不健康法師

自分がわかるまで歩いてみる日記

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最近の記事

徒然愚さ 十二歩目

 いつの間にか違う者の人生を歩んでいた様な気がする。 "成功"や"富"、そういうものには興味がなかった、はず。  だけど、気が付けば「成功しなきゃ」「富を築かなきゃ」「負けたくない」って想いが僕の中では大きくなっていた。  いつからだったろうか。浪人してからか、大切な関係が破綻してからか、周りが"成功"し始めてからか…。とても苦しかった。生きていく意味をつけられなかった。  全力を尽くしたがダメだった試験。残酷に突きつけられる現実。目指した世界には手が届かないかもしれな

    • 徒然愚さ 十一歩目

      師走が好きだ。 研ぎ澄まされたような冷たい空気、浮き足立った街並み、そこを行く慌ただしい人々、通りを外れた静かな星空。 一呼吸おいて眺めるだけで、愛おしいものに溢れている。 今年を振り返って思うことは 今年は振り返ってばかりだったということ。 「今」が味気なくて、「未来」に不安が多いと、「過去」に救いを求めてしまうようで。 思い出に囚われて、やるせなさをウイスキーに溶かす夜を何度も過ごした。 しかし、悪いことばかりでもなかった。 過去を眺め飽きると、まだ今があることに

      • 徒然愚さ 十歩目

        最後の更新から一年が経とうとしてる。 本当はこの一年間色々、沢山、様々な事を感じて生きていたはず。 けれど、自分の心を見つめる余裕がなかったなぁ。 コロナ禍のお陰で家にずっといることになった。 一人でいると独りでないことを感じる。 一度手放すと喧騒の中で見失っていた、 か細くて大切な繋がりがほっこりと顔を出す。 もうすぐ春が終わる。 顔を出してくれたか細い繋がりが もうすぐそこまで来ている夏に、生い茂りますように。 一昨日かけた風鈴が鳴ってる。 春がもう終わる

        • 徒然愚さ 九歩目

          久しぶりに記したい思いができた。 というよりも、思いが記せる程の形を得た。 僕はまた隣人に醜い言葉を吐いた。 以前言葉は心を種としていると記したが 僕の持つ種は恐ろしく醜いし、刺々しい。 刺々しいんだ。 でも、必要のない所に棘が生まれるだろうか。 棘なんて邪魔じゃないか。動けば自分にだって刺さっちゃうし。 棘の在るところは、弱いところなんだと思う。 触れられないように、触れないように、堅く尖って、威嚇する。 僕も傷つけられたら棘を作る。 刺々しいことを責められれば、ま

        徒然愚さ 十二歩目

          徒然愚さ 八歩目

          窓外は雨。 駐輪場のアーケードがドラムロールを鳴らしてる。 唐突に祖父宅の夏休みを思い出す。 祖父宅に預けられた小学校低学年の僕は、こんな日には退屈して外を眺めていたなぁ。 あの頃ドラムロールを響かせていたのは車庫のアーケードだった。 彼に会えなくなってから、かれこれ8年が経とうとしている。 彼は家族の中で僕を最も愛してくれていた一人であるし、僕も彼が大好きだった。 会えなくなって寂しいと思うことはあるが、しかし、そのことで心臓を掴まれることはない。 恐らく、僕は彼との

          徒然愚さ 八歩目

          徒然愚さ 七歩目

          最近、また胸のなかの混沌に名前をあげることが難しくなった。 この気持ちをどう表現すればいいのか、全く解らない。 言葉は表現の手段として不完全だ。 無限の様相を持ち、千変万化する心を 限りある言葉で形作ろうなどという考えが、もしかしたら、もしかしたら無謀なのかもしれない。 僕は伝えるために言葉を紡ぐ。けれど、上手に紡ぐのには時間がかかる。 あの人に「どんな気持ちだったの?」と訊ねられる度に、長考して、それなりの言葉を紡いでは、最後に「万感の思いだった」と付け加える。 僕の

