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問題解決のフレームワーク

問題解決のフレームワークを探している方へ。

目の前に問題が山積みになっており、どうすればいいか分からない。目の前のことに手一杯で、長期的な目標を見据えた動きができなくなってしまっている。そういった方が、かなりいらっしゃるかと思います。

本記事では、何か問題が生まれた際にどう対応するのが効率的なのか、フレームワークを交えて説明を行います。

【もくじ】
1.「頑張る」だけでは何も解決しない
2.思考=問題解決の土台【モノ→情報→思考】
3.思考力とは【多様性x説明能力x分解能力】
4.思考力の高め方
5.問題解決のフレームワーク
6.まとめ

私のKindleには1000冊超の本が入っており、ビジネス書がその中の大きな割合を占めています。ここから得た知識を実際の業務で試し、そこから得られたエッセンスをまとめました。

1.「頑張る」だけでは何も解決しない

誰もが薄々感じていることだとは思いますが、「頑張る」だけでは何も解決しません。上司から抽象的な指示だけを出され、「後は頑張ってくれ」と言われることが多々あるかもしれませんが、その上司は上司としての職務を放棄していると言わざるをえません。

上司がまだ平社員だったころは、先輩の背中を見て仕事の型を学び、それをただコピーしていれば良い時代でした。その時代は、型を「知っている」ということそのものに価値があったからです。なので一般に上司のスタンスは、「ぐだぐだ考えなくていい。先輩社員の背中を見て仕事を覚えろ」となります(余談ですが、これは学校教育も一緒です)。

しかし今や、「知っている(=情報)」は巷に溢れています。一昔前まで業界の人間しか知り得なかった情報は、書籍やインターネットで簡単に調べられる時代になりました。また、環境の変化のスピードが加速しているせいで、情報はすぐに陳腐化してしまいます。

こういった環境の中で求められるのは、情報よりもむしろ、大量に押し寄せる情報をコントロールする力(=思考力)です。

2.思考=問題解決の土台 【モノ→情報→思考】

昔、工業化社会だったころは、沢山のモノを所有していることがステータスでした。しかし、次第にモノが溢れて陳腐化し、情報がモノをコントロールする上位概念として登場しました。

情報化社会の現在、ビッグデータがもてはやされ、情報の陳腐化が既に少しずつ始まっています。時代の流れとして、情報は必ずこのまま陳腐化し、情報をコントロールする上位概念が登場します。そしてその上位概念が、思考です。

一昔前まで、問題解決の土台は「知っている(=情報)」でした。海外の事例を知っている、昔の成功事例/失敗事例を知っている、これらの情報を持っていることが価値であり、オリジナリティでした。

しかし上述の通り、今、問題解決の土台は「思考」に移りつつあります。自分の競合も自分と同じだけ潤沢な情報を持っている状況下で、いかに優れた打ち手を考え出すか、この思考こそが価値/オリジナリティになります。

3.思考力とは 【多様性x説明能力x分解能力】

思考力を数式として表すと「思考力 = 情報の多様性 x 情報の説明能力 x 情報の分解能力」です。前章で述べた通り、思考力は情報をコントロールする上位概念なので、数式の各項に「情報の」という枕詞が付いています。

思考をするために必要なのは情報の深さではなく、多様性です。思考をする上で一番避けなければならないのは「その発想は全くなかった」という状況です。これを可能な限り回避するべく、なるべく多様な情報に触れて抜け漏れをなくす必要があります。

また、単に言葉を知っているというだけではなく、情報を理解し応用できる状態にしておく必要があります。言い換えると、情報を説明できるようにしておく必要があります。例えば、GDPという言葉をニュースでよく見かけますが、この言葉の意味を正確に説明できる人は多くないと思います。そして、説明できないということは、応用できないということです。

加えて、情報を感度良く分解する能力も求められます。例えば人間という言葉(カテゴリ)を抜け漏れなく分解しようとするとどうなるか、考えてみてください。「男・女」「白人・黒人・黄色人種」「20歳以上・20歳未満」等々、良く分解できるほど、情報の応用力は高まります。

4.思考力の高め方

前章では思考力の構成要素について述べました。本章では、それらの高め方・トレーニング方法について触れます。

トレーニング:情報の多様性→毎日5つ以上、異なる媒体のトップニュースを見る
自分で情報を選択して見ていると、どうしても情報が偏ります。情報の多様性を担保するために、最低5つの異なる媒体を見るようにすると良いです。ただし、全媒体・全記事に目を通すと時間が足りなくなるので、トップニュースだけを見ることとします。

トレーニング:情報の説明能力→自分が説明できない言葉を発信しない
日常会話にしろ、業務での電話やメールにしろ、自分が説明できない言葉を使わないようにしてください。もし相手が「あなたの言っている〜ってどういう意味?」と聞かれて答えられないのであれば、その〜については事前に調べておくか、いっそ使わないようにしてみてください。

トレーニング:情報の分解能力→軸と境界線を意識して分解する
何かを考える際には、軸と境界線を意識しつつ、考える対象を紙に書いて分解してください。人間であれば、性別という軸では「男・女」に、人種という軸では「白人・黒人・黄色人種」という境界ができます。

5.問題解決のフレームワーク

前置きが長くなってしまいましたが、問題解決のフレームワークを紹介します。それは、「理想と現実のギャップ明確化→言葉の定義→因果関係図の作成→原因の分解と、解決策の決定」というものです。各ステップの簡単な説明と、具体例は下記の通りです。

ステップ1.理想と現実のギャップ明確化
自分が問題だと感じていることに対して、「理想の状態」と「現実の状態」、そしてその「2者間のギャップ」を、紙に文字として起こします。これにより、問題が何であるかを明確化します。

ステップ2.言葉の定義
ステップ1で書いた「理想の状態」「現実の状態」「2者間のギャップ」に出てくる、単語1つ1つの定義を見直します。ここまですると、問題がどこにあるかが分かるようになります。

ステップ3.因果関係図の作成
ステップ2で明確にしたギャップに対して、なぜなぜの問いかけを行うことで因果関係図を作成します。因果関係図を作成することで、短絡的な原因に飛びつくことを避け、本質的な原因を探ることができます。

ステップ4.原因/対策の分解と、解決策の決定
ステップ3の原因図の中から対策するべき原因を決め、その原因/対策を分解します。分解することで、最も効率の良い解決策を導き出すことができます。

6.まとめ

本記事では、「理想と現実のギャップ明確化→言葉の定義→因果関係図の作成→ 原因の分解と、解決策の決定」という問題解決のフレームワークを紹介しました。

ここでのポイントは、「人手が足りていない。だから人手を増やそう」という短絡的な解決策に走るのではなく、問題解決のステップを踏むことで問題の因果関係を明確にし、効果的な解決策を打つということでした。

また、思考力は「情報の多様性 x 情報の説明能力 x 情報の分解能力」で表すことができると共に、トレーニング可能であるということを触れました。加えて、思考力は問題解決の土台であると共に、情報化社会の次の世代で活きてくるということを述べました。

何か不明点あれば、コメントいただければと思います。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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