2018ジェフユナイテッド千葉結果報告GK&DF編

まだ1試合あるけど、もういいだろ。なんだかシーズンはずっと前に終わってしまった気がするよ……最終節の社長挨拶で罵声を飛ばす元気もないよ……

GK

ロドリゲス

エスナイデルの肝煎りGKとしてアルゼンチンから呼び出された前半戦はかなり出場機会はあったのだが、25節以降に3試合連続スタメンを飾った後はひたすら控え&ベンチ外。スタメンエスナイデルのGKシャッフルの完全な犠牲者となった後半戦だった。足元のキックもいいし、とんでもない至近距離のシュートをセーブするビッグセーバーでもあったし、ハイボール処理と生え際、そして常にトイレ我慢してるみたいにずっと動いてることに若干の怪しさを感じる以外は非常にいいGKだったと思う。確かに致命的なミスをしたことはあったが、GKに課せられたタスク量が過多なのであり、すべてロドリゲスのせいかというとそうとは言い切れないだろう。結局、失点がかさんで勝てなくなると責任をGKに押し付けてころころスタメンを交代させるエスナイデルの悪い癖の犠牲者となった。実力的にも今年はロドリゲスが第1GKでしかるべきだった。しかし、サッカーだけでなく負けが込んだ組織というのは誰かが責任をとらなければいけないわけであり、トップが責任を取らないのであれば誰かがハラキリをする必要があるのだ。アルゼンチンに戻ったらこのハラキリ文化をぜひ紹介していって欲しい。アディオス。

佐藤優也

去年の正GKも今年は苦しい立場だった。前半戦のレギュラーはロドリゲスであり、途中から出始めるも3試合出て休み、2試合出て休み、というカスタネットみたいな出場ではリズムが作れるはずもなく。そうこうしているうちにやけっぱちで大野哲煥を出場させたところ完封したので、そこからは9試合連続大野哲煥スタメン。その間はずっとサブでくすぶっていたのだが、大野哲煥がわかりやすいやらかしをしたので40節で先発復帰。前に飛び出してループシュートを狙われのをダイビングヘッドでクリア、無駄に飛び出してウタカにゴールを狙われたのをゲリアがスライディングクリアと対ハイラインミサイルY-SATO23の威力をいかんなく発揮して我々を楽しませてくれた。楽しませなくていいからちゃんと守れ。来季はどうなるのかはわからないが、ロドリゲスがいなくなるので、まあたぶん正GKでしょうな。普通のGKやってるぶんにはJ2では実力者ではあるので。もし来季もなぜかハイラインすることがあれば対ハイラインミサイルY-SATO23は大陸間弾道ミサイルY-SATO23改となって、相手ゴールに突き刺さることになります。飛ばないミサイルはただのミサイルだから!

大野哲煥

J初出場から9試合連続スタメン→とんでもないやらかしをしてスタメン降格というジェットコースターのようなシーズンとなった。プレースタイルは割と堅実。ロドリゲスのように終始せわしなくちょこまか動くわけでもなく、Y-SATO23のように爆発的飛び出しをしてくるわけでもない。キックに特長があるわけでもないので、けっこうクラシカルなGKだった。ただ、セーブ自体はかなり当たっていて、とんでもないセーブをして窮地を救うことが何度もあった。このままシーズン終了まで正GKとしていくのかと思われたが、好事魔多し。38節大分戦で開始27秒でエリア内まで待って取ろうとしたボールを相手につつかれて失点というシーズンベスト級のキーパーやらかしゴールを与えてしまって轟沈。その試合ではエリア外でハンドも披露するなどしっちゃかめっちゃかになってしまい、次の岐阜戦は出場するもあえなくサブ降格となってしまった。かなり心が傷ついている状態だと思うので、ウタカに触って癒してもらったりしてほしい。ただ、GKにやらかしはつきものであり、最近引退を発表した川口能活もオールバックでめっちゃ気合を入れた大事な試合でボールをキャッチしたままゴールに入ってしまったりということもあったし、オールタイムベストやらかしの自ゴールにボールを投げ入れるムーブをした南雄太もまだ現役だ。「麦は踏まれて強くなる、GKはミスして強くなる」というのはドイツの名GKフリスト・シュトットルの名言(※)だが、まさにそのとおりなのだ。借りはピッチで返すしかない。来季以降の捲土重来を期待したい。

