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かわいい顔に生まれたかった

とにかく、自分の容姿に悩まない写真に映ってもそれなりの容姿に生まれたかった。

いや、きっと、たぶんではあるけれど、目もあてられないくらいの不細工ではない。けれどもこんなに悩むのは、この社会の女に求める外見の高さとかそういうものからくる意識ではなくただ単純に、自分の中での自分の顔が、他人から見えるものよりもより美しいものであるからだ、と最近になって気付いた。

かわいい顔に生まれなくても、せめて写真に映ったときに雰囲気のでる顔になりたかった。

上顎前突症でなおかつ口ゴボを患っているのでとにかく横顔が汚い。意識をしない人はそういう顔で済ませられるのだが自分の中ではあの女優さんの、Eラインが綺麗にそろった横顔を想像しているだけに写真に映ったときの衝撃がすごい。ああ、自分がこんな顔で毎日過ごしているんだ、ああ、いやだなあ、とそれしか考えられなくなる。実家が太い人はいいなあ、矯正をするお金を出してもらえて…まあ私のこれは、矯正したところで治るものでもないかもしれないけど…(骨の問題でもあるので)という考えで頭がいっぱいになって、もうどうしようもなくなる。

新しい彼氏が写真をやっていて、どこかに出かけると積極的に写真を撮ってくれるのだけれども、今回もそれで精神を病んだ。ああ、もうどうしたらいいんだろう。

自分はこういう顔だと認めることが一番大事だとはわかっている。

日本の女の子は日ごろから他の人を見てかわいい子がいるとなにかと口に出すものだけれども、私はそれが顕著で、ゼミの男子にかわいい女の子の話をしていたら、レズなのかと聞かれた(そこに偏見があるわけでなく)。なぜそんなに周りの容姿を気にするかと言われたら、それはやっぱり自分のコンプレックスがあるからだなあ、としみじみと思う。

かわいくなりたい。

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