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Journal de Paris

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Tシャツを着る

Tシャツを着る

フランス語でいいなぁと、しっくりとはまることがあって、これはこの組み合わせ以外じゃあなかなかむずかしいよな、と納得してしまうことがある。

フランス人男性が”Parisien"とプリントされたTシャツを着ているときに。

友人のフランス人が東京に遊びにきて、そのTシャツをさらっと(しかもだいぶ体にくたっとなじませて)着こなしていて、これはもう真似できようがないんだなふむふむと納得してしまっていた。

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パリで久々の小さなトラブル

パリで久々の小さなトラブル

なんの問題もなく(いたって遅れるというハプニングもなく、シャルル・ド・ゴール空港に飛行機は到着した。夕方前なので、あたりはぼんやりと薄暗くなりかけていた。

初めて、ターミナル1に着く便だったので、到着してあの斜めのエスカレーターにのって荷物を受け取るところに移動した。「パリ空港の人々」(Tombés du ciel)の映画の中でみたままの景色がそこにはあった。

荷物が流されてきて、それをさっと

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ワルシャワショパン空港で乗り継ぎ

ワルシャワショパン空港で乗り継ぎ

フライトはあっという間に終わり ―アメリカのドラマをiPadに取り込んで、まとめて見ていたこともあり―、ひとまず乗り継ぎのためのワルシャワショパン空港へ着いた。一度、ここでの乗り継ぎを経験していたので、ヨーロッパ圏に入るためのエントランスにはすんなりと行くことができた。しかし、Paryżとポーランド語で表示されているので、これはポーランドの都市なのかどうなのか、まあ多分Parisだろう。と、なんと

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パリへのフライトにむけて

パリへのフライトにむけて

31日のフライトとなると突然と飛行機の値段が安くなる。それはまあそりゃあそうだな、と納得をしつつ事前の準備や調整(なんてものはあるようでないのかもしれなけれども)をして、12月31日の成田空港からシャルル・ド・ゴール空港までの飛行機を予約した。

フライトがあるそれまでに、どこに行こうとか何をみようとかそういったことを考える予定だったのだけれど、結局はそういったことをあまり考えることは出来ずに、空

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授業も終わって

授業も終わって

午後の授業がおわり、トラムに乗って滞在先にもどっていく。雨もずいぶんと少なくなって、けっして天気がいいとは言えないけれど、まずまずといった調子で、雲から晴れ間がみえたりもしていた。まだまだ寒かったけれども。

トラムの中で今日の夕食をどうしようと考える。ある程度のなんとなくの料理の輪郭を頭の中に浮かばせて、その頭のままスーパーマルシェに入っていく。入り口には警備のお兄さんがいて、オレンジジュースの

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授業がすすんでいって

授業がすすんでいって

フランス語の授業がすすんでいって、テストが終わり、受けもってくれていた先生がかわった。今までは、チャーミングな女性の先生だったけど(完璧な筆記体でホワイトボードにフランス語を書くので、初めはさっぱり読めなかった)、今度は、すこし年配の気むずかしそうな男性だ。

髪の毛はぼさっとさせて(フランス人男性って髪の毛をぼさっとさせてる人がほんとおおい)、じろっとこっちをみていたと思ったら急に笑いだしたり、

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朝食のために

朝食のために

朝、目が覚めたのは11時すぎだった。

その前の晩、近所のビストロですこしばかり夜更かししてしまったからである。ワインをゆっくりと飲み、バゲットとパテ、キャロット・ラペをつまみながら、いろいろと話をしながらその時間をすごした。とくに何を話たのかは、もうあまり覚えていないけれど。

夕方だったのが、いつのまにか日もなくなり、そして夜も深くなっていた。

というわけで、朝おそくに、むしろもう昼が近づい

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夕方にケーキをたべて

夕方にケーキをたべて

授業が終わり、パッサージュにある喫茶店にはいった。

なんとなくそのお店をカフェというにはしっくりこない(カフェといえばビールとエスプレッソ、サンドイッチだ)ので、喫茶店とかいておく。ここはケーキや洋菓子に紅茶をいただけるお店である。

そこの前をよくとおっていて、そのたびにショーケースにおかれたケーキをついついながめていた。エクレア、タルトタタン、フォンダン・ショコラ、マカロン、そしてケースの上

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ファーマシーへ行って

ファーマシーへ行って

無事に病院にいくことができ、足首におおきな問題はなさそうだった(みた目としては腫れておおきくなってしまっているけれども)。捻挫という診断だったのでギブスの処方箋をもらい、ドクターミムラにあいさつをして、病院をあとにした。

タクシーにのって学校の近くまでいき、午後の授業がはじまるまでゆっくりランチでもしようということになった。

近くに薬局があったので、ひとまずギブスを買うために入った。スタッフの

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車でパリのはずれまで

車でパリのはずれまで

朝おきて、紅茶をのみながらしばらくしていると電話があった。昨日、話をきいてくれた保険会社の女性からで、病院の予約をとることができたということだった。ありがとうございますとお礼をいい、午前中の診察だったのですぐに身支度をしてuberで車をよんで病院にむかった。

30分ほどして、パリのはずれの閑散とした住宅地の中にある病院についた。歩道には街路樹が整然と植えられていて、車はほとんど走っていなかった。

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街をゆっくりと歩いて

街をゆっくりと歩いて

瑠衣さんの通う学校まで迎えにいくことになった。階段から転んで落ちてしまい、足をひねったそうだ。心配なのでいかないわけにはいかない。メトロに乗ってペレティエという駅にいき、隣にあるカフェに入って授業が終わるのを待った。雨が降り続いてとても寒いので、暖かいエスプレッソに砂糖を入れて、くいっとのんだ。そして持っていた本をとり出してとりあえず読んでいた。

授業が終わったという連絡が来たので、外にでて学校

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ムースショコラのために

ムースショコラのために

ムサオのバーにいってカウンターでビールを飲んでいた。テラス席ではいつものように若者が集まって楽しそうに話をしながらお酒をのんでいる。そのうちの一人がビールを頼むために、カウンターで注文をしにきた。ビールがつがれているあいだに日本人がそこにいたのが珍しいのか、話かけてきた。

「ニホンいったことある。」「キョートとトーキョー。」

「僕は東京からきていて、近所にしばらく滞在しているんだよ。」

「ス

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バゲットの持ち方、3種類の持ち方

バゲットの持ち方、3種類の持ち方

おいしいバゲットが街にたくさんあり、それを持って歩くひとの数だけそれぞれの持ち方というものがある(はずだ)。

たいていの子どもはバゲットを手で握りしめて持ち歩いている。歩くたびにバゲットは前後にゆられている。その持ち方はいかにも子どもらしく、これからの夕食に向けての期待と、夕方に散歩することの楽しさを感じさせる。

ほとんどのマダムは3、4本ほどのバゲットを抱えるようにもっている。そうそれは常に

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マダムとバゲット

マダムとバゲット

近所のおいしいバゲット(Traditionという)をみつけてからというものの、毎日のようにそれを買いにパン屋に通っている。

毎日同じ時間に同じバゲットを買っているので、お店で注文するときに「 バゲットドゥ トラ」と言おうとすると、マダムがそれにかぶさるように「 トラディシオン!! 」と言ってくるようになった。それでもうシルブプレである。満面の笑みでマダムは〈あなたもこれが好きだわね!〉という感じ

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