※ドイツのGKもでたらめだし、名言も今作りました


高木和徹

見てない。清水に戻っても頑張ってほしいが、六反いるからまたどっかにレンタルかなー。

CB

近藤直也

シーズン途中でキャプテンマークを佐藤勇人に受け渡して「すわ、移籍か」と色めいたものの普通にレギュラーとしてその後も君臨しておりました。ラインを引いたり上げたりする中で彼自身はできることはやっていたように感じられるが、そこはかとなく漂う「やってられっか」感がビンビンに出ていて、キャプテンマークを投げ出したのも納得のいくモチベーションだった。シンプル2000シリーズ「The 作業」。ただまあ気合を入れて移籍してきたのに毎年毎年この体たらくな上に、2年連続ハイラインという苦行をやらされたらチームリーダーとしてのモチベーションが下がるのも当然だろう。Twitterでも意識高めのビジネスツイートが多く発せられているし、そろそろ「選手後」を見据えているのかもしれない。まともな監督を呼んでくることを確約できるはずもないので強くは言えないのだが、来季は気合を入れ直してもらい、意識高めのままでもいいので、PDCAサイクルでアジェンダにアサインしたグランドデザインなDFラインにコミットメントして、ステークホルダーとバジェットをフィックスしてウィンウィンにエビデンスして欲しい。


増嶋竜也

前半戦は準レギュラークラスとして活躍したが、8月から鳥海の台頭もあってパタッと出場機会がなくなったベテラン。本来は守備のマルチロールができるのでそういう扱いも含めてなのだろうが、およそCBが代わる理由がまったく明らかでないので、忸怩たる思いを抱えていたのではないだろうか。近藤の欠場で唐突にめぐってきた先発の40節に、ヘディングで得点&アシストをしたのは意地といったところだろうか。飛び抜けて何かが強いわけではないがバランス感覚に優れている&酸いも甘いも吸い尽くしたベテラン&嫁が潮田玲子なので、守備のレギュラー+穴埋めとしてぜひ来年もいてほしいところなのだが、この意味不明な扱いとかを見てると来年残るかどうかは不確定。彼ももうそろそろ時間が迫ってきているので。

鳥海晃司

元ユース出身の大卒ルーキーは中盤からがっちりとレギュラーを獲得。前に出て奪いに行けるスピード、空中戦もそこそこ強く、また足元もいけてるので当然であろう。時々意味不明にスタメンを外されることもあったが、そこはまあエスナイデルCBガチャだと思って我慢して欲しい。近藤に若干のスピードの衰えが見られる中、序盤で諦めてまた終盤になってやり始めたハイラインの「裏を突かれたら全速力で戻る」という役割を完遂してくれた。まあ完遂したところで点は取られるんだけど。ともかく、さすがに来年移籍ということはないと思うのだが、まあ甲府の伊東純也みたいな例もあるし、確約はできません。J1のどっかからオファーあったら行った方がいいと思うしね。でもまあ久々にちゃんと即戦力として定着しそうなルーキーである。まあまあイケメンなので、残ったらギャルの方々は歓喜してください。

ギリギリ手に入るかもしれないレベルのイケメン

岡野洵

あまりにも出番が少なすぎるので「そろそろレンタルじゃねえ?」とか言ってたらほんとにレンタルで大分に言った生え抜きくん。スピードはあるのだが当たりがイマイチ弱いのと、ハイラインという高度な守備をするには致命的に判断が悪いという弱点があったのでやむを得ないか。ただ、大分でもそんなに出場はしてない模様。エスナイデル監督も関塚監督も教えてくれなかった守備のイロハを片野坂監督に教わって帰ってきてください。鳥海と岡野が真ん中で組んだら、かっこいいよね。(失点が減るとは言ってない)

