10、『Epiphany』マーク

マークのカミングアウトのシーン。このシーンがオリジナル版と演出が一番違うのかなと思います。

「みなさん…」と照れながら首を傾けて静かに語り出すケビンマーク。いやなになになに？やめて？！心臓がザワザワするから…でもかわいい！

言動の端々や仕草から伝わる”なにか”を敏感に感じ取った周りの子どもたちから幼い頃酷いいじめにあっていたというエピソードをマークは勇気を出し告白します。

マークのソロ『Epiphany』は、「なんでもない日常の中にその事柄や物、人物の本質が姿を現す瞬間」という意味で、「僕はカトリック！」と彼の本質を告白する曲。
実はこの曲、アメリカではズコー_(┐「ε:)_な笑える歌なんす。
「え、告白ってそのことかよ！？」って感じ。
流れからするとてっきり「僕はゲイでマシューが好きなんだ」と告白すると思いきや「僕はカトリック」て「いや知ってるし！」ってなるでしょ。

たぶん、カトリックは同性愛禁止だから、たとえ同性を好きになってしまってもカトリックである以上、好きだということは愛する人にも言えない。自分の信仰を隠して恋人になったとしたら、カトリックだということは愛する人にも言えないという演出側の意向なのかな？
マシューが敬虔なカトリックであれば、同性愛者のマークを遠ざける可能性もある。だから、はっきり言葉にして告白するのはマークにとって難しいこと。なのでオリジナル版は、“あえて’’なのでしょう。

日本人向けには「僕は……カトリック」と告白する事で、プロテスタントとカトリック→多数派と少数派→ストレートとゲイという対比を暗に示し、カトリックであるというマーク自身の性指向を観客に思い浮かべさせる流れを作る演出なのかなと思います。

「いじめっ子を蹴散らし、僕の涙を拭って微笑んでくれたんだ」そうやって自分を救い出してくれたマシューを『僕のガーディアンエンジェル』と呼んだと語るマーク。その時の愛おしむように遠くを見つめ語るケビンマークの瞳がキラキラしててとても綺麗だったなぁ💎
マークはマシューが大好きだけどマシューは彼の気持ちに気づいているのか？
「覚えてる？」って振り返って聞くマークに、マシューは何も言わないけど、少し顔を上げて微笑んだ目は、「もちろん覚えてるさ」と言っていたし、イェソンさんの表情がイケてた♡
でもマークが自分を好きだということは気づいてない感じだよな～。ただ特別に慕ってくれている男友達って思ってそう。


※マークの時に残っているソウルセンサーの数字は同性愛者の割合といわれている10%を指しています。
そして歌詞にある虹色はLGBT（レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー）の象徴レインボー・フラッグ。

というわけで、この歌の「カトリック」を「同性愛者」に置き換えると分かりやすくなりますね？
マークが担うのはゲイ差別。

ケビン演じるマークは、勇気を持って重大な告白をするけど、だんだんと晴れやかな笑顔になっていく。ここのシーン、感動的で好きです。

「僕らはどこにでもいるんだ」とか「誰にも恥じることなんてない」とマークは明るく歌う。
曲も歌詞も本当に素敵で大好きな曲。
特に、その事実を告白すればみんなに嫌われるし親に捨てられるかもよ？とコーラスが入ると「알아(I know)」と答える部分が好きです。
そんなことはわかってる、でもどうしようもないし、自分ではどうすることもできないっていう憂いに満ちた「알아」
ここのケビンマークの切なくも凛とした「알아」が今でも耳に残っています。

そして、ミュージカルの醍醐味であるラストの歌い上げでは、キーをオリジナルより下げて歌いやすくしてはいたけど、声の伸びが良く声量もタップリでとっても素敵だったわケビンちゃん✨ほんっとに輝いていて、あれ、ケビンちゃんもしかして本当にミカエルの生まれ変わりかなんかじゃないの？👼
きっと感動して泣いた人もいたんじゃないかな。

この曲を歌うマークは、葛藤の末、いつかまた傷つく事があっても一生つきあっていこうと決意をしていくように見えます。
決して最初からそうだったのではなく、困難を乗り越えて強さを身につけたという男で、かわい子ちゃんでありながら実はとてもかっこいい役どころですね。

中性的で可愛いのに実は男らしく芯がしっかりしていて聡明なケビンにピッタリな役だと思うので、ケビンがマークと出会えて本当に嬉しいし、またケビンマークに会いたいなっ👼🏻


しかし残念なことに、こんなに素敵なマークのソロをもってしてでもソウルセンサーの数字はゼロになりません！
こんなことは初めてだと驚きを隠せないBOYZ。

ソウルセンサーの数字は4



11、『Number 918』（讃美歌918番）全員

メンバーの顔色からしてもなにやらワケありな曲。
なんといっても、このシーンのハイライトはマークの「マシューぼくこわい!!(> <｡)」ですよ。
マシューに甘える「ぼくこわい!!(> <｡ )」が、いつかの「守って下さい!!♡」ってキスミに甘えてた言い方と同じで、ケビンちゃん…。ってなったわ。

讚美歌までやる必要ないというマシューに、4つの救われない魂がまだあるんだ！と攻め寄るフアン。
この曲をやるのは大阪が初めてだという…設定。
「悪魔よ去れ！」とか「皮膚一枚づつ剥ぎとれ！」とか、おどろおどろしい歌詞なのに、シスターがBOYZのお昼寝の時間に子守歌として歌ってくれた曲だというので、突っ込んでいいですかね？
まるで教会系萌えアニゲーのようなオタごころをくすぐる騎士の衣装と光る剣のような武器？を持って暗闇の中で歌い踊るBOYZ。曲調もアニソンのよう。

しかしセンサーの数字は4を示したまま動きません。

果たしてセンサーが示す4とはいったい誰の魂なのか！

つづく