正社員 専業プロゲーマーのお仕事とは?

PGWは正社員かつ専業のプロゲーマーです。世界的に見ても珍しい取り組みと言えると思います。そんなわけで、正社員のプロゲーマーは、普段から何を仕事として活動いるの?って疑問や質問をちょいちょい耳にします。

ということで、今回のテーマは『PGWの正社員プロゲーマーのお仕事』について記事にしていきます。


PGW的“プロゲーマーの定義”ってナニ?

様々な定義がありますが混沌期の現在では「プロゲーマーと言って良い定義」は沢山あります。そんな中で僕が考えるプロゲーマーの定義とは…

★ゲーム業界の発展への寄与をゲームの面白さを伝える事で実現できる人
★その試合でオーディエンスを盛り上げることができる人
★ノンプレイヤーのオーディエンスをも魅了できる人

その上で『これらの活動を生業としている人がプロ』です。

結果的にプロは上手いプレーができる必要があるのだという感覚です。また上手さや魅力と勝率は比例しないという考えを持っています。よって「勝たなければプロではない」という考え方とは少々違います。

プレイにスポンサーが付いたらプロ…ではなく
何らかで収入につながり生業になったからプロ。
それが僕の定義するところの『プロゲーマー』です。



そもそも正社員プロゲーマーの役割とは?

PGWが定義するところのプロゲーマーの仕事とは「ゲーム業界を盛り上げる事が役割」です。だから定義に準じて様々な事を仕事として取り組んでいます。
なぜならば、PGWのオーナーはグローバルセンス株式会社であり、社としてe-sports選手の食っていく手段や立場を創っていく方針のプロゲーマー事業組織だからです。

そんなわけでPGWの場合は目次の通りで大会に出ることだけに時間を割いていません。競技者であり開拓者であり伝導者であり…とても大変な役割です。(ここからは、各活動について掘り下げていきます)


お仕事① 練習

プロゲーマーである以上、一定の強さは必要です。ゲーマーとしての強さで一定の力を持っていなければ後述する様々な活動において説得力に欠けてしまいます。だから日々の練習で格ゲーの基礎力の維持向上は最重要な仕事です。

余談ですが、僕自身がプロゲーマーの彼らを間近で見て感じていることは『強い』と言うのは客観評価に過ぎず、彼らが重ねていることは信じられないほど地味で地道な作業です。それらの全ては『知識』と『技術』の積み重ねに向けた事だからです。その積み重ねがあるからこそ、オーディエンスに思わず声をあげさせてしまうプレイを生むのだと感じています。

『上手さと強さは説得力に直結する重要な要素。だから練習は重要な仕事』



お仕事② 生配信

プロゲーマーになっても遠い存在にならず、相互交流、幅を持った交流が大事であると考えています。そんな中で対戦会などでも声をかけやすいプロゲーマーであることを大事にしています。自身の上達のためにも必要なことですし、あらゆる層のプレイヤーがゲームを楽しめることが業界の発展のためにも必要だからです。(詳細は後の項目に記載します)だからPGWでは『気軽に交流できる機会』として、毎週月曜日(祭日の場合などは、翌火曜日)に定期配信を継続しています。

定期配信チャンネル:PGW.tv
https://www.youtube.com/channel/UCGircuH17cJVkPrXkXRD0Rw

『多くのプレイヤーと触れ合いやすい場を作ることも仕事』



お仕事③ 動画の作成と公開

自分が、どれほど夢中になっていても、どれ程強くても、タイトルが消えてしまえば大会やイベントという活躍の場は消えてしまいます。ゲーム業界全体が消えてしまえばプロゲーマーという職業も消えてしまいます。だからゲームプレイヤーの増加に寄与することはプロゲーマーにとって基本的かつ重要なミッションだと僕は考えています。ゲームメーカーが創ったゲーム、お金を支払い遊ぶユーザー、その間を繋ぐ上で『ゲームの面白さを伝える人としてプロゲーマーが最適』ということです。

動画チャンネル:プロゲーマー実況チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC4rRHn-tjictU6ZaIuV_EBA

『ゲームの面白さを伝えていき、プレイ人口の増加に寄与することも仕事』



お仕事④ 対戦会への参加

少なくとも、e-sportsと呼ばれる分野のゲームが対戦である以上は、プレイヤー人口の衰退はタイトル自体の衰退を示します。よってプレイヤー人口増加、交流機会の創出、もちろん自身の知識と技量向上を含めて、イベントや対戦会に参加することを仕事としています。

