で取り組んでみて、失敗して覚えていくという方法もあります。

https://twitter.com/nyamco_2010/status/1518534142069145600

そして、僕は事務作業が嫌いです。


この矛盾を解決するために
僕のクリニックでは、レセプト業務は外部委託しています

「特定の人に依存しない経営」を成り立たせるために。

これは再現性がある方法なので、
「医療事務の知識が不十分でも開業できる方法」であり、一人開業のメソッドとして、オススメだなと思っています。

※こちらのシステムもこのnoteで紹介していきます。オンライン請求モデム組みなどの初期設定も助けてくれます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

このnoteでは、

✅ ハイブリッド開業って何してるの?
✅ 絶対につぶれない経営のために工夫していること
✅ 電子カルテを選んだ決め手
✅ 1人で受付~診療~会計までのフロー
✅ 集患①(開業初期にどう夜診のみで集めるか)
✅ 集患②(開業しばらく後にどう集めるか)
✅ 実際の売り上げの推移と肌感
✅ 拡大のヒント など

という話を載せていきます。


僕の実体験に基づく、ハイブリッド開業実践noteです。

夜診のみ、オワコン内科、医師一人親方、受付スタッフなし。看護師なし。門前薬局なし。

今の時点では、気の合う患者さんと、のんびり診療をする、引退後の医師のような外来ですが

僕は、「待ってでも受けたい診療」を「感謝してくれる患者さんだけを相手に」していくことにしました。

システムは「快適」にこだわって作っていますので、開業1ヵ月で慣れ、3ヵ月でルーチンワークに落ち着いてきたと思っています。開業場所に行って専門疾患の診察をするだけです。

僕の開業地区は、人口30~50万都市なので、全県に一つくらいはある人口圏です。そのことが、どの県にお住まいの方にとっても、参考になるエッセンスとして感じていただければ幸いです。

また、夜診のみオワコン内科のマーケティング戦略は、ウェブ集客なくして成り立ちません。「これからウェブ集客を取り組もう」という先生にとって面白いと感じていただければ幸いです。

看板・折り込み、ポスティング、内覧会なし。ウェブ集客一本足打法です。

どんな立ち上がりなのか、どんな視点で取り組んでいるか、僕だけのストーリーをお楽しみください。


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