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■ロシアW杯■敗者たちの挽歌 その1

大会終わるまで何も書かないと思っただろ!?しかし、もういなくなった奴らのことは書くぜ!さようなら!さようなら!

エジプト

1戦目にサラーが間に合わず、ウルグアイを最後まで追い詰めるも、終了間際にヒメネスにセットプレーを叩きこまれる失点で惜敗。次の試合からサラーを投入して持ち直そうとしたが、なぜかよくわからないけど、さっぱり理由はわからないけどものすごく長い距離を走れるロシアに粉砕されてジ・エンド。最後はグループ最弱と思われたサウジアラビアにまで負けてしまい、3戦全敗というむなしい結果で大会を去ってしまった。サラーがロシアとサウジアラビア相手に思い出ゴールを決め、ついでにロシアの砂をエジプトに持っていこうとしたのだけれども検疫でひっかかったとかひっかかてないとか。結局、チーム力としてかなり厳しかったし、サラーの一発だけではなかなかW杯では通用しないだろう。ましてや監督が「引きこもり名人」「戦術的ニート」「もぐらのほうがまだ外に出る」のクーペルならなおのこと。サラーは4年後に向けて経験になったと言っているが、次回大会ではピラミッドパスとスフィンクスシュート、それとナイル川VARとかの必殺技を完成させて世界を席巻していただきたいものである。あと、サラーからはレアル・マドリー臭がぷんぷんするのでリヴァプールは今のうちにサラーを脅せるセックス動画とかキープしといたほうがいい。結局、印象に残ったのはあのトレゼゲに顔が似ているからと登録名をトレゼゲにしたエジプトのトレゼゲが実はサイドアタッカーで顔もよくよく見たら大して似ていないということが一番だった。

似てねえよ

サウジアラビア

本当はカウンターでやりたいのにオープニングゲームでボールを持たされてどうしていいのかわからずフラフラしてるところを、なぜかいくら走ってもずっと元気なロシア@ヒロポンに蹂躙されて0-5の歴史的惨敗。2002年にはドイツに8点叩き込まれるし、2006年にはウクライナに4点叩き込まれるし、出るたびにひどい目に遭ってる気がするんだが、大丈夫?おっぱい触る?ただ、それも完全に被害者というわけでもなく、1994年に直前に監督を変えて以来W杯出場前の監督交代は日常茶飯事。「呼吸するように監督交代」「一瞬目を閉じたら監督が代わっていた」「目を開けたら君がいなくなってるのならば僕はこのまま永久に目を閉じていたい」という具合に、今回もファン・マルワイクからピッツィにチェンジ。ただ数ヶ月で何かができるわけでもなく普通に負けとなりました。内容的にも世界から取り残されてる感がビンビンだったのだが、育成とかが機能している感じが微塵もしない。でも、まあアジアだとそこそこやれてしまうんだろうなあ、というのが悲しいところである。今後も石油オフェンスでがんばっていただきたい。

石油オフェンスイメージ図

イラン

魂のイランは最後まで戦い続けた。初戦のモロッコ戦ではバチバチの殴り合いの末に終了間際のゴールで勝ち越し、98年フランス大会以来の貴重な勝利をあげた。2試合目もスペイン相手にあらゆる手段で転がりまくって時間を浪費。2014年大会で最大回転数を誇った必殺のグーチャンネチジャドロールはグーチャンネジャドが出場しなかったために封印されたが、ジエゴ・コスタに軽く触ったらGKベイランバンドがもんどりうって倒れるなどグーチャンネジャドの精神は確実に若い世代に継承されていることを感じた。なお、このイランムーブは1980年代の吉本新喜劇に影響を受けたという学説を発表したアンドレ・エリオ・田中教授は学会を追放されました。アンサリファルドやジャハンバクシュ、アズムンなどのアタッカーは十分に通用することを見せたし、ポルトガル相手には終了間際にオフサイドになったあわやのゴールまで生み出してぎりぎりまで追い詰めることに成功、グループリーグ敗退となったがアジア最強クラスであることをまざまざと世界に見せつけたのではないか。というかやはり体が強いということは相当にアドバンテージで、1対1のフィジカルコンタクトで負けないというだけでいろいろな選択肢が出てくるのは、このスポーツが体のぶつかり合いを前提としたものだということを思い出せてくれる。次回大会に向けてはさらに体を鍛えると同時に、「風が吹いたら卒倒」「ジエゴ・コスタの顔を見ただけで気絶」「フェライニが私に憑りついてる気がする」などのイラン転倒ムーブでがんがん時間を消費していき、アクチュアルタイム17分という驚異の偉業を達成していただきたい。