★離脱率が最も高い“初心者”の壁を越えやすいようにサポートする
★中級者〜上級者の更なるレベルアップのためのサポート活動
★高い技術を持つプレイヤーとの試合による自己鍛錬
★関わり合い教えあえる関係構築機会づくり(交流)

『上達や面白みを伝え、プレイ人口の維持向上に寄与することも仕事』



お仕事⑤ 様々な仕事の試行をする

ゲームで食っていくには、現在のところ「勝って知名度を保ち続ける」以外の道は、ほぼありません。例外的なプロもいますが、同じことを誰もができるわけではありません。これまでの努力、その結晶である知識と基礎力および経験を活かして食っていける道を切り開く。その試行錯誤もまた現時点における正社員プロゲーマーの役割だと考えています。よってPGWでは様々な方法で様々なことを実施しています。

★実況、解説の仕事の受注と間口の拡大
★広告代理店様への企画サポート&アドバイザー

『プロを目指しやすい道筋作りを模索することも仕事』



お仕事⑥ 大会への参加

これは非常に当たり前の話です。大きな大会を飛び回ることは勝つことが仕事の中心のプロに任せておけばよく、我々は「コミュニティや地元の大会を含め盛り上げる」という意思を持っているので、とても大事な仕事と考えています。イベントや大会の情報を拾い切るのは大変ですので(Twitterで流れていってしまう)格ゲーチェッカー様にはいつも感謝しています☺️

それでも全然イベントを拾いきれないのもまた事実ですので、イベントや大会企画者様、コミュニティの皆様、お声かけくださると喜んで参加します。
(日程が合わない場合はごめんなさい…)

『大会に参加して結果を出すことは大切な仕事』



お仕事⑦ SNSでの発信活動

同じことをしても知名度が高い方が効果は大きくなりますので、知名度を意識することはとても大切です。また個人で戦って賞金でる食っているわけではないため、様々な側面から見ても【チームとしての知名度向上は重要】になります。

大会優勝はもちろん効果的ですが、優勝者は常に一人です。僕が広告代理店様や協賛企業と会話を重ねてきた結果の肌感では、選手としてtwitterのフォロワー数は30,000以上が最低ラインの指標です。影響力の期待をされる場合、本当は100,000フォロワー以上必要そうだな…とさえ感じています。あくまで一つの目安ですが、努力していない人に届くわけもない数字ということが伝われば幸いです。そして一定のセンスも必要とさえ感じます。
よってPGWではチーム、社全体で広報活動を実施していますが、プロがプロのお仕事として積極的に取り組んでいるかというと、そうではありません。この部分はチームやオーナーシップを持つ団体がやるべき事と考えています。専門性が違いすぎるからです。ただし全く意識をしない、やらないでも良い。ということではありません。自身もまた、取り組むべき仕事です。

『チーム知名度の向上に努め、己のビジネスにおける価値を増やすのも仕事』



あとがき

ここまで読んでいただいた方の多くが気付いているように、これらの活動で利益が出るわけがありません。そもそも今、選手が食えていけている業界でもないのに、チームが食っていける道理はないのです。

僕が自チームの利益という範疇を超えて見ているものは『10年後、次々世代がプロを目指したくなる業界になっているのか?』『今のままだとダメだ』『だから僕たちが業界の未来のためにできることは何か?』についてです。

だから『今のメシダネの奪い合い』や『ポジションの奪い合いや乱立』に興味はなく『いま僕がプレイヤーの未来のために出来ることをやる』…これが全てです。


『10年後、子どもたちがプロを目指したくなる業界になっているのか?』


e-sports関係者は、そこを見据えた上で『今の優先度を己の強みを活かした分野で活動して発展に寄与していく』ことが大事なのではないかと考えています。

だから僕が手がけ、活動している分野は以下の通りですが、応援の気持ちで見守って貰えたら嬉しいです。
・プロゲーマーになるルート、その選択肢を増やす(PGW、他計画中)
・プロゲーマーになった後の収入やマネタイズを発見する試行活動
・コミュニティへの一部支援(対戦会開催への支援など)
・他チーム所属でも最適だと思ったプロに仕事を紹介していく
・日本のプロが世界一になって欲しいタイトルへの支援イベント開催
    ※PGWで取り組んでいないタイトルであっても予算と意義が噛み合えば
        動くと思います



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