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■ロシアW杯■敗者たちの挽歌 その4

グループリーグ&ベスト16敗退はこれで終わり!

チュニジア

開幕戦だけ見た!イングランドとの初戦で先制されるもウォーカーから超微妙なPKをゲットしてそれを決めて同点。そのまま時間が経過して「やっぱりイングランド、100人乗っても大丈夫」「笑った顔がイングランドに似てる」「イングランドそれは君が見た光」とイングランドに対する失望感が漂う中、ロスタイムにCKからケインに押し込まれて失点。イングランドを20年間馬鹿にし続ける千載一遇のチャンスを逃してしまった。その次の試合は順当にベルギーにグーで殴られて5失点で大会終了。最後に思い出パナマしてロシアの地を後にした。初戦しか見てないのだが、なぜかチュニジアは繋ぎ倒そうとするチームで、イングランドのハイプレスを前にしてPA内から「あっあぶなっ……いや、あぶないって!うわあ!あっあぶないって言ってるだろ!」とおばあちゃんだったら1人や2人召されてしまうくらいのスリリングなボール回しを展開。まあ前線に蹴ってもマグワイアとウォーカーの胸板に弾き返されてしまうから仕方がなかったのかもしれないが、かと言って繋いでファーストプレスを外したからといってそこから展開があるわけでもなく、収支が全然合ってないティキタカに草不可避www

李国秀「草……?」

パナマ

なんと!実は!ほとんど!パナマを!見てないのです!ものすごい胸板と!ものすごいドレッドだと評判の!ロマン・トーレスも!パナマ史上W杯初得点を決めた!フェリペ・バロイも!パナマ運河に!思いを!馳せながら!なんと!実は!ほとんど!見てないのです!その間にわたしは!ラーメンを!食べておりました!このクソ暑いのに!味噌ラーメンを!食べておりました!ごちそうさまでした!ごちそうさまでした!

味噌ラーメン(醤油)

日本

W杯2ヶ月前に監督を解任して「ふぅ~ハラキリィ~!ゲイシャ!」と世界中から注目を浴びた日本であったが、大方の予想を裏切ってベスト16への進出と相成った。ザックジャパンの長い長いブラジルW杯がようやく終わったという感が非常に強い。ここまでやるとは正直俺も全然思っていなかったので、選手とスタッフの頑張りには素直に驚いたし拍手。ただ、手放しで喜べる結果ではない。セネガルとの引き分けは非常に頑張ってよい試合だったし、ベルギー相手にも現時点で出せるものは出した。しかし、よくよく考えたら初戦のコロンビア戦で開始3分で相手が退場したという「人生初麻雀で天和」「巌流島行ったら小次郎が心臓麻痺」「竜王戦1手目で羽生さんが投了」クラスの豪運がグループ突破にかなりの影響を与えたことは確かであり、グループ突破を賭けた最終戦でも最後はコロンビアに祈りを捧げることしかできなかった。福本伸行先生だったら「この千載一遇のツモはまさにアカギという巨星が持つ引力……!」とか言って10話くらいそのことばっかり言い続けるくらいの天運があった。2ヶ月という準備期間では選手選考も場当たり的になるしかないので、組合せで偶発的に発生したファーストセット以外を用意することができない。ぶっつけ本番の選手間調整がメインではここらへんが限界だっただろう。もちろん2ヶ月以上の準備期間があったらこれ以上行けただとか前監督ハリルホジッチのままだったら勝てたとかは、すでにifの領域なので言うつもりはない。ただただ2ヶ月前の監督交代という事実がクソで、結果がどうなろうとも原因がよくわからず、うまくいっても再現不可能なシチュエーションにしてしまったこと自体が問題であり、戦争前に自ら補給車を爆破するような事態を招いた日本サッカー協会は何やってんの、と。さらに、問題はこの大会だけにとどまらない。2ヶ月前の監督交代でそこそこなんとかなってしまったため、この決断がクセになる可能性がある。「小腹が空いたので日本代表監督クビにしよ」「阪神が勝てないから日本代表監督クビにしよ」「彼氏にフラれたから日本代表監督クビにしよ」「絶対綺麗になってやるんだから」と食後のおやつ感覚で監督を解任する誘惑に今後のサッカー協会が負けないとは決して言えず、将来的に「監督リスカ常習者」と化したサウジアラビア状態になることも考えられる。その禁断の選択肢を与えてしまったのもやはり田嶋サッカー協会会長である。また、ほとんどの選手が前大会から据え置きで若手に大会を経験させることもできなかったので、次回大会はかなりきつい。これも田(以下略)。あと、うちのエアコンがこのクソ暑い夏なのに壊れたのも田(以下略)。まあ、サッカー協会内の派閥争いというクソしょうもないことで競技に影響を与えたりしないのが会長の最低限の仕事でしょう、ということですよ。さて、そうはいってもですね、W杯を会長という責任ある立場で乗り切ったので我々としては是非慰労をしたいわけです。ね、ほんと、すごく慰労したいんですよ。せっかくなので日本代表がいなくなった後もロシアW杯を十分に堪能していただき、そのまま大会後も滞在しましょう。そして、西はモスクワ、東はシベリアまでロシア国内を徒歩で十分に視察して、何年かかってもいいのでW杯がロシアに与えた影響を分析してレポートを作成してくださいよ。そんな時間がないって?いやいやいやいや、功労者に仕事をさせるなんてとんでもない、こっちはこっちで適当にやりますんで、大丈夫ですよ!それでは、ロシア横断ウルトラクイズいってらっしゃい!!ニューヨークに行きたいかー!!(航空券はありません)

