ゆるやかな離婚危機

私と夫はもうすぐ出会って10年。結婚して7年。
出会ってすぐに付き合ったので、出会ってからずっと一緒にいるけれど、お互いに仕事や趣味が忙しく、「ずっと同居してる」と言ったほうがしっくりくる。
子供が生まれる前は、仲の良いルームメイトのようだった。時間が合えば一緒に映画を見たり、美味しいものを食べたりし、平日はほぼ別行動。寝室も別。
子供が産まれてからは、一緒に過ごす時間は増えたけれど、2人の会話は激減した。仲が悪い訳じゃない、でも少しずつ距離ができている。
最近は夜もお互いに仕事をしていて、寝かしつけ後も一緒にいることが減った。
たまに仕事が落ち着いた日も、溜まった本やドラマを別々に観たりしている。
夫はコロナ以来ずっと在宅なので、基本、話そうとすればいつでも話せるし、洗濯と掃除と夕食を作ってくれるので、そのコミュニケーションはある。

それでも、会社から帰る道すがら、ふと「娘が成人するまでは一緒にいたいけど、その後は別々になっても、特に困らないな。面倒だから籍はそのままで、別居してもいいかもしれない」と当たり前のように思うことがある。

夫は誠実で、ずるいところがなく、正直な人。親切で、繊細で、相手の気持ちを察して動くので、気がつくとよく言われる。神経質で、敏感なので、生活の中でややこだわりが強いと思うところもあるけれど、私があまり気にしないたちなので、そこはあまり衝突しない(ちょっと強い言い方をされたりすると、私が傷つきやすいタイプなので、面倒なこともあるけれど)。

私は基本的には穏やかであまり拘らないタイプだけれど、体調によって気分の浮き沈みがあり、「人の話を聞きながら、自分の意見を伝える」という、基本的なコミュニケーションを取ることを、雑にこなしてしまうことがあり、そんなところが、もしかしたら夫の日々を少し面白くなくしてしまっているかもしれない。
そう、思っていても、なかなか変えることができない。

もちろん、長年の付き合いで、些細なことでも気持ちが汲み取れることの方が多いし、お互いにお互いを思いやる気持ちは忘れておらず、誕生日や記念日は祝うし、美味しいものを作ったり買ったりもする。離れたら相当に色々なことを再調整しなければならないだろう。
だから、当面はこれでいい。またいずれ、「こうなんだな」と、決然とした答えが降って来る時がくる。それを止めることはできないから、日々をもう少し、あと少しだけ丁寧に、一緒に、過ごしてみようかな。

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