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俺のCD棚 第9回

今回は、Nulbarich  【H.O.T】

Nulbarichは、2016年頃にボーカルJQを中心に結成。JQ以外のメンバーは謎に包まれており、かつ、その時々で入れ替わるという形態を取っている、バンドというよりはプロジェクトチームのような集団。こちらは2作目のアルバムにあたり、限定版を購入した為、特典としてライブ音源が収録されたものを含めて2枚組となっている。

Nulbarichとの出会いは、メトロック大阪2017の一番小さいステージ。そこでのライブパフォーマンスは、メジャーデビュー直後にも係わらず既に完成されており、最前列で只々圧倒され、後日リリース日に1stアルバムと合わせて2枚を同時に購入した。

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まず、とにかく楽曲がインストも含めて、全曲素晴らしい。

曲ごとにロック・R&B・アシッドジャズ・ファンク・トラップ等、様々な要素が掛け合わされており、そのどれもが尖りすぎずいい塩梅で、耳馴染みが良くお洒落でカッコいい。いつもなら一曲選ぶところだが、この盤ばかりは選べないという程。中にはディアンジェロ(!)のような、ねっとりした低音ベースを主体とした曲まである。

※あえて挙げるなら、2曲目「It's Who We Are」、4曲目「Zero Gravity」、8曲目「Supernova」、9曲目「ain't on the map yet」、10曲目「Spellbound」

限定版のライブ音源もこれまた最高。演奏が上手いのはさることながら、ライブ用に変更されたアレンジが秀逸で、次の曲へ行くまでの繋ぎまでもが素晴らしい。自分が体験したライブを思い起こされる、感動に満ちた8曲構成となっている。

※あえて挙げるなら、4曲目「Spread Butter On My Bread」、7曲目「New Era」、8曲目「Follow Me」

見た目については紙ジャケとなっていて、表面にナルバリくん(初期のゆるキャラ)のシルエットと黄色を基調としたシンプルな構成。シルエット部分に施された色合いが、アクセントとして利いている。

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見開くと、レコードのようなダブルスリーブ仕様となっていて、それぞれに「Hang, On, Tight」の文字(訳は、「しっかり摑まってね」)。これからの自分達の動向にちゃんと付いてきてほしい、という意図にも思え、開いた際に表題の意味に気付かせてくれる粋な計らい。いちいちお洒落。

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因みにバンド名は、「Null , But,  Rich」を組み合わせた造語で、「何もないけど満たされている」、形の無いもの(ソウル、思いやりや優しさ含めた全ての愛、思想、行動、感情)で満たされているという意味が込められているらしい。この思想は今でも一貫されており、デビュー当時から伝えたい事が明確でブレていない事自体が尊敬できる。自分もこうありたい。

以上、第9回でした。次回は、JQのようなファルセットボイスが特徴のアイスランドのシンガー、ASGIER のアルバムを紹介します。

それではまた。



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