「新監督はクリンスマンにしよっかなー?オールジャパンもいいなー?」

セネガル

謎のシセ監督ブームを生み出したセネガルはグループリーグでとんでもないルールで散っていってしまった。アフリカ最強の呼び声の高く、初戦でポーランドを一蹴。ただ、2戦目では日本代表相手に二度のリードを奪うも大苦戦し、結局2-2のスコアレスドロー。最終戦では日本がリードされた報を聞いて「おーい、コロンビアー!談合しようよぜー!」と若干その気配を見せるものの、日本が1点返した瞬間に死亡するコロンビアがそんな誘いに乗ってくるはずもなく普通に点を入れられてしまう。そのままだとフェアプレーポイントなる奇怪な制度で敗退に追い込まれることに気付いたセネガルはめっちゃ攻めまくるが、時すでに遅し。W杯史上初のフェアプレーポイント制度適用での敗退となった。さて、その一番惜しいグループリーグ敗退者となったセネガルだが、前線のマネとニアング、さらにはサイドハーフのサールなどはわかってても止められないスピードを持っていて強烈だった。ただ、「アフリカの割には組織が整備されている」という「細身に見えるけど実はすごいらしいよ」「メガネ取ったらめっちゃ美人らしいって」「叔母さん、フランス人の知り合いおるって」みたいなよくわからない噂があったが、そこはそうでもなくて、割と緩めだった。守備組織がイマイチなのでCBの重戦車クリバリ&サネは能力値30%減みたいな感じだったし、クヤテもゲイェも新品の靴下はいた時のようにピッチ上でしっくりいってなさそうだった。ただ、今大会でシセ監督というコンテンツを売りに出せたのは大きい。吹奏楽部のシセ先生というキラーコンテンツもできたことだし、セネガルサッカー協会はフリー素材としてシセ監督を売り出していき「時を駆けるシセ」「前前前シセ」「シセ・ゴジラ」「きみシセたもうことなかれ」など幅広く展開していって欲しいものである。

