funky_takita

滝田優樹です。主に音楽、映画、本に関することを書いていきます。北海道出身。インタビュー…

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滝田優樹です。主に音楽、映画、本に関することを書いていきます。北海道出身。インタビュー http://m.shibuya.ac.jp/

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これまで執筆した記事まとめ

・TOPPA!! 記事まとめ https://toppamedia.com/?s=%E6%BB%9D%E7%94%B0%E5%84%AA%E6%A8%B9&submit=Search ・Skream!ディスクレビュー一部抜粋 https://skream.jp/diskreview/2019/02/why_hasnt_everything_already_disappeared.php https://skream.jp/diskreview/2018/11/beside_

    • DEERHUNTER『Why Hasn't Everything Already Disappeared?』

      設立40周年を迎えた英国のインディー・レーベル、4ADを代表するDEERHUNTERが提示するバンドの新たな可能性。タイトル"Why Hasn't Everything Already Disappeared?(なぜすべてが消えていないのか?)"とアートワークを目にしたあと、本作を聴いて、まずその一文が頭に浮かんだ。カオティックな歌詞とテーマでありながら、華麗で儚いサウンドを調和させ、独自の世界観を形成してきた彼ら。今作の軸に据えるのはクラウト・ロックだが、ハープシコードやス

      • TORO Y MOI『Outer Peace』

        2010年のデビュー時には、チルウェーヴ、エレクトロ・シーンのパイオニアとして注目を集めたTORO Y MOI。これまでにサイケやアンビエント、R&Bやファンク、ソウルなどを取り入れながらその音楽性を深く、広いものへと更新してきた。今作は約1年半ぶり6枚目のアルバムとなるが、ダンス/ディスコ・ミュージックを基調とした別名義、LES SINSでの活動の影響が色濃く反映されており、また先述した多岐に渡るジャンルを回遊しながらも、ダンサブルなシンセ・ポップでまとめ上げられた作品とな

        • MAJOR LAZER 『Best Hits: Major Lazer』

          M.I.A.、Beyoncéらのプロデュースを手掛けたマルチ・クリエイター DIPLO率いるユニット、MAJOR LAZER。2019年にデビュー10周年となった彼らが、全キャリアから22曲を集めたベスト盤をリリース。Justin BieberやCamila Cabello、Ariana Grandeら人気アーティストたちとのコラボを重ね、レゲエ、ラテン、アフロビートなどの要素をエレクトロと掛け合わせた革新的なサウンドを誕生させた功績は計り知れず、00年代ダンス・ミュージック

        これまで執筆した記事まとめ

          RAZORLIGHT 『Olympus Sleeping』

          フロントマン Johnny Borrellが"ロックンロールへのラヴ・レター"だと語る10年ぶりのニュー・アルバムは、FAT WHITE FAMILYやSHAME、DREAM WIFEら新鋭の登場で盛り上がりを見せるロンドンのインディー・ロック・シーンにとっても、愛のメッセージであるに違いない。THE LIBERTINESに続くアイコンとして人気を博したRAZORLIGHTのデビュー当時も同じく、ガレージ・ロック・リバイバル・ムーヴメントによるUKロック再興の最中であった。そ

          RAZORLIGHT 『Olympus Sleeping』

          BASEMENT『Beside Myself』

          PARAMORE、FALL OUT BOYらを擁する"Fueled by Ramen"から、イングランド出身の5人組ロック・バンド BASEMENTがメジャー2作目となる『Beside Myself』をリリース。90年代USエモ/パンク、グランジからの影響を受けたサウンドとUKロック直系のセンシティヴで切なさを帯びた歌詞で、UK/USの折衷的な音楽性が特徴であった彼らの新作は、一聴すると軽快でポップ・パンクな趣き。全編にわたって爽快感や開放感に満ちたメロディと伸びやかなヴォー

          BASEMENT『Beside Myself』

          VOLA『Applause Of A Distant Crowd』

          甘美なヴォーカルと、モダン・プログレッシヴ・メタル~70年代プログレッシヴ・ロックにエレクトロニック、アンビエントを織り交ぜ、メロディアスなサウンドにまとめ上げた前作『Inmazes』。本作は、それから2年ぶり2枚目となるニュー・アルバムだ。今回もその手法やスタイルにこそ著しい変化は見られないものの、コーラス・ワークに磨きをかけ、アンビエント感を増したサウンドは、よりヴィヴィッドで立体的な音像に。持ち味のドラマチックな展開も健在で、へヴィでダークなギター・リフを温かなシンセ・

          VOLA『Applause Of A Distant Crowd』

          ビーチ・ハウス『7』

           2年ぶり7作目のアルバム『7』も、やはりドリームポップな作品であった。それと同時に盛り上がりを魅せるインディ・ポップ、ロックのこれからの可能性を見出したような、シーンにとっても、ビーチ・ハウスにとっても、重要な1枚になる。そんな青写真を描くアルバムであった。  Sub Pop, Bella Union からリリースからのリリースとなった今作。電子音楽、実験音楽の第一人者ソニック・ブームや、ツアー・ドラマー でテニスのメンバーでもあるジェームズ・バローネも参加している。パイプ