エベルト

強い、高い、だが遅いというその明治時代の大砲みたいな特性が変わるわけもなく、後半戦は主にベンチを温めていた……はずなのだが、36節からなぜか3試合連続スタメンしてまたサブに戻った。なんなんだ。1シーズン通してみてともかくわかったのは、ヨーロッパクラスのデカブツFW相手には屈指の対空能力を存分に発揮できるということだった。そしてもう1つわかったことはエベルトが対空ハンマーで潰す必要があるほどデカいFWはJ2にはいないということだ。逆にJ2にわんさかいるチョコマカ動き回ってやべー勢いですげー盛り上がる系FWは世界で一番苦手なのである。というわけで、完全なミスマッチであった。せめてハイラインではなく、引きこもり系守備だったら活躍できたと思う。あと、エベルトにサイドバックやらせたのはなんの理由があったのかさっぱりわからないので、ほんとエスナイデル反省しろ。それとセットプレーではほぼ無敵の強さを誇っていたので、エベルト1トップという奇策も3試合くらいなら通用したのかもしれないと思ったが、さすがにそれをやらなかったのは訴訟とかを気にしてのことだろうか。いるべきところに戻ってほしい。アディオス。

SB

茶島雄介

エスナイデルの寵愛を受け続けたシーズンだった。トップ下、シャドー、インサイドハーフ、2ボランチの一角、右サイドバック、資源エネルギー庁電力ガス事業部原子力政策課長、コンシューマ事業統括プロダクト&マーケティング統括コミュニケーション本部デジタルメディア統括部統括部長、ただの友達なのに一緒に行ったライブでモッシュから女の子を体を張って守るナイト気取りの男など、様々にポジションと役割を変えながら、最終的には右の攻撃的MFとなった。後半戦はスタメンはぐっと減ったが、それでもたいていの試合では途中出場をしており、エスナイデルの愛の深さを感じるし、ここまでされたら茶島は体はダメでもキスくらいはさせてあげてもよいのではないだろうか。1年間見てきて、器用で融通が利きそうなのだけれど実はそんなに融通が利かなくて、中央に入るとあまり機能せず、結局サイドからのアタックでしか存在感を発揮できないということがわかった。またそのパターンもかなり脳筋よりでとにかく抜いてクロスか中にカットインしてシュートの二択くらいしかなく、読まれやすい。これが広島で使われなかった原因なのかなーと。それでもJ2では十分なアタッカーでした(守備は必死で見ないようにしながら)。ACLもあるし、まあ来年は広島に戻るでしょう。元気で。

山本真希

右SB、ボランチ、シャドーと前半は便利使いをされていた時を駆ける眉毛は、後半はほとんど出場機会なし。8月半ば以降はずーっとベンチ外なんだけど、これって怪我??調べたのだけれどよくわからなかった。まあ怪我だとしたらどうしようもないのだけれど、ということで、あんまり言うことがありません。一度眉毛を剃って別人に生まれ変わってほしい。17歳でデビューした山本真希も31歳か。なんかもっと36歳くらいの印象がある。そろそろ怪我がかさむ年になってきたので、来年以降は厳しいかもなあ。

ゲリア

いつの間にか右サイドのレギュラーとなっていた。ほぼベンチ外という生活が続いていたのだが、エスナイデル名物右SBミッドナイトシャッフルによって唐突に36節から先発。そこからはしばらくレギュラーを張った。何か劇的に改善したのかと思ったのだが、40節の試合を生で見たところとくにいいところがわからず、遠目で見てもでかくてすぐわかる、くらいしかストロングポイントが見当たらなかった。スピードがあるという触れ込みで最高速自体は速いのかもしれないがサイズがあるために加速が悪いのでもっさりした印象だし、オーバーラップしても特に何かをするわけでもなかった。時折SBからインサイドMFの位置に移動する偽SB的な動きからインナーラップで外に張った茶島の内側をオーバーラップしていたが、使われることはなかったし、絶対これ監督の指示でもなんでもなくてたまたま内に絞ったところから適当に上がってるだろ感がすごかった。身長の割にはクロス対処に優れているわけでもないし、来年はいなさそうだなあ。さらば。

