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俺のCD棚 第14回

今回は、DISCLOSURE 【SETTLE】

※直訳は「ゆったりする」、「落ち着く」、「解決する」等

DISCLOSUREは、イギリスは南ロンドン出身のガイ・ローレンスと    ハワード・ローレンスによる兄弟ユニット。

この二人の特徴といえば、何と言ってもライブパフォーマンスにある。彼らはEDMのトラックメイカーでありながら、ライブではDJセットではなく、電子ドラムを自ら叩いて演奏するのである(しかも二人共なので、ツインドラム!)。過去のライブ動画はyoutubeにアップされているので、時間がある時に是非。

このCDは、そんな彼らが2013年にリリースした、1stアルバムである。

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全体の楽曲構成は、ボーカルを客演に迎えた歌ものをメインに据えた、ハウスミュージックを現代的にアップデートさせたようなテイストになっており、EDMの割には聴きやすい印象。

勿論、跳ねたビートの曲も幾つかあるが、そちらは音数を少なくして、ビートを際立たせるような曲調になっている。この辺りは、彼ら自身がドラムを演奏するが故のこだわり、といったところだろうが、曲ごとに電子ドラムのエフェクトが変えられているので、間延びせずに楽しめるし、夜にゆったりしてる時にも意外と合う。

一曲挙げるなら、3曲目「LATCH」。この曲は当時、まだアルバイト生活をしていたサム・スミスがボーカルを担当しており、耳に残る声のエフェクト (ダッダーって聴こえるやつ)から始まり、メロディアスなトラック・一定に刻まれたビートに乗せた歌声が秀逸。昔から彼は凄かった。


ジャケットは、子供の頃の写真に白で書かれたイラストを重ねているのが一際目を引く、インパクトのあるデザイン。この手法は、彼らのビジュアル・アイコンとなり、後の作品でも多用されるようになる。

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中を開くと、他の写真にも全てフェイスプリントが!

※そういえば子供の頃、国語の教科書に載っている作者の顔写真を、同じように修正液で加工したなあ、と思い出に浸る…が、クリエイションの次元が違いすぎるので、比べること自体が野暮なのは言うまでもない。

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因みに、このアルバムに参加しているメンバーのほとんどが当時無名で、 これが世界的に評価を受けたことで活躍の場を広げた人が多数いたことも、特徴と言えるかもしれない(ジミー・ネイプス、アルーナ・ジョージ等)。勿論、先見の明もあったとは思うが、結果的に自分達だけでなく、周りのキャリアまで切り開いた、ラッキーボーイズ。それがDISCLOSURE。


以上、第14回でした。次回は、鍵盤音の使い方が印象的な日本のトラックメイカー・Sweet Williamと、沖縄のラッパー・唾奇とのジョイントアルバムを紹介します。

それでは、また。


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