          ビーチ・ハウス『7』

          キンブラ『PRIMAL HEART』

           キンブラといえば、未だにグラミー賞を獲得したゴティエの「Somebody That I Used to Know」でのコラボで知られるニュージーランド出身の歌姫だろうか。いや、そんなことはない。2012年の全米デビュー以降、クリエイターとしての才能を発揮させ、常に新しいサウンドの提示をし続けてきた。そんな彼女の最新作『PRIMAL HEART』も、新たな側面を垣間見せ、奇をてらったサウンドワーク(ハード)と普遍的なポップ(ソフト)が絶妙にミックスされた作品になっている。今年

          キンブラ『PRIMAL HEART』

          ナイト・フラワーズ『Night Flowers』

           遂にフルアルバムのリリースを果たしたナイト・フラワーズの『Night Flowers』はやはり青々とした切ない雰囲気漂う一枚となった。他の媒体やライターの指摘通り、80年代ネオアコを彷彿とさせながらも、味わい深いシューゲイズ・ポップを奏でている。そこで、際だつのはセンチメンタルな気持ちさせられる儚さや心地よさが同居する美しいメロディだろう。そして、コクトー・ツインズ、スロウダイヴ、ジザメリなどを引き合いに語られる音楽性は90年代シューゲイザー・シーンからも影響を受けているの

          ナイト・フラワーズ『Night Flowers』

          カイリー・ミノーグ『Golden』

           ユーロポップ・ディスコの女王カイリー・ミノーグによる3年ぶり14枚目のアルバム。ナッシュビルを訪れたことで着想を得たという今作は、プロデューサーにテイラースウィフトをデビュー当時から支えていたネイサン・チャップマンを迎え制作された。それゆえ、まさにテイラーの初期を彷彿とさせるカントリー・ポップに特化した内容となった。  女性の年齢を話題にするのはタブーだとわかっていながら、50歳を手前にリリースされたとは思えないくらいに瑞々しく、キュートな歌声に思わずドキッとしてしまう。ア

          カイリー・ミノーグ『Golden』

          あいみょん『満月の夜なら』

           昨年リリースの1stフルアルバム『青春のエキサイトメント』が大きな反響を呼んだあいみょん。いまでは大型フェスへの出演が決定し、メディアへの露出が増え、日本における新たなポップアイコンの座を獲得目前といっていいだろう。  そんな彼女のニューシングル『満月の夜なら』は、改めて高いソングライティング技術や音楽ルーツがたくさんつまった至極のラブソングだ。  一聴して、耳に残るのは“心躍る 夜彩る 指が触れる”“甘いアイスクリーム 体温を上げる小さなスクリームが ラブリー 耳元を狂わ

          あいみょん『満月の夜なら』

          ザ・ウィークエンド『My Dear Melancholy,』

           3月30日に配信でサプライズ・リリースとなった6曲入りEP『My Dear Melancholy,』が早くもフィジカルでのリリースを果たした(国内盤は5月18日予定)。第60回グラミー賞で最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム賞を獲得した2016年の『Starboy』もまだ記憶に新しいが、今作も出来栄えは最高で、ウィークエンドがポップスターたる所以がここにはある。そして、深化を極めた楽曲の数々に震えが止まらない。  昨年末に破局が報じられたセレーナ・ゴメスの影響もあって

          ザ・ウィークエンド『My Dear Melancholy,』

          Erica Eso 『129 Dreamless GMG』

           ニューヨークを拠点に活動するアートポップ・アンサンブルの3年ぶりの2ndアルバム。軽快なフリージャズの手法を用い、ゴリゴリに重低音を鳴らしながらエレクトロ・ポップと電子音響、AORを結んで実験的に、独創的なサウンドワークを完成させた前作『2019』から、今回は生ドラム、ベース、そしてバック・コーラス2名によるバンド編成で制作された。そのため演奏面での厚み増し、より世界観を深化させることに成功した。  シューゲイザーとコーラス、サックスが妖艶に絡み合う①や、クラシカルなシンセ

          Erica Eso 『129 Dreamless GMG』

          XXXTENTACION『?』

           リル・ピープが去年の末にオーバードーズで亡くなった。リル・ウージー・ヴァートやXXXTENTACIONたちと共に盛り上がりをみせるグランジやオルタナロックの精神を取り入れた陰鬱で、荒々しく、行き場のない怒りを歌詞やサウンド、ラップで表現したエモ、グランジ・ラップシーン。90年代を席巻したグランジ、オルタナロックブームのように彼が死んだことで、終わりを迎えてしまうのだろうか?  そんな疑問符に答えるかのようにXXXTENTACIONは、セカンド・アルバム『?』を発表した。ゲス

          XXXTENTACION『?』

          エイドリアン・アンダーヒル『CU AGAIN』

           トロントを拠点とするシンガーソングライターのエイドリアン・アンダーヒルによるデビュー・アルバム。初陣にふさわしい明るく、フレッシュなナンバーが並ぶ。「インディーロックバンドとして活動していたがキーボードとドラムマシンに魅了されソロとして活動を始めた」と本人が語るように弦楽器、ビートが主導となり、ネオソウル~オルタナR&B、ジャズを行き来しながら紡がれる楽曲の数々は気持ちいのひとことに尽きる。またアーバンでおしゃれな佇まいではあるが、そのなかにも奇をてらったような変拍子であっ

          エイドリアン・アンダーヒル『CU AGAIN』