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俺のCD棚 第35回

今回は、JAY-Z「THE BLACK ALBUM」

JAY-Zは、今では実業家としての顔が世間では浸透しているように感じるが、そのキャリアは意外にもラッパーからスタートした人物。
もっと簡単に言うと、ビヨンセの旦那です。

このCDは、そんな彼が2003年、これ以上ないというくらい豪華な客演を迎え、思いつく限りのアイデアを詰め込んだ、ラッパーとしてのキャリアの集大成とも言える一枚。

※実際には引退は撤回されたものの、それ以降の作品には、セールスや流行を意識しない、個人の嗜好が強く反映されたものが多くなった為、成功したビジネスマンの優雅な遊びに思えて仕方がない。

このCDとの出会い

実は何を隠そう、俺が最初に聴いてハマったHIPHOPがJAY-Zの楽曲「IZZO【H.O.V.A】」なのである。

※言わずと知れた名盤「THE BLUEPRINT」の中に収録されている名曲で、この当時、まだ無名であったKANYE WESTを制作に招いた事でも知られている、彼の長いキャリアの中でも1、2を争う程の名曲。

あの何とも言えない楽しそうなトラックに、気の抜けた緩いラップが中毒性抜群で、これをきっかけに海外のHIPHOPを聴き漁るように…。

そんな彼がラストと表したアルバムが出ると知るや否や、店頭で即買いしてしまった、言わば衝動買いの一枚である。ヘッズ感満載ですな。

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楽曲の構成

最初の方は盛大なファンファーレから始まる、多幸感やリッチな音遊びが盛り込まれた楽曲が並び、カフェでもなんなく流せるんじゃないかってくらいお洒落なのだが、6曲目を皮切りにガラリと雰囲気が変わり、ダークなHIPHOP然とした楽曲が立て続けに聴こえてくる。

これは、前半が当時の彼の気分を表していて、後半はこれまでの自分の功績を見つめ直しているような感じなのではないか、と個人的には考えていて、正にキャリアの総括に相応しい内容だと感心しきりである。

因みに、前半部分が特に好きなので、最初の5曲を鬼リピートした記憶がある…今思うと、偏った聴き方だったよな、と少し反省。
まあ、聴きたいように聴けばいいのだがwww

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一曲挙げるなら

5曲目「CHANGE CLOTHES」を是非。

何といっても、THE NEPTUNESがプロデュースしている楽曲であるため、ラップは勿論の事、トラック然り、コーラス然り、とにかくお洒落。

この二組の相性は、THE NEPTUNES名義での共作「FRONTIN'」でも顕著だったが(こちらも是非聴いてほしい!)それが更にブラッシュアップされた感じと言えば分かりやすいだろうか。

今聴いても、全然見劣り(聴き劣り?)しないくらいに完成されている楽曲であると豪語したい。

因みに、トラックの構成・展開等に、その10年後にJustin Timberlake とリリースする「Suit and Tie」の片鱗が垣間見える点も面白い。

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ジャケットについて

表題「THE BLACK ALBUM」の名に相応しい、過度な装飾が一切ない、見事なまでに黒一色の潔いデザイン。

まあ、これ以外無いよなって位、しっくりきている。

こういうシンプルなジャケ…好きです。

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以上、第35回でした。

次回は、JAY-Zがフックアップして以降、HIPHOPだけに留まらず、洋楽全てのシーンにおいてそのポジションを不動のものにした、KANYE WESTのCDを紹介します。

それでは、また。







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