「もしかして……わたしたち……」

ポーランド

ソッコーで大会が終わった思い出作りの名人ポーランド。「レヴァンドフスキがすごい」「レヴァンドフスキを一瞬フリーにしたら城を落とされた」「レヴァンドフスキから目を離したら相手QBに危険タックルしてた」など世界有数のFWレヴァンドフスキを警戒する声が大きかったが、蓋を開けてみたら「そもそもレヴァンドフスキにボールが来ない」という一休さん的な状態になってしまっていた。当のレヴァ休さんも「まずは屏風から虎を出してください」とチームメイトに言うしかなく、クリホヴィアクあたりが必死になってゲームメイクしても、いかんせん攻撃はサイドでどん詰まり。結局レヴァンドフスキがワルシャワらないまま2戦目ですでに敗退決定。最後の日本戦は「ピクニックたのしいねー!」くらいのゆるゆるテンションで来たが、うっかり点を取ってしまって、勝利。何もいい思い出のなかった修学旅行の最後に金閣寺を爆破したような感じで、あやうく日本も巻き添えを食らいそうだった。ポーランドの大会前の世界ランクは10位だったが、なんというか、現在のFIFA世界ランクのいびつさを感じさせるような実力だった。決して弱くはないしツボにはまれば超強いのだけれど、間違っても10位ではなさそう。トップ10は「ハマれば強い」というレベルではなく「無理矢理ハメる」「俺はハメス・ロドリゲスになる」というくらい強気であって欲しかった。ただ、チーム自体はリアクションに長けていたので、返す返すも2戦連続先制点を取られてしまったことが結果に響いたかな、と。次回大会ではなんとか政治力を駆使して「先制点を決めた方が先制点を取られたことになる」というルールをFIFAに認めさせて欲しいものである。全然関係ないけど、クリホヴィアクのTwitterはサッカー選手とは思えないほどの旅行感にあふれていて、ほのかに苛々するので、とてもおすすめです。

「ポーランドに対する矛盾により、美の象徴である金閣を放火した」

コロンビア

うおーーーーーサンチェスーーーーーー!!!日本相手に「出会って3分でハンド退場」といういささかAVっぽいオープニング・サンチェスだったが、その後は持ち直した。試合を見る限り、グループでは最強だった。エースのハメス・ロドリゲスは怪我で本調子ではなかったが、キンテロやバリオスが中盤をしっかりと作り、クアドラードは自由に相手を愚弄し続けた。また守備も固く、初戦でやらかした世界ナンバーワンハーレーに乗りたくなる名前のサッカー選手であるダビンソン・サンチェスはその後はきっちり守り、相棒のミナはセットプレーから驚異の得点力を発揮して3得点。ファルカオがいまいちキレがなかったのは痛かったが、余裕綽々でいたイングランドをPK地獄まで引きずり込みこんだ。ただ、ハメス・ロドリゲスがハメハメでドリドリだったので、エースが不在ではここらへんが限界だっただろうか。さて、W杯が終わり、心配なのはカルロス・サンチェスである。初戦でハンド退場、イングランド戦でもPK献上と今大会コロンビアの災厄を一手に受け止めた感がある。初戦のハンドはダビンソン・サンチェスのミスをカバーした側面が強く、イングランド戦のPKもほんとにPKだったのか微妙なところであるが、結果としては敗退の遠因となってしまった感がある。サンチェスは若干スローだが非常にいい選手で、3戦目はあらゆるこぼれ球を拾いまくり、ミスのない繋ぎでセネガル粉砕に貢献したのだが、そんなことはコロンビア国民は知ったことではない。本国では「サンチェス村を焼け」「サンチェスにあらずんばカルロスにあらず」「WengerOut」と散々な評判になっているという噂で、ここは身を隠した方がいいと思う。実は監督が南米人のうってつけのチームがありまして、日本にジェフユナイテッド千葉というチームがですね……ハイラインで……キーパーがノイアーみたいで……(前回のフアン・戦慄の膝小僧・スニガにも誘いをかけましたが来ませんでした)

ミスを犯したカルロス・サンチェス選手


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