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目が覚めて、眠りにつくまでに。

朝になるには、まだ早すぎる時間に目が覚めめてしまった。いやな夢をみていた所だった。もうどうしようもないなという所になって、引きづり戻されたようにベットの上で目を覚ますことができた。

夢の中で、僕は瑠衣さんと一緒に実家の前にいた。二車線の道路を挟んだ向かいに広い駐車場がありそこに一匹の大きな虎が座っていた。しばらくその虎をみていると、こちらに気がついて走って向かってくる。慌てて玄関の扉をあけて中に入り、驚きながらもほっとしていると、今度は虎は大きくジャンプをして二階にあるベランダに入ってきて、そこから僕たちのいる玄関までやってきた。ほんの一瞬のことだったので、二人は動けずに固まってしまった。もうどうしようもない。

朝になったので軽く朝食を食べて学校にむかった。あいかわらず雨が降っていた。午前中の授業が終わり、僕は午後の授業がはじまるまでそこで待ち、瑠衣さんは次の学校に向かっていった。外の雨は朝よりもつよくなっている。

教室で外を眺めながらパンをかじって昼食をとった。そして携帯電話をみると瑠衣さんからの着信がのこっているのに気がつく。なにかとおもい、メッセージを送るとしばらくして返信がきた。

メトロの階段で滑って転び落ちてしまったという連絡だった。足を引きづりながらなんとか学校にはついたそうだ。

虎から逃げることができた日のことだ。

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