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俺のCD棚 第21回

今回は、Bill Evans Trio 【Waltz For Debby】

Bill Evansは、言わずと知れた名ジャズ・ピアニストで、トレードマークである眼鏡にスーツの出で立ちは、雑誌等で「like a bill」と書かれる程にアイコニックなスタイルとして扱われ、ジャズを知らない人でも、写真だけは見たことがある筈。

このCDは、数あるジャズアルバムの中でも「ピアノジャズといえばコレ」って程に有名な名盤中の名盤であり、彼独特の思索的なピアノ・プレイが味わえる作品として位置付けられている。又、自分にとってはジャズの入り口となったアルバムである。

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ピアノ・ベース・ドラムの三人が奏でる楽曲群は、全体を通して比較的静かな曲が多いのだが、注意深く聴いてみると、同じ曲でもテイク毎に演奏がかなり違っていて、ソロパートでは主旋律の枠組みの中で(時には少しはみ出して)自由にプレイしている事に気付く。ジャズはただのお洒落な音楽ではなく、その時々の偶発性に富んだ、即興音楽であると認識した瞬間である。

正直、心身ともに充実している時に聴いてもあまりピンとこないのだが、仕事終わりの夜、晩酌のお供に少し音量を上げて聴くと、疲れた心と体に何とも言えない程よい刺激をくれる。聴く時は是非、アルコールをお手元に。

一曲挙げるなら、7曲目「Waltz For Debby (take1)」。ボーナストラック扱いであるこのテイクは、3人が楽しんで演奏している感じがより伝わってくるので、2曲目のテイクより好みである。

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ジャケットも好きで、女性の横顔を映したような、ぼんやりしたシルエットは、見方によってはいかようにも受け取れる、包容力のあるデザイン。このアルバムを聴いたことがなくても、ジャケットだけは見た事があるって人もいるかもしれない程に有名で、美しい。

以上、第21回でした。次回は、同じジャズピアニストのレジェンド、   オスカー・ピーターソン・トリオのアルバムを紹介します。

それでは、また。



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