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■ロシアW杯■敗者たちの挽歌 その6

もはや敗者じゃない気もするが、とにかく勇敢に闘った!さらば!

ベルギー

優勝候補に挙げられることも多かった世界ランク3位は準決勝で壮絶に散っていった。グループリーグは楽勝モード。パナマ、チュニジアを一蹴して最後のイングランド戦はターンオーバー。そして臨んだ決勝トーナメント1回戦では日本相手に大苦戦で2点を先制されて土俵際で追い詰められ、その後にフェライニ砲で殴りつけて最後は必殺デ・ブライネカウンターでなんとか終了間際で逆転。逆にこれで目が覚めたのか、次のブラジル相手にはデ・ブライネ0トップの奇策を打ってくる。マルティネス監督はここから様々に形を変化させて先手を取り続け、結局2-1で勝利。地力ではたぶんブラジルの方が上だったと思うので、戦略の差だった。これは決勝もあるのでは?と思われた準決勝だったが、ここではデンベレのボランチ起用が不発。最初の15分だけは驚かせたが徐々に対応され、そこからはデンベレとフェライニのところで組立がノッキングを起こしてしまい、結局デ・ブライネをボランチに下げるまで改善せず。その間にサミュエル・ナイスハンド・ウムティティにセットプレーから決められて、後はボールを渡されて攻めるも引いたフランスを崩し切るところまではいかず。最後にはバチュアイ・パルプンテを唱えるも不発ってかノータッチ、ムバッペa.k.aエンバッペに散々時間稼ぎで愚弄されて終了した。試合後に今大会No.1キーパー候補のクルトワが「アンチフットボールだった」とコメントして、チェルシーで散々アンチフットボールやってきたお前に言われたかねーよ!と世界中から突っ込みを受けたのはご愛嬌である。ただ、ベスト4は非常によい成績だったのではないだろうか。事前の親善試合まではひたすらデ・ブライネボランチ&3バックにこだわって、これではいいところベスト8だろうと思われたが、ベスト8で急に変身。「戦術ねーなちくしょー」とかデ・ブライネに激詰めされてたマルティネス監督の隠しっぷりと直前にそれを告げられて実行できた選手の能力の高さがマッチした、ベスト4にふさわしい好チームだった。特に「代表では全能力30%減」みたいな感じで、あれは「デ・ブルーネでは?」「もしかしてデ・ブルイネン?」「ひょっとしたらブライアン・デ・パルマ?」というパチもの説まで出始めていたデ・ブライネがアザールとともに躍動したのは大きく、とにかく能力値の高い選手を同時に出せばよいというものではないということがわかった。さて、W杯後もマルティネス監督が続けるのだろうが、タレントもまだまだ若い選手が多く、このままの勢いでユーロになだれ込めそうである。普通に優勝候補だと思うが、どことは言わないが優勝候補と思われるチームが軒並み苦戦したのがこのW杯である、どことは言わないが。その理由の1つに故障がらみでコンディションが上がらなかったからというのもあり、ビッグな大会前にはやはり主力の故障は避けていきたいところである。なので、ベルギーにおかれましては「ハムストリングを100円ショップで買ってる」「筋繊維が裂けるチーズレベル」「とにかくあちこち痛い」と故障製造マシーンだったヴァンサン・コンパニ主将にはシティで2年間養生をしていただき、代表では「患部にチーズを塗る」というドイツ伝統の民間療法に詳しい男性をフィジコとして雇い、ユーロには健康体で臨んでもらいたいものである。

ドイツ民間療法に詳しい男性

イングランド

イッツ・カミング・ホーム!!(親指を立てて溶鉱炉に沈みながら) 今大会屈指の塩試合メーカーとして名を馳せたイングランドだったが、ベスト4でクロアチアに「お前のホームは地獄だばーか」と鉄槌を下され、決勝進出のまたとないチャンスを逃してしまった。「とにかく眠い」「睡眠薬より効く」「ゴダールの映画より睡眠導入に効果的」「パブで見始めて気付いたら全裸で裏路地に放り出されていた」と評判のイングランド代表だったが、その理由は攻撃。総得点の8割程度がセットプレーによるもので、流れの中からの得点は非常に少ない。しかも攻撃はヘンダーソンを抑えられると、①スターリングを走らせる→②スターリングが触られただけで倒れてファウルをゲット→③セットプレーでマグワイアの胸板に合わせる→④ケインはこぼれ球を狙う→⑤ニューヨークヤンキースの二塁手顔のリンガードは肩幅が広い→①に戻る、という無間連鎖が始まる。面子を考えると確かに効率的だし、別に他の攻撃を全然していないわけでもないのだが、記憶としてはセットプレーとスターリングがチャンスを外したところしか残っていない。そのあまりの記憶抜けっぷりに、わたしは記憶を盗み取られている可能性もあるのでは……?大宇宙のアンガルモコス将軍がわたしを常に関しているのでは……?と疑心暗鬼になってしまった。なお、代表及びシティでスターリングが膨大な数のチャンスを無駄にしていることがエコでないというという理由で、現在環境保護団体と係争中です。でも、まあもちろんこれで勝ち進んでいたのだから文句を言われる筋合いもない。守備はストーンズを中心に両側に胸板・ウォーカーと胸板・マグワイアを揃え、ピックフォードはイングランドGKにありがちなやらかし癖もなく、非常に固かった。でも、最後のマンジュキッチへのストーンズの不注意はこの上もなくストーンズで最高だった。お前やっぱりそういう奴だよな。また、面子的にも中盤のプレーメーカーがいないので、チーム戦略としては正しかったし、ここらへんが限界だっただろう。このチームにはジェラードもランパードもベッカムもルーニーもいなかったので変な夢を見る必要がなく、ただただ現実だけを見ればよかったのも幸いした。ただし、構築できたのはファーストプランのみで、それが崩れた後には「スペースないのにヴァーディーを入れるか、それともウェルベックでパルプンテを起こすか」という二択しかなかったのは、準備期間が長かった割には多少お粗末だったかな、と。さて、この後サウスゲイト監督は続けるのかな?アシュリー・ヤング以外は面子が若いのでユーロまでには大幅なてこ入れは考えづらく、せいぜい入れ替わるとしても数人であり、おそらく次回ユーロ&W杯でこの世代の勝負を賭けるものと思われる。ただ、優勝までにはまだまだ足りないものがある。前述した攻撃のところでは劇的な改善が望めるとは思えないのでせいぜいロフタス・チークとか若い世代に期待するくらい。そうなるとやはりセットプレーをさらに磨くのがよいのではないだろうか。今大会のセットプレーはバスケのスクリーンを参考にしたらしいので、今後は他の競技も参考にしてはどうだろうか。たとえばバレーボールの時間差攻撃、そしてスケボーのなんか捻って飛ぶやつ、あとはカーリングの「いいと思うよー!」の掛け声、野球の宣言敬遠などである。そして、忘れてはいけないのはアメフト。相手のキーマンを潰しに行く戦術については、日本の某大学が世界の最先端をいってるので、ウェルベックやダニー・ローズを鉄砲玉として用意して、お声をかけてください。スペシャリストをご用意いたします。

日本の大学における一般的なTシャツ


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