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俺のCD棚 最終回

noteでの連載もいよいよ最終回。

前回予告した通り、DAFT PUNK 「RANDAM ACCESS MEMORIES」の楽曲に焦点を当てて書いていこうと思う。

ちなみに、以前にこのアルバムのコンセプトについて書いた記事があるので、気になった方はそちらも是非。

GIVE LIFE BACK TO MUSIC

このアルバムの始まりは、ナイル・ロジャースのギターから。

終始、ナイル・ロジャースの一人舞台の様相を呈しており、そのビンテージサウンドを十分に堪能することができる。

楽曲自体にDAFT PUNKっぽさはあまり感じられないが、短い歌詞の中に彼らの意思表示が込められている。

ずっと大事にしてきた音楽で 今の音楽に命をまた吹き込むんだ」と。

THE GAME OF LOVE

ノリノリなギターサウンドから一転、トーンを抑えたチルな鳴りのEDMが展開されていくが、オートチューンされた声から発せられる歌詞がなんとも切なく、その無機質さがより深い影を落とすかのよう。

音像としては、これまでに聴いてきたDAFT PUNK節というべき音が詰め込まれており、別に今までの自分達の音楽性を否定したい訳ではないという姿勢が伺える。

GIORGIO BY MORDER

そのタイトルが指し示す通り、ジョルジオ・モロダーの詩の朗読のような一人語りがメインの楽曲。
特に言及されているわけではないが、このアルバムのコンセプトに則ったような内容になっていて、ひょっとするとアルバムを作るにあたって、「俺も前からそう思ってた!」という共感を示したかったのかも。
ちなみに、この一人語りが終わってからが本番で、前述したサウンドをこれでもかと聴かせてくれるのでご安心を。

WITHIN

チリー・ゴンザレスが手掛けたコチラは、ピアノの旋律が物悲しく聴こえる内省的な楽曲で、一度は上がったテンションをここでクールダウンさせてくる感じ。
この落差って何なんだろうと思い考えると、サウナ~の水風呂が近いかも(そんなわけないやん)

INSTANT CRUSH

言わずと知れた、2000年代のロック・リバイバルを牽引したバンド、ザ・ストロークスのボーカル、ジュリアン・カサブランカスが参加しているが、その歌声は彼の面影を感じる事が出来ないくらいに大きく加工されており、匿名性を持たせた悲観的な群像劇を思わせる歌詞を象徴するかのよう。

客演のスキルに頼るだけではない、新しい試みと受け取るべきだろうか。

LOSE YOURSELF TO DANCE

ここで登場するのが、ファレル・ウィリアムスである。
ファレルについては前回の記事で散々書いているので、気になった方はそちらを是非。

ナイル・ロジャースのカッティングギターが一際耳を引く展開、しかし、その先に盛り上がりを作ることなくあくまでもステイを続ける流れは、後に控えている「GET LUCKY」に繋がる動線を引いているかのよう。

TOUCH

ポール・ウィリアムズと共作されたこちらの楽曲は、デジタルなサウンド加工が施されているとはいえ、やはりどこかノスタルジックな気持ちにさせてくれる、ディスコサウンドっぽい鳴りが印象的。

トランペットやストリングスなどの生音が混じると、こうも聴こえる印象が違うものになるのかとハッとさせられた。

GET LUCKY

このアルバムの目玉、ファレル・ウィリアムスをボーカルに迎えたこの曲は、ナイル・ロジャースのカッティングギターを主軸とした、ファンキーかつダンサブルな楽曲に仕上がっている。

また、PVでのサンローランのスーツを身に纏った御三方の姿は、「前時代的」などという言葉では括れない程に洗練されており、単純にカッコいいと思ったものだ。

ビジュアルもサウンドも完璧で、まさにこのアルバムを象徴する楽曲。

BEYOND

先程までのファンクなサウンドとは一転、こちらはギターサウンドをベースにした彼らお得意のフレンチEDMといった風情で、「ああ、ここで戻すんや」という、またしてもサウナ的な洗礼を受けることに。

MOTHERBOAD

BEYONDの流れを受けて展開されるインストゥルメンタル。

FRAGMENTS OF TIME

トッド・エドワーズ(フレンチハウスの重鎮)との共作であるこちらは、その布陣から期待する通りの安心のフレンチEDM。
結局、これはこれでいい。
いや、色んな楽曲の間で聴かされてるから、本来の良さが引き立つっていう部分も、もしかしたらあるのかも。

DOIN' IT RIGHT

パンダ・ベアを客演に迎えた、チルなド直球EDM。
その歌詞は、実験的なサウンドを並べて世の中に提示する自分たちに言い聞かせているかのよう。

やっていることが合っていれば、みんな踊りだすさ

CONTACT

そして、壮大なインストゥルメンタルで締め括られる。
「ギューン」という効果音が距離を超えて音を届けるインターネットの速度を指すのか、時間を超えて音を届ける、また別の物を指すのか…。

最後にチューニングが合って、恐らく誰かの耳に届いて1曲目が始まる…。

最後に

これでnoteの連載は最終回となります。

想定していたより長い時間をかけてしまいましたが、どうしてもこのアルバムだけは全曲紹介したかった。
それだけ、自分に今も深く刺さっているアルバムなのです。

これまでに約40記事ほど執筆してきましたが、自分が思っていた以上に音楽が、そして書くことが自分は好きなようです。
それを気づかされたことだけでもやった意味があるというのに、少数ですが読んでくれる人がいてくれて、ありがたいことに「スキ」も貰えるようになったことは、とても嬉しかったですし、励みにもなりました。

ありがとうございます。

これからは、自分の雑記ブログの方で新曲レビューという形で執筆を続けていこうと思っていますので、是非そちらも読んでいただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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