時間制限内に終わるように協力するのがカードゲーム


カードゲームにおいて、巷では時間切れを待つだけの場合負け確なら投了すべきという意見を見かけます。実際そうすべきかどうか、ということは今回言及しませんがこういう考えもあるんだよ、と思っていただければ。

発端はポケカにおけるカビゴンLOというデッキの是非を問う記事です。
https://note.com/oto_pokemon/n/n2296e0420702

カビゴンLOは山札を削るカードが確定でそうできるものでないことなどが原因で時間内に勝利することが難しい、だから使用者は対戦相手が両者敗北を嫌って投了することを期待するが、それに応える必要はない、という話です。

※両者敗北を嫌う
カードゲームの大会では、勝利数が同率の選手に優劣をつける際、基本的に対戦相手とその対戦相手がどれだけ勝利したかを基準にします。オポって呼ばれているアレ。例えば自分が負けた相手が予選全勝なら「そんな強者に負けたならしょうがない。君の評価を高くしよう」と勝ち数同点のプレイヤーの中でも順位が高くなります。
ところで、両者敗北は2人ともそれ以降全勝者と当たる可能性が激減するために評価が下がります。

予選7回戦で7-0、6-1に加えて5-2のオポ上位が予選上がりするとき、予選中に両者敗北があるプレイヤーは不利です。
例えば自身の戦績が5-2だとして、この2敗した際の対戦相手がそれぞれ7-0、6-1の場合と、両者敗北を経て6-1(両者敗北)、6-1となる場合では前者の方が「強者に負けている」ため有利です。
ゆえに両者敗北は自身にとって何ひとつ有益でないためこれを避けるために投了するのが自身の予選上がりの望みを繋ぎます。
このとき時間切れを誘発したプレイヤー(過度な長考をしたなど)、ここから返す手立てのないプレイヤーが投了すべきという意見もあり、私もそれに賛成ですがそれを相手に主張するのは違うと思います。

もちろんそうなのです。投了しない選択肢はあります。かといってLO側でないプレイヤーの「毎ターンカードのプレイに時間をかける」という主張は絶対に間違っています。(先の記事の方ではなくこうすりゃいいじゃんとTwitterでのたまってる方々)
これは間違いなく遅延行為であり、許されるべきことではありません。
ちなみにポケカの競技ルールで《定められた対戦時間に決着がつかないような遅いプレイングを続けた》場合罰則が与えられるとあります。
「いやいやw相手視点こっちの手札はわからないんだからいくら時間かけたって文句つけようがないでしょw」という考えは単純にモラルに欠けます
不必要な思考であれば長さを問わず遅延です。やめましょう。

このカードゲームは対象年齢が9歳ですが、クラブ活動や、中学生以降なら部活など、社会人なら当然、そういった場で対人で行う競技は相手へのリスペクトが不可欠であることを理解できるはずです。周囲の大人に恵まれなかったなら仕方ないんですけど。

さて、この話はデュエルマスターズにも派生しました。というのも、こちらにも似たようなデッキがあるんですよね。

《ゼーロベン》というデッキです。上記リンクは必要なカードだけ。《闇王ゼーロ》を使いまわし、最終的に《不死鳥縫合 ブラック・ビッグバン》で山札が無くても負けない(デュエマは山札が切れた瞬間負け)状態で《偽槍縫合 ヴィルジャベリン》を出し入れし、マナを消しながら能力の2ドローを使ってLOを目指すデッキです。
これも同様に無茶苦茶遅延されてしまうと勝たない試合が発生するのですが、先ほどの理屈を踏まえて考えるとやはりマナセットやドローなどに時間をかけるべきではないです。

対戦ゲームというのは決められた時間があるなら、お互いがその間に決着するように努力すべきであるというのが私の主張です。


ところで、時間制限内に終わらせる努力についてですが、デュエルマスターズはシールドをブレイクしたうえで直接攻撃しても勝ちます。
だから「もつれて残り試合2分、ロックまではいったけど山札切れは間に合わない……」というとき、ゼーロベン側が攻撃すべきだと思うんですよね、私の主張が正しいなら。
これはカビゴンLOとの明確な違いで太い勝ち筋としてLO の他に「逆転の目が限りなく小さい状態で攻撃する」を有しています。
だから両者敗北の可能性が小さいという点でゼーロベンは優秀ですね。他ゲームのデッキを比較するのもアレなんですけど。

しかし、落とし穴もあります。
デュエマは神ゲーなのですが、神ゲーたらしめる要素にシールドトリガーというものがあります。シールドから捲れると無条件で使用できるカードで種類によっては戦況をひっくり返すことができます。
ゼーロベン側はLO勝利を前提に組まれているのでこれへの対抗策はありません。手札やマナを破壊して間接的に有用なカードを絞っていくことはできますが。
さらに、《斬隠蒼頭龍バイケン》というカードも存在し、これは相手ターン中に手札から捨てられると場のクリーチャーを手札に戻す効果を持ちます。
これで《不死鳥縫合 ブラック・ビッグバン》を除去すると敗北回避効果が発動しないため勝利することができます。
ケアできたり、シールドトリガーの運でそれすら乗り越えたりすることはできたりしますが、要は「負け確ではない」わけです。
デッキに採用しているかどうかはゼーロベン視点わからない、それなのに「負け確なんだから投了しろよ」という主張はちゃんちゃらおかしいわけです。ルールに則って殴れ。


さて、紆余曲折ありましたが、私の考えは

時間のかかるLOデッキ使い「勝ち筋ないから投了しろよ」→お前視点だろお前が勝ちにこい

その対面「両者敗北したくないから相手が投了するかも!誘発できるようにちょっとずつ時間つかお~」→遅延です。モラル最悪だからやめよう

ところで両者敗北って最悪だから、決着がつくようにお互い配慮したプレイをしようね

って感じです。
時間切れのときどうしようじゃなくて時間切れが発生しないようすべきです。


反対に「カビゴン突破する手段ない(勝ち筋無い)から投了しよう」「LO間に合わないから攻撃しよう」は結構推奨だと思います。《時間制限に配慮したプレイ》的な意味で。
それ以外(LOでなくきぜつさせる)の勝ち筋のないカビゴンLOが良いデッキかはともかく、これを否定する方法が遅延行為なら一切許されません。

お互いが十分な力を発揮するための場が大会ですから、自分だけ時間を多く使うなどないようにしましょう。どうすればいいかわからないから悩むシーンは普段の練習で減らすことができます。
それが多くて時間切れは不毛ですよね。みなさんが実力を出し切ったうえで試合が終えられるようになればいいなと思います。
twitter…@tkmk_pprn_


これは制限時間内に終わらせるコツ

https://note.com/onimaruboy/n/ne7b3a93d393d

























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