          徒然愚さ 七歩目

          徒然愚さ 六歩目

          今日は心地好い日差しの暖かな日。 朝から気分も上々。今ならなんだってできる気もする。 こんな日には、皆は生の悦びを享受してるのかな。 しかし、どうしてこんな日には「死にたい」ってなるのか、 自分でもよくわからない。 悲しい日は、死にたいだなんて思わないが、 思ってないけど生きていたくない。 生きていることが辛いだけ。 でも、こんな好い日にはどうしても「死にたいな」って。 生きていたくない訳ではない。 この気持ちにはまだまだ考察が必要だなぁ まだまだ僕は僕が解っていない。

          徒然愚さ 六歩目

          徒然愚さ 五歩目

          今日はとても好い日だ。 良い、ではなく、好い日だ。 朝起きたら目覚ましは既に止まってたし、 カーテンを開けたら日差しが眩しかった。 いつもなら「やってしまった…」って思うはずなんだけど 今日は「よく寝た」って思った。 思ったというか、呟いた。 気分は鬱々としているが、何時ものことだから気にはしない。 鬱々としているが、爽やかな気分だった。 冒頭で「良い」ではないことを強調したが、よく支離滅裂な文を書く僕にも、ちゃんとした理由があって行動している。 というのも、最近「良い」

          徒然愚さ 五歩目

          徒然愚さ 四歩目

          ー 張り裂けるような 悲しみの行き場 煮えたぎるような 憎しみの出口 時よ おまえは見てきたのだろう 憎しみの極みを 戦いの果てを 時の女神よ 教えてください 握り合えない手と手ならば 隔てる心の壁がいつか癒され なくなる日は くるのでしょうか ー 中学の卒業式で毎年歌っていた「あなたへ~旅立ちに寄せるメッセージ」の一部を引用したの。 他にもこの曲のなかで 人生と言う名の迷路の果てに というフレーズがあったり 当時の僕には衝撃的な歌詞だった。 この曲には思い入れというか

          徒然愚さ 四歩目

          徒然愚さ 三歩目

          涙は流す、怒りは燃やす。 どちらも心が抱えきれなくなった悲しみを 外に排出するための機能みたい。 泣き止んだあとの、怒りが尽きたあとの、 あの虚しさは、心に空洞ができた証だ。 悲しみは暖かな気持ちに被った傷から熱が逃げて、生まれちゃう。 ずっとずっと我慢してきた。 沢山責められるのも、耐えていれば 相手の為になると思っていた。 何よりも、自分には耐えられるだけの「優しさ」や「強さ」や「愛情」があると信じて止まなかった。 愚かだった。 僕はそれほどに大層な人間ではなかった。

          徒然愚さ 三歩目

          徒然愚さ 二歩目

          今日は成人の日だった 皆は好い一日を過ごせたのかなぁ 現役で進学してきた同期に会えなくて寂しい そういえばこうやって日記を残す習慣も忘れかけていた その日何を想ったのか、残しておくの好きだったんだけど 日記と一緒に沢山の優しさや寛容さを教えてくれたあの人は今ごろどうしているだろうか 元気にしていてくれるといいなぁ 寒空の下、散歩して 見上げると昼と夜の狭間の綺麗な景色があって ずっと好きだったことを忘れてたなぁって まぁ、よく忘れて、よく思い出すなぁって 少し口角が上が

          徒然愚さ 二歩目

          徒然愚さ 一歩目

          心の中にうつる由無し言を 赴くままに残していこうとぞ思ふ。 久方ぶりに中学時代の友人と会った。 僕の知らない世界があること、銘銘が憂き世を懸命に生き抜いていること 新宿のネオンが静かに物語ってた 僕は時々悲しい影に心臓を捕まれてしまう 何故生きなければいけないのかなって布団の中に踞ってしまうときがある 皆にはメンヘラとか躁鬱とかって言われてしまうけど 僕はただ、必死に生きているだけなんだよ 時々、生きることが一番辛いことに思えるけれど 時々、生きていると素敵なことに出

          徒然愚さ 一歩目