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俺のCD棚 第37回

今回は、Pharrell Williams。

当初は彼の全てのアルバムの中から1枚紹介するつもりだったが、ソロは勿論、THE NEPTUNES、N.E.R.D、そのどれもが好きすぎて、最後まで1枚に絞ることができなかった。

なので、今回はそのキャリアごとで1枚ずつ、紹介していこうと思う。

THE NEPUTUNES 「CLONE」

Pharrell Williamsを語る上で欠かせないのは、やはりTHE NEPTUNESでの活動だろう。そもそもは、Chad Hugoとのプロデュースを生業とした、いわゆる裏方からのスタートだったのだ。

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この辺りは前回の記事で紹介したKanye Westと共通する所だが、彼らの場合は多くのアーティストに楽曲提供していく中で、Pharrellのコーラスワークが徐々に評価されていき、次第にPharrell名義でのフィーチャリング曲が増えていくことで、その存在が徐々に世間に知られるという、立身出世を絵に描いたような成り上がりっぷりを体現したのである。

そんな右肩上がりの評価の最中に出されたコンピレーション盤がこのCD。

一曲挙げるなら、やはり5曲目「FRONTIN」だろう。

ユニークなビートとPharrellのファルセットボイスに合わせたJAY-Zのリラックスしたラップは中毒性抜群。しかも、随所にトリッキーな要素が散りばめられているにも関わらず、全体像は不思議とお洒落な感じにまとまっているのだからすごい。

N.E.R.D 「Fly Or Die」

N.E.R.Dは、THE NEPUNESでの相方と友達一人を加えた3人組ユニットで、その音楽性はアルバム毎に変化している為、一つのジャンルに括ることができないのだが、個人的には、Pharrellはこの名義での音楽活動が一番楽しく取り組めているんじゃないかと感じている。

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このCDはそんな彼らの2枚目のアルバムで、ロックバンドに対しての憧れがそのまま投影されたような、緻密さと荒々しさがミックスされた、ロック色の強いものとなっている。

正直、この時期が一番勢いがあったような気がする。

一曲挙げるなら、5曲目「See Wants Move

大ヒットしたシングルカット曲なのだが、犬の鳴き声で始まるイントロから徐々に展開されていく流れは、聴いてるだけでテンションが上がる、このアルバムを代表する名曲。

今後、もしライブがあるのなら、是非とも生で聴いてみたい。

Pharrell 「IN MY MIND」

さて、そんな前述の活動をしていく内に、ブランドの設立、ルイ・ヴィトンのモデル起用など、最早単なる音楽プロデューサーを超えたポップアイコンとなっていき、大衆に求められるように発表されたのがこのソロ名義の1stアルバムである。


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このアルバムに関しては、リリースして数年後、2ndアルバムのタイミングで「前作は納得のいく作品ではなかった」との記述も残されているが、私はR&BとHIPHOPのフィルターを通して、パーソナルな部分に焦点を当てた楽曲構成が気に入っているため、そんなことはお構いなしで聴いている。

一挙げるなら、8曲目「Angel」が最適かと。

ちょうどアルバムの節目としての役割を担っているる楽曲で、ユニークかつトリッキーなビート、独特のファルセットボイスが惜しげもなく披露されており、ファンなら「これが聴きたかった!」と思わずにはいられないハズ。

他人の評価なんて気にしないで、好きな曲を好きなだけ聴けばいい。

客演勢について

最後に、この3枚のアルバムに参加している客演勢についても少し触れておきたい。

JAY-Z、Kanye West、NELLYなど、これまでの記事で紹介したアーティストがずらりと並ぶ豪華な顔ぶれで、個人的にかなりツボだった。

しかも、そうした客演勢に寄せた楽曲を提供することは無く、むしろ違ったアプローチでその人の新たな個性を引き出そうとしているような、野心的な楽曲ばかりを発表してくスタンスも、Pharrel  Williamsの魅力のひとつと言えるだろう。

また、日本では数年後、m-floが二人体制となった時期に行った、歌い手を曲毎に変える「LOVES…」シリーズが人気となり、THE NEPTUNESの成功から着想を得たんじゃないかって勝手に思い込んでいた。

更に数年後、そのm-floのVerbalとPharrellが親交を深め、楽曲を共作するという事態にまで発展した際は、「やっぱお互い、シンパシーを感じてたんやな」とひとり感動したものだ。

今や押しも押されぬポップスターとして盤石の地位を確立した、Pharrell。

それまでの過程で、どんな楽曲があったのかを再認識するために聴き直してみるのもまた一興かと。

以上、第37回でした。

次回は、最終回。

以前に紹介した、DAFT PUNKのラストアルバムを、今度は楽曲に焦点を当てて再度紹介していこうと思います。

それでは、また。

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