アンフィールドでの緊迫したスコアレスドロー

チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦ファーストレグが19日に行われ、リヴァプールはホームスタジアムであるアンフィールドでバイエルン・ミュンヘンと0-0で引き分けに終わった。

リヴァプールは累積での欠場となった、DFフィルジル・ファンダイクに代わり、守備的MFを本職とするファビーニョを起用。病欠が心配されたFWロベルト・フィルミーノもスタメンとして起用された。
一方のバイエルンは、DFジェローム・ボアテングが病欠、FWトーマス・ミュラーは出場停止。負傷が報じられていた、MFキングスレイ・コマンがスタメンに入った。

 

  リヴァプール  スターティングメンバー

         アリソン
アーノルド マティプ  ファビーニョ ロバートソン
 ワイナルダム ヘンダーソン ファビーニョ
    サラー フィルミーノ マネ 

  バイエルン  スターティングメンバー

        ノイアー
キミッヒ ジューレ フメルス アラバ
    チアゴ  ハビ・マルティネス
ニャブリ ハメス・ロドリゲス コマン
     レヴァンドフスキ


リヴァプールは12分、ヘンダーソンからのディフェンスラインの裏へのロングボールにサラーが反応し、CB間から抜け出しペナルティエリア内で左足で合わせるが、ノイアーにキャッチされる。一方のバイエルンは13分、ニャブリがロバートソンとの1対1を制し、縦に突破しクロスをゴール前に送り込む。すると、相手DFのマティプが反応し、クリアしたボールがゴール方向に飛ぶが、至近距離にいたアリソンの胸に当たりゴールにはならなかった。
オウンゴールを免れたリヴァプールが32分、マティプからのロングフィードのこぼれ球をフィルミーノが拾うと、ゴールに向かってドリブル開始。並走するケイタに絶妙なヒールパスを送るとケイタがそれをPAエリア外からシュートも、相手DFのジューレがブロック。こぼれ球をマネが反転しながらシュートを放つもボールは枠の外へ。

後半に入って、バイエルン59分、ニャブリがPAエリア前中央から強烈なシュートを撃つもわずかに枠の右。80分にリベリーを投入し、左サイドを起点に攻撃を仕掛けるも、CBとして起用されたファビーニョが的確なポジショニングからのカバーリングでピンチをしのいだ。前半同様に、リヴァプールは前からプレスをかけ、高い位置からボールを奪ってからの攻撃や、二次、三次攻撃でバイエルンゴールを襲うも、守護神ノイアーが立ちふさがる。

このままスコアレスドローで試合終了。運命は3月13日にバイエルンのホームで行われるセカンドレグにゆだねられることとなった。

〜分析〜

リヴァプール

攻撃
フィルミーノがCFの位置からチアゴの後ろに降りて、マティプからの縦パスを引き出し、シンプルに捌いてヘンダーソンがサイドに振る。フィルミーノが空けたスペースには、ワイナルダムやケイタが飛び込む形が多かった。その時にCBを引き連れた状態でボールを受けるが、抜群のキープ力で収めることによって次の展開、ゴール前で数的有利を作ることができ、効果的だった。

また、ナビ・ケイタの本来の持ち味である中盤の密集した局面をドリブルで剝がして敵陣へ運ぶチカラはリヴァプールの迫力のある攻撃を引っ張っていた。

守備

3トップが相手DFラインにパスコースの制限と、隙あらば奪いきるほどの強度の高いプレスをかけ、連動して3枚の中盤が連動して高い位置で奪う守備をしていた。サラーはサイドバックを警戒したポジションを取るので、中央のチアゴへのパスをアンカーのヘンダーソンが前を向かせないようにタイトにプレスをかける。リヴァプールのMOM
FW ロベルト・フィルミーノ
空いているスペースに前線から降りてきて、ボールを受けて前を向き両ウイングを使い、シンプルに捌き、身体の向きが良い選手を使い、裏のスペースと表を使い分けた多彩な攻撃を牽引していた。リヴァプールの攻撃すべてに関与していた。75分、交代でピッチを去るのだが、個人的には90分間フルで観たかった。前からのプレスも果敢に行うことからかなりの運動量を使っているのだろうが、交代で入ったオリギには効果的なプレーはあまり見られなかった。

バイエルン

攻撃
相手の前プレスに臆することなく、DFラインからパスを繋ぎゴールに向かっていく姿勢が観られた。両サイドバックが高い位置を取り、CBが開き、空けたスペースでチアゴがボールを受け、サイドの高い位置に展開することが見られた。サイドのニャブリとコマンはスピードがあり、1対1の局面で積極的に仕掛け、クロスやシュートなど攻撃の起点となっていた。

コマン、ニャブリが低い位置まで下がってパスを受けると、相手SBがついてくるので、サイドに広大なスペースができたがそこを突こうとするシーンはあまりなかった。

守備
攻撃では縦関係のレヴァンドフスキとハメス・ロドリゲスが横並びの2トップの形に変え、相手CBからヘンダーソンへの縦パスを牽制し、SBにボールが入るとニャブリ、コマンがウイングへのパスを規制していた。

ロベルト・フィルミーノ対策として前半はフンメルスが後ろからプレスを積極的にプレスをかけていたが、フンメルスが出ていったスペースをワイナルダムなどに使われるのを嫌がり、後半はハビ・マルティネスがマークをするという改善が見られた。

バイエルンのMOM
SB
ヨシュア・キミッヒ
スピードのあるマネに1対1で喰らいつき、縦の突破や決定的なプレーを許さなかった。
前半のオーバーラップしてきたロバートソンにクロスを上げさせず、バックパスをさせたシーンは頭脳的な良いプレーだった。強いプレスの中、ボールを受けても落ち着き正確に味方にパスを供給していた。攻め上がる場面は多くなかったが、守備の対応やプレーの正確さは抜群であった。

テンションの高い90分をスコアレスドロー。
リヴァプールがアウェーゴールを許さなかったのか、点が取れなかったのか。
バイエルンがアウェーゴールを取れなかったのか、引き分けにすることができたのか。
どちらが有利でどちらが不利というのはわからないが、ファーストレグ同様にセカンドレグでも緊迫した90分になるだろう。
ラウンド8に進めるのはどちらのチームなのか、見逃せない。

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