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【グループH】選手名鑑だけで語る2018ロシアW杯プレビュー

最後です!!お付き合いいただきありがとう!楽しもうワールドカップ!!

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ポーランド

W杯出場チームの中で最高に難易度の高い名前が揃うチームである。バルトシュ・ビャウコフスキ、ヤクブ・ブワシュチコフスキ、アルトゥール・イェンドジェイチク、プルゼミスワフ・フランコフスキ、グジェゴシュ・クリホビアク、ウカシュ・テオドルチュク、ロベルト・レヴァンドフスキとか並のアナウンサーなら前半15分で舌を噛み切って退場である。赤イェンドジェイチク黄ブワシュチコフスキ青テオドルチュク、隣の客はよく柿食うグジェゴシュ・クリホビアクとか早口言葉を達成できる気が全然しない。一番簡単だったモナコ所属のカミル・グリクは練習中にオーバーヘッドを試みて肩を負傷してメンバーから離脱と一縷の望みさえも絶たれてしまったので、もはやポーランド戦は発音ビートマニアと化してしまった。難易度SのポーランドVSセネガルの実況は外国人の名前に強い倉敷保雄さんに是非お願いしたい。なお、名前だけでなくチームも強い。GKは磐田で猛威を振るってるカミンスキが代表候補にすらならないレベルだし、DFも堅牢。謎のTwitter写真職人クリホヴィアクが司る中盤はソリッドで両サイドのブワシュチコフスキとグロシツキはエネルギッシュ。そしてとどめは現在世界最高のFWの1人であろうレヴァンドフスキ。パートナーもミリクとジエリンスキでハイレベルで隙がない。レヴァンドフスキを長谷部が止められるという根も葉もない噂があるが、単体で止めるためにはちょっとしたブルドーザーくらい用意しないと日本のDFでは無理である。ユーロでは惜しいところでベスト8で散ったので、今大会はさらに上を目指していきたいものである。もし結果を残した際には感極まったレヴァンドフスキが「ありがとう、イエン……イエン……チク、ありがとうブチコワシスキ、ありがとう百鬼夜行スキ」と挨拶をして実は名前を曖昧にしか把握してなかったことを全世界に向けて発信して欲しい。

コミュニケーションよさそう グジェゴシュ・クリホビアク
今季はPSGからWBAにレンタルされ、見事にチャンピオンシップに降格した。ただ、別にそれはクリホビアクだけのせいというわけでもなく、残留に向けてがんばろうねキャンプでスペインに行ったはいいが、中心選手のリバモア、エバンス、バリーなどが夜中にマクドナルドに突撃した挙句にタクシーを勝手に運転して帰るというアホな行為をしているチームだったので、降格して当然であった。クリホビアク自身は堅実にボールを回せる技巧派のセントラルミッドフィルダーだが、その真価はそこにはなくTwitterでのナイスな自分の写真であろう。彼のTwitterを覗いてもらえればわかるのだが、基本的にサッカーに関係ない写真ばかりでしょっちゅう旅行に行ってたりして、もはやこれはサッカー選手ではなく旅行者なのではないかというほのかな疑惑が湧き上がってくる。さらに、クリホビアクの写真のいいところは絶妙に笑顔がムカつくという点であり、W杯でも勝利の暁には毎試合煽り度の高いスマイルを披露してH組の敵チームをどんどんムカつかせていって欲しいものである。ただ、このスマイルでチームメイトもムカついてる可能性もあるので、あまりやりすぎるとレヴァンドフスキに「W杯ナメてんのか」とワルシャワ鉄拳制裁を食らってしまうので、そうならないギリギリの線を狙っていって欲しい。

ナイス・スマイル

コロンビア

前回W杯でベスト8で散ったコロンビアはそれ以上を目指したいが、なかなか厳しいかもしれない。全体的に主力がそのまま4年前から高齢化した印象。DFはそれでもまだまし。SBアリアスは順調に成長し、CBには名前を聞くとめっちゃハーレーに乗りたくなるダビンソン・サンチェスが台頭。ネイマールに戦慄の膝小僧で一世を風靡したスニガも選ばれておらず、今回は対戦相手の背骨を気にしなくてもよい。ただ、中盤中央は相変わらずアギラールとサンチェスの固いコンビだし、ハメスもレアル・マドリードで出場機会に恵まれず、バイエルンに行ってようやく復活した感じがするが、4年前から成長した感じもあまりしない。同時に離婚で家庭からも解き放たれて、最近ではなんか哀愁を感じてしまうほどだ。クアドラードはクアドラード以外の何者でもなく、明るい材料はファルカオがようやく復活してきたところだろうか。ただ、攻撃はハメス、クアドラード、ファルカオの個に依存する面が非常に多く、彼らを封じられたときにはほとんど手がないというのが現状だろう。まあそれを止められるチームは数少ないのだけれど。本当だったら2014年に控えにボッコボコにされた復讐を日本代表に果たしてもらいたかったのだが、もはや日本代表はそんなことを望める状況でなくなってしまった。ハリルホジッチ監督の下で何を仕掛けてくるのかよくわからなかったチームが監督交代で勝手に眼中から消えてしまったのは、コロンビアとしたら笑いが止まらないだろう。現実的な目標としてはトーナメント進出だろうが、セネガルとどっちが強いかと言われるとちょっとわからない。