溝渕雄志

山本真希が消えたたため、途中までは茶島と併用して右SBでコンスタントに使われていた。ただ、やはり無限上下運動の男であり、とにかく運動量はすごいのだがそれが結果に繋がる感は全然ないし、ビルドアップが整備されてないのでプレスされると前に蹴っ飛ばすマンになってしまっていた。愚直に上下動するSBというのは非常に好みなのだが、それも使う側が整備されてこそ。今のままでは流れるプールで全力で逆向きにクロールしてるようなもので、彼が報われることは少ない。あー、なんか来年の体制によっては出ていきそう。それで北爪みたいに活躍したりするんだろうなー。

下平匠

横浜FMからレンタルできたベテラン。絶妙な球出しでビルドアップに貢献し、タイミングのよいオーバーラップからのクロスと攻撃に幅を持たせた。しかし、「守備を固くしたい」という獲得の目的が達成されることはなかった。しかし、下平自身がスピード不足で決して守備がうまいとは言えない選手であり、そもそもハイラインで両SBをむちゃくちゃオーバーラップさせるので全盛期のミズーリ州並の広大なスペースがSB裏に広がっており、全盛期のイロコイ族でもなければ物理的に埋めることは不可能。当然、失点は減らず、結局、乾が出てる時と失点に関しては大差なかった。レンタルのため、来期は横浜FMに戻ることが濃厚。ただ、日本代表にも選出された山中が君臨しており控えになるので、場合によってはこのまま移籍になるかもしれない。千葉に来てくれるならありがたいのだが、乾も杉山もいてこのポジションは飽和しているんだよなあ。浦田も放出してたし、飽和しているところにさらにSBを獲ってくるこの感じは全盛期のスパーズ感ある。かなりの犬好きでチョコビという名のチワワを飼っているという豆知識を得たので今度合コンで披露します。

乾貴哉

大怪我をして戻ってきてしばらくレギュラーとして君臨したが、調子の上がらないチーム事情の中で、下平獲得以降は完全にサブに降格した。確かに対人戦では弱みを見せていたし、全盛期のカンザス州ばりの広大なスペースを埋められなかったのは確かだが、先ほども申しあげたとおりチームのやり方がそもそも間違っているので一人に責任を負わせるのもどうかと思う。ただ、稀代の間違い認めたら死ぬマンのエスナイデルなので、その場合は選手を変えるしかチームのモラルが保てないのである。攻撃面ではビルドアップでボールを失わないし、推進力のあるドリブルで運べていたし、PA内にもたびたびぬるぬる侵入していたのでよかったと思う。ただ、右SB溝渕のクロスに左SB乾がヘッドで合わせるみたいなカミカゼアタックはやめていただきたい。今季は大怪我からの復帰でたいして目立った活躍もしてないので、来季に移籍ということはないかと思う。そう思うと、成績はよくなかったけど毎年米倉だの井出だの長澤だのがJ1にいってしまった頃はまだよかったのだなあ、と。移籍する奴すらほとんど見当たらなくなってしまった。来季は1年通してがんばってください。最終的には3バックの左で技巧派CBあたりが完成形なのだろうか。

杉山弾斗

序盤に数試合出て完全に消えた。怪我、ではないと思うので、普通に見切られた感。まあでも高卒ルーキーだし、足りないところも多々あったので仕方ない。ただ、出場した時のあの圧倒的なキレとキックは余人をもって代えがたいものがあったので、だんだん成長していただければ。

40節にもなってまだハイラインの夢を追い続ける千葉軍

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