Xday part3

警察署を出て
「これから■■まで行くんだけど、行ったことあるん?」
「無いです」
ちょっとした小旅行だと思った。
両手首のワッパと腰縄さえ無ければ…
逃げる根性も勇気も体力も無いから逃げようないのに外せないルールなので仕方ない。
ルール破ってこんな目に合っているのは俺だ。

車で向かうは東京駅八重洲口。コロナの真っ最中だというのにやたら人が多い
ワッパや腰縄が見えないように俺を中心にして5人の刑事たちが俺を取り囲む形で歩いていくのだが見る人が見たら一目瞭然だわ距離が近すぎる。ジロジロ見られて恥ずかしい思いするのかな?とか考えたけれどここは大都会東京で誰もが他人に無関心なのか突き刺さるような視線は感じない。
俺もこの位無関心だったらシャブで捕まることも無かったのかもとか思った。

鉄道警察隊の待合室に案内されて直ぐ尿意。
トイレが結構広めの事務室の先に有るのだか職員の人ほぼ全員昼食中なわけでここではかなり痛い視線を感じた。

恥ずかしい

このひとことに尽きる。これ以外の感情など忘れてしまうくらい恥ずかしい思いに囚われた。

待合室の中で刑事ボスとの話の中でちょっとばかりカッチーンと来ること言われその後の全ての雑談をシカトして嫌な空気を漂わせる事に成功!
「なに?シカトしてるん?」
「切れ目で眠いだけです」
その後は静かな空間で時が来るのをじっと待っていた。

時は訪れ新幹線へと乗り込む。人目を避けるために一番後ろの車両の最前列。降車時に後に誰も居ないから目立たないんだと。
「だったら最前列にするなやトイレに行く一般乗客の目に晒されるだろ?」とは言わない事にした。
昼食貰ったがおにぎり2個とペットボトルのお茶のみ…護送の刑事達は唐揚げ弁当プラス飲み物。切れ目のドカ食いしたいんだけど足らねぇよ。なんでも食費400円の縛りが有るらしい。その時は「あー、そうなんだ」と思ってたが今にして思えば食費の縛りは飲み物別だろ?■■県警の510さん違いますかね?
長ーい移動は特に会話もなくずっと寝ていた。

やがて■■駅へと到着し車へ乗せられた。
話によるとここからが、大変らしい…時刻は夕方までもう少しと言う時間でいい加減もう疲れたよ。
「ちゃんと話しろよ、その方がたかまるさんの為になるから。ほなな😁」
と、刑事ボス。詳しくわからないのだかここでお別れらしい。護送同行者はは朝に調書作成した2人。
「ここからが結構大変なんよ」
刑事1が言った言葉は偽りなき事実だった。

高速で走る事40分位xxインターで降りた。日は沈み街灯が1つもない道。土地勘など全く無いので地名を見たところでここがどこなのかなど全然わからないので不安ばかりが募る…拉致や誘拐されるとこんな気分なんだ。

街灯もない山道を1時間程でやっと到着した
なぜにこんな山奥まで?と、それしか頭の中には無かった。