コミュニケーションよさそう ハメス・ロドリゲス
前回大会で大活躍して意気揚々とレアル・マドリードに乗り込んできたのだが、ハメを外してハメてしまって結局それがバレて離婚と相成ってしまった。W杯得点王、幸せな家庭、イケメンと天は二物以上を与えるのかと思ったのだが、とりあえいず一物はなくなったことは確かだろう(一物ダブルミーニニング)。美女との濃密なコミュニケーションをした結果として今回の事態が起きたので、前回W杯で「ハメ撮りゲス男」と一部では呼ばれていたのは図らずもある程度の正解だということを証明してしまった。レアル・マドリードであまりうまくいかず、私生活もやらかしてしまったので、ハメス自身は今回のW杯に賭けるものは大きいはず。バイエルンに移籍してようやくトップフォームを取り戻しつつあるのだが、改めて見るとやっぱりこの男は超絶うまい。前回のブラジル戦でフェルナンジーニョがほとんどファウルでしか止められなかったのも頷けるところである。ぜひ今回のW杯でも大活躍をして選手としての価値を取り戻していただき、「ハメス・ロドリゲスここにあり」というところを世界の美女に再確認させて、またどんどんハメを外してハメスハメスしてもらって遺伝子を後世にどんどん残していってもらいたいものだ。

バッタにも好かれるイケメン

セネガル

まさに身体能力爆発という感じのセネガルは相当に強い。前線はCL決勝でも活躍したリヴァプールのマネ987号を軸にしてケイタ253号、ニァン699号、ディウフ822号など普通にやってたら全然止まらない面子であり、サコ552号も含めてほんとにアフリカネームかぶりが激しくてつらい。お前はどこのサコだ。中盤に目を向けると「ハマーズの動く城」として有名なクヤテが君臨していて、そのプレースタイルはかなりの重量感。あと、エバートンのグイェもものすごい運動量とパワーで潰しまくれる選手で怖さしかない。しかし、中盤でもエンディアイェが2人いる上にそれとは別にエンドイェがいたりして、もう本当にいい加減にしてもらいたいものである。そしで最後はDF陣である。ここではやはり「空飛ぶ重機」として名を馳せるクリバリがいる。195㎝、89kgとか無茶苦茶であり、うっかり乾とかが競り合ったら5体がバラバラになって、長谷部はそれを探す旅に出なければならなくなり、行く先々の超人と植田が格闘をしなければならなくなる。個人的にはクリバリとレヴァンドフスキとのマッチアップはサッカーの試合だけでなく無制限1本勝負で東京ドームのメインマッチとして開催していただきたいし、その際には乱入した謎のマスクマンが飛び膝蹴りをかましてレヴァンドフスキに「お前スニガだろ」と正体をばらされて欲しい。

コミュニケーションよさそう サディオ・マネ
リヴァプールのジェットストリームアタックトリオの1人として、フィルミーノ、サラーとともに今年のCLを盛り上げた。サラーがセルヒオ・実はカリウスも殴ってた・ラモスに壊された後はカリウスのアレを帳消しにする得点を取り、ポスト直撃弾も放つなど奮闘。球際に強くてテクニックもあり、いろんな形からシュートに持ってけるので、適当にボールを渡しても頼りになる。特に今回のCL決勝のようなスクランブル状態だと能力を発揮しやすかっただろう。さらに格上のクラブへ移籍するかも、というところでいきなりレアル・マドリードに移籍確実とかいうニュースが回ってきたのだが、ないないないないないないないないそれはない。ただ、とにかく思い切りがすごいそのオフェンス能力は一見の価値があるのでまだ見たことのない人は是非見て欲しい。そして、ファンになった暁にはいろんなマネ、ケイタ、ニァン、サコ、シセ、シソコ、ディウフのカードをきちんと分類するゲームをやって欲しいし、そこに時折混ざるキンペンベとかディオップとかをきちんと弾けるくらいの練度は常に保ってほしい。デュエルしようぜ!!