イランVSスペイン67分のシーン

モロッコ

初戦のイランとの死闘はすごかった。イランにぎりぎりで勝ち越されたものの、その後もポルトガルに惜敗、スペインは本当にぎりぎりのところまで追い詰めた。まあ、今ではその3チーム、全員死んでいるんですけどね……(稲川淳二怪談風)。特に詳しく見たわけではないので、ユニフォームがやたら派手だった、以外の感想があまりありません!緑!あと、おもしろかったのが、初戦にノルディン・アムラバトが怪我で下がって、その代わりに弟のソフィアン・アムラバトが出場したんだけど、なぜかアナウンサーが「兄弟でバトンが受け継がれました!」みたいな感動的シーンにしようとしてて「え?そうなの?ここ感動するところなの?」ってなんか騙されそうになって「いやいやいやいやふつうふつう」って俺が持ち直したところ。あのアナウンサー、放っておいたら「アムラバト兄弟、幼いころの確執とその和解」とか「アムラバト家に伝わる伝説のサッカー練習方法」とか「アムラバト一家で代々受け継がれる秘伝の餃子づくり」とか箱根駅伝実況風のエピソードをぶっこんできそうな勢いだった。気を付けよう。

モロッコサッカー界のプチエピソードにも詳しい増田明美さん

スペイン

W杯開催2日前でのロペテギ監督解任という問答無用の大技で大会最初の笑をぼくたちに提供してくれたスペインは、そんなんでうまくいくはずもなくあっさりとベスト16で姿を消した。なんとなくイエロが監督を継いでいたが、安定感とはかけ離れた試合運営。ポルトガル戦では逆転しながらもロナウドにハットトリックで追いつかれ、イランには最後の最後まで粘られ、モロッコ戦ではひやひやもので追いついた。ほうほうの体で進出した決勝トーナメントの一回戦でもなぜか120分走りまくっても疲れないロシア(いったいなぜだか全然わからないよお……)を相手にたじたじとなり、航路をなくした船のように延々とパスを回し続けたが決定機はほとんど作れず。もし試合が90分で終わらなかったら半世紀くらいボール回していたに違いない。今回の敗戦でスペインが学んだ教訓としては「監督を2日前に交代させない」という「冬に全裸で外を走ると寒い」とか「銃で撃たれると痛い」とか「女子高生は恋に恋する」などのごく当たり前の事実であるのだが、ぜひともこの教訓を今後に生かしてもらいたいものである。ただ、今回ロペテギを残したとしてもレアル・マドリー監督就任という事実は厳然としてあるので、その状態でチームをコントロールできたかというと非常に微妙なところであるし、正直なところスペインサッカー協会に取れる選択肢はなく、いわゆる完全な詰みの状態だったのではないだろうか。返す返すもわけがわからないのはサッカー協会に発表するなと頼まれたにもかかわらずそれを跳ね除けたレアル・マドリーのペレス会長であり、スペイン国民はパエリアにして食べてしまうのがよいと思う。まあ今回は負けたけれども、選手は優秀だし、監督さえそこそこいいのがいればまたすぐに優勝候補ではないだろうか。

まだノリノリだったころのロペテギ大先生

ポルトガル

1試合目のハットトリックで今大会はユーロに続いてロナウドの大会になるかと思われたが、ベスト16であっさりと散ってしまった。ロナウドの最初の試合のFKはすさまじかったが、1試合目にテンションのピークがきてしまった印象。チームの高齢化からか伝説の塩漬け職人フェルナンド・サントス監督は運動量豊富で普通にめっちゃ強かったウルグアイを塩漬けにすることができず、やられてしまった。今大会、一番印象に残ったのはロナウドの乳首自重である。ハットトリックをした試合でもその後に点を決めた試合でも一度も見せてこない。今まで散々見せつけられてうんざりしていた我々だが、こうなると欲しくなってくるのだから不思議なものである。エロスは隠してなんぼ。ロナウドも考えたものだ。しかし、巧妙に隠ぺいしてきた乳首もベスト16敗退で日の目を見ることができず。おそらくロナウド最後のW杯なので、ラスト乳首すら見せることができなかったのは痛恨だろう。純サッカー的にも、ポルトガルは長年不在だったストライカーの座が再び空席になる。元々ロナウドがサイドアタッカーでスタイルを変えてCFになったように、意図して育てられた感じが全然しないので、十年単位での突然変異を待つことくらいしかできないだろうか。だが、待ってほしい。ロナウドがいなくなっても、乳首だけは継承できる。ベルナルド・シルバとかラファエル・ゲレイロとか適当に誰でもいいので半裸になっていただき、ロナウドが切り開いたリスボン乳首道を守っていってもらいたいものである。そしてこの項で一番頻出単語となった乳首ですが、この文章は一応サッカーに関するものです。

ちなみにこちらは遠藤保仁選手の鍛え抜かれた乳首です


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