統計検定1級最優秀成績賞を受賞するまでと統計応用(理工)2023の解答

はじめまして。2023年11月実施の統計検定1級にて統計数理、統計応用(理工)の両方にて最優秀成績賞をいただきました。


インターネット上にどのように勉強したかの記事が多く転がっていたので、書いていきます。

8月 現代数理統計学の基礎を読み始める

1週間に1章程度のペースで演習問題を解きながら読み進めていました。また、その際ルーズリーフに新たに導入された語句を簡単に箇条書きで書いていくことにしていました。このルーズリーフを見れば、この章はどのような流れで何が書いてあるかが復元できるようになるのが目的です。

9月・10月 統計応用の対策を始める

現代数理統計学の基礎と並行して、それだけでは対応できない応用範囲について勉強を始めました。アクチュアリーの勉強も並行して行なっていたので、アクチュアリー数学のテキストも参考にしました。
先月始めた現代数理統計学の基礎では1〜8章、9章、12章を中心に進めました。

回帰分析については9章を参考にしました。ただ、これだけだとやや抽象的で試験で出た際にパッと計算ができないと感じたので別に対策をすることにしました。ここでアクチュアリー会の数学のテキストが演習もかなりついていて、参考になりました。

確率過程について12章を参考にしました。ここでもアクチュアリー会の数学のテキストが参考になりました。

乱数についてはアクチュアリー会の数学のテキストのシミュレーションで詳しく解説があり、また演習問題もあったので参考になりました。

時系列分析については、アクチュアリー会の数学のテキストにAR、MA、ARMAモデルが詳しく載っていたのでそちらを参考に導出の流れを頭に入れることを意識して学習しました。

分散分析は現代数理統計学の基礎の9章に書いてあるのですが、不十分だと感じたので、東京大学工学教程 確率・統計IIの前半を読み込みました。時系列分析も後半に記述されていますが、時間があまりなかったため読みませんでした。

11月 過去問を用いた対策

過去問は8月からできそうな問題から取り組んでいたのですが、11月初めの時点では10問分くらいしか解いていませんでした。その後2013年から2022年分まで統計数理、応用(理工)ほとんど全ての問題を解き、自分の評価(A:何度やっても間違えない,B:小問一つくらいは間違えうるorまだ学ぶ箇所が残っている,C:とき直しが必須)をつけB,CのものをAに持っていく作業を繰り替え行いました。

幸い(?)目新しい問題はそこまででないし、出ても現代数理統計学を十分理解していれば不安なところから導出含めできる程度だったため、この学習法が効きました。

当日

生活リズムが破綻していたため前日は夕方に起き、寝れなかったため徹夜のような状態で行きました。会場は学習院大学だったのですが、山手線が止まっていたため、少し不便だったことを覚えています。

統計数理では1,2,3を選択しました。できは以下の通りです。
1.(6)を分母分子反対にする。
2.○
3.(5)のh≠0の場合が解けず。
4,5が難しそうに見えたため、漸近相対効率という知らない単語があった1を選ぶことになったのはすごく反省しました。それ以外は実力通り取れたかと思います。3(5)以外は60分ほどで終わったので、3(5)を30分くらいダラダラ考えて結局わかりませんでした。

統計応用では、1,2,4を選択しました。出来は以下の通りです。
1.○
2.(4)❌
4.○
最初は2から解きました。1は計算が大変そうだったため、できれば回避したかったです。
2はレイリー分布の話でしたが、前半はほとんど計算をするだけという感じでした。最後の問題は(2)をもとにレイリー分布とカイ二乗分布の関連を考えれば良かったのですが、焦っていたため自由度をn=10としてしまい、間違えました。
4は仰々しく書いてありますが、やってることは非常に簡単でした。最近課題でニュートン法を実装したので、なんとなく十分記述できそうということで選択しました。
最後は1を選択しました。この時点で時間が40分あったので計算を合わせられる自信があったためです。
行列の計算を真面目にやっていけば特に躓くところはないと思います。
あとから3を解いてとても簡単だったので2番ではなく3を解いてたら満点だったのかもしれないなあという気持ちになり少し残念でした。

両方合格はいただけたし、応用の方は最優秀成績賞もあるのではないか、という感触でした。

以下統計応用(理工)2023の解答案です。

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