クリバリのイメージ図

日本

※監督が就任90日以内のチームはプレビューの対象外です

コミュニケーションよさそう 田嶋幸三日本サッカー協会会長
W杯まで2ヶ月余りの2018年4月7日に日本代表の監督ハリルホジッチを「コミュニケーション不足」を理由に解任し、その後に「解任の理由を教えろ」とハリルから訴訟を受けている抜群のコミュニケーション能力を誇る日本サッカー協会会長田嶋幸三さんですが、W杯初戦まで2週間を切った中、いかがお過ごしでしょうか。「コミュニケーション不足」というとってつけたような理由で解任したため、いろいろな陰謀論などが囁かれておりますが、事実としては「前体制で選んだハリルホジッチが成功しすぎるとまずい」「なんか選手から文句が出ているような気がする」「有名選手が外されるかもしれないからスポンサーも怒るかもしれない」「日本人らしいサッカーができるかもしれない」「愛は死なないかもしれない」などの諸々の複合要因を心配し過ぎた結果ではないだろうか。最後の最後にラストオーダーで注文できそうな感じだったので、それまでフレンチを仕込んでたのにいきなりキャンセルして「やっぱ日本式のカレーでしょ!」と注文し直してしまったというのが一番正しい理解かもしれない。たぶん田嶋会長自体も本当の理由を聞かれてもこれというものは答えられないだろう。ほとんどの選手も困惑、メディアも困惑、ファンも困惑、他国も「誰か狂ったのか?」と困惑するなど、見事なコミュニケーションと言える。W杯開幕2ヶ月前でメンバー選考に使える親善試合は1試合、トレーニングに使えるのは直前合宿の3週間という日程での解任はたとえ後任がグァルディオラでも絶対にあってはならないタイミングだし、Jリーグで結果を出したのは10年以上前という西野さんが後任となればなおさらのことである。難しいグループなのでハリルホジッチのままで結果が出たかどうかはわからない。グループを突破できる可能性は20%以下だっただろう。ただ、それが問題なのではない。もうここまで来たらそのままいくしかないというタイミングを遥かに超えたK点での解任は「自殺」として長らく語り継がれることだろう。そして、狂気の沙汰とも言えるこの解任によって失ったものは多い。まずは日本のサッカー界のトップである男子A代表の監督が「コミュニケーション不足」などというおよそ競技とはかけ離れた理由で解任されたことにより、日本は世界に挑戦し続けるという意思を失ってしまったことだ。「デュエル」や「フィジカル」などハリルホジッチが指摘していた日本の弱点からは目を逸らし、「日本は組織的でパスサッカーに向いている」という根拠のない思い込みにすがってただただ逃げのサッカーを展開しようとしている。W杯後には次も日本人監督を据えるという既定路線が敷かれつつあり、そこにあるのは競技の純粋な発展ではなく、現状の追認と甘い夢想だけである。また、この状況が日本代表を特に継続的に見てきたファンに「素直に応援できない」という感情を植え付けてしまった。この全く論理的でない解任を行った状況で結果が出てしまうのはよくないことだとわかるし、かと言って負けろとまでは思わないというのが継続的に代表を見てきた人たちに共通する感情ではないだろうか。この先にあるのは完全な無関心である。いったいこれのどこがコミュニケーションだというのだろうか。さて、ガーナ戦を見た方にはおわかりいただけるだろうが、肝心のサッカーの内容としてはメタメタでW杯本番で結果を残すとは到底思えないのだが、サッカーは世界で最も番狂わせの起こりやすいスポーツのため、もしかしたらうっかり勝ってしまうかもしれない。しかし、そうなった時でも偶然の勝利に左右されることなく、今回の決断は間違っているということを強く言い続ける必要がある。本番の試合が近づくにつれて「試合が始まるのだから余計なこと言わないで応援しろ」という雰囲気が高まっていくだろうが、そういう雰囲気の中でもがんがん水を差すし、サッカー協会としては大会後には「終わったこと」としたいだろうけれども、折に触れて蒸し返していくつもりである。これは別に嫌がらせをしているわけではなくて、コミュニケーションそのものなのだ。数多の甘い囁きや耳心地のよい褒め言葉はただの小鳥のさえずりと変わらない。それよりも「君たちは間違っている」と耳に痛い言葉を聞かせるのが本当の意味でのコミュニケーションと言えるのではないだろうか。わかりますか、田嶋さん?


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