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2 新井英樹・入江喜和 画業30周年原画展トークショー 錦糸町編

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司会:この前京都でも同じこと聴きましたけど、たぶん一番興味あるのはお互いの漫画をどう思ってるのかなと。

入江:読んでないよねお互いの漫画。

司会:そういう話でもいいんで。

新井:一回あの、昔、酔っぱらって酔って疲れて眠りかけた時に、かみさんに漫画の脚本みたいな、そのネームを見せられて意見してくれって言われた時に、普通にここはこうな方が良いんじゃないみたいなと言ったらかみさんがブチ切れまして。部屋を出てっちゃったんですよ。
その時マンションの一階にその部屋があって、出てったのを追っかけてって
「いや、だって違う。一応言ったけど、別にケチ付けるわけで言ったわけじゃないのに」
って言って、何とかなだめて部屋に戻ってかみさんが子供まだ凄いちっちゃかったんだけど、子供と一緒に寝て俺が奥のリビングで寝てたら、次の朝起きたらかみさんが俺の事起こして
「ちょっと来てって」
て「玄関先の部屋にあった鞄がない。絶対そこにあった鞄が無い」
そんなバカなっていう話になって。でも、あんまりにも真剣にも無いっていうから、そしたら警察呼んで警察来てもらったら
「旦那さん来てください」
て玄関先の廊下を懐中電灯で当てたらその部屋まで革靴というか靴の足跡がついてて、結局泥棒に入られたんだけど犯人後で捕まったら前科七犯ぐらいのかなり凶悪な人だったと言って
「旦那さん目覚まさなくて良かったよ。覚ましてたら刺されてたから」
て言われて、で、それがあって以来、もうかみさんの漫画を読むのはやめようと。
もう、恐ろしいのと、上から目線みたいになっちゃうけど、スゲーちゃんとしたものを描いてるってのを分かってる以上、別に読んで意見言わなくてもいいしって。
あとはなんかあの、今連載してる漫画は色々怖くて読めません。どうも俺が出てるみたいなんだけど恐ろしくて読めないですね。

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入江:だけど、それはよく言われることなんですけどね、よく誰々をモデルにしてるんですか?とかそういうのあるんですけども、モデルってもう最初の見た目一瞬ぐらいで、あとはもう全然別だと思って頂いたほうが良いね。そういうのね。
ちょっと違う話になっちゃいましたけどね。本当、あのモデルってこんな事言ってるのかとか、こんな事やってるのかなと…いや、本当は全然違うんだけどって事があるので、その辺思いながら読んで頂けると良いと思うんですけども…え、なんの話でしたっけ?

司会:いやいや、もう、お互いの…

新井:特には…

入江:あれだよパパ、私は『キーチ!!』までは読んだりはしてたんだけど、そのキーチ…

新井:その話はやっぱなんか…

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入江:やるやる、やるやるやるやる。そっちが言った以上はこっちも。
キーチのモデルになったその男の子が、それもやっぱり見た目だけっていうか最初の一応そこにつながるんですけども、幼稚園のうちの娘の…同じ幼稚園のお子さんだったんですけど、キーチのモデルって。
本当に幼稚園児なのに男前で、カッコイイんだよねって事を言ってたら描きたいって事になって、で、そこのうちのお母さんに
「今度漫画に描かせてもらうことに…」
「ああ良いよ」
て言って、描き始めたんです。そうしたら、始まって割と間もない頃に親が(作中で)刺されてしまって
「ああー私ちょっとそれは止めてもらいたいんだけど…」
「じゃあ、俺はもうこれから好きに描けないのか」
みたいになっちゃって、それはそうだよねと思ってしょうがないからそこのお母さんに号泣しながら「ごめんなさい」って泣きながら…

新井:いや、俺もそこで「…ていう展開にしたいんだけど…」って頼みこみに行ったら、お母さんが
「それはやるべきだ、漫画を物語をちゃんと面白くしなきゃだめだ」
って言って
「是非それをやってください」
って言われたんだけどそれを描いてたら、一ヶ月か二ヶ月後かな、そこのお父さんが緊急入院して一週間で死んじゃって…
で、結構なショックで今度またそこへ行って謝りにいって。もちろん、なんだろう…病気で亡くなっちゃったんだけど、直接関係無いものの、自分の漫画で死ぬって描いた後に死なれちゃったんで。
かなりショックで連載本当に辞めたいって思って…それでも何とかその後行ってお母さん一応許してくれたっていうか、本当全然関係無い話だよとは言ってくれたんだけど、結構…残りましたねそれは。

入江:だからね、お互いの漫画を読むと不吉な事がね…起こっちゃうんですね。だから、別に読まなくて良い感じになってるんですけど。
昔、弘兼さんと柴門さんにケチつけるんじゃ無くて、え〜読んでないのお互いの〜終わってるな〜みたいに思ってたのに…むしろ自分たちの方が読めないっていう。
反省しております。

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