ミュージシャン 加藤和彦

ゴールデンウイークから梅雨入り前くらいが一番好きな季節。そしてこの季節に聴くとキュンとくる曲が何曲かある。そんな中から今日は2曲ご紹介。この2曲とも加藤和彦さんの作曲された曲である。

加藤和彦さんと言えば、流行に敏感でおしゃれというイメージが最初に来る。京都で生まれて、鎌倉と逗子で育って、18歳から日本橋に暮らす。半端なハイソはキザだけど、ここまで来ると本物の粋でハイソな感じがする。流行の音楽とファッション。創成期のニューミュージック界(Jポップ)の先駆者。吉田拓郎、山下達郎、竹内まりやなどなど、彼からレコーディングの様々な手法を学んだと証言するミュージシャンは多い。元々加藤氏のことは好きで、もう10年以上前になるが、再結成したサディスティックミカバンドの1回きりのLiveをNHKホールに観に行った。

1967年にザ・フォーク・クルセダーズでデビュー。ザ・フォーク・クルセダーズ(以下フォークル)は、1965年に加藤氏が雑誌「MEN’S CLUB」で呼びかけ「世界中の民謡を紹介する」というコンセプトで結成されたというから、おしゃれで偏差値が高く、なんとも彼らしい感じもする。メンバーは、解散後精神科医になり現在は九州大学の名誉教授である北山修氏と、はしだのりひこ氏。「帰ってきたヨッパライ」「悲しくてやりきれない」「あの素晴しい愛をもう一度」などなど数々の名曲で知られる。その後ソロ活動、映画やCM音楽、舞台音楽などを担当したり、数多くのミュージシャンに楽曲提供している。そんな加藤和彦氏の曲をいくつか聴いてみる。まずは、フォークル時代の「イムジン河」と「悲しくてやりきれない」。「イムジン河」は、元々韓国の歌で、朝鮮半島の南北分断、祖国統一といったものに思いを馳せた曲である。映画「パッチギ!」さながらの自らの体験から松山猛が訳詞した歌だそうだ。発売時、政治的配慮から発売停止になっている。この辺りのことも「パッチギ!」の中で描かれている。メロディーもとても美しい曲。「悲しくてやりきれない」は、多くのアーティストにカバーされている言わずと知れた名曲である。サトウハチロー氏の詩が素晴らしい。特に、3番の最後の「この燃えたぎる苦しさは明日も続くのか」というフレーズがグッとくる。生きることそのものではないか。

加藤和彦&坂崎幸之助 ”イムジン河”
(作詞:朴世永・松山猛(訳詞)/作曲:高宗漢)

ザ・フォーク・クルセダーズ ”悲しくてやりきれない”
(作詞:サトウハチロー/作曲:加藤和彦)

ソロとして発表された曲の中にも沢山のヒット曲や名曲がありますが、その中に「テレビの海でクルージング」という曲がある。この曲を僕は知らなかったのですが、岩井俊二さんとお仕事をした時に、岩井さんを通じて知りました。〈ソファーで彼女とお酒を飲んでる。つけっ放したままのテレビからは色んな映像が流れてくる。二人でテレビの海をクルージングしてるみたいだ〉っていう素敵な歌。まだ好きだった頃のキラキラと輝くテレビの世界がそこにある。この曲を岩井さん率いる「ヘクとパスカル」がカバーしてます。椎名琴音ちゃんのボーカルがとても合ってて素敵な曲に仕上がってます。『ヘクとパスカル』には昨年演出しました舞台『七日目にボクはキミと』っていう作品で音楽を担当してもらいました。

ヘクとパスカル ”テレビの海をクルージング”(作詞:安井かずみ/作曲:加藤和彦)

そして本日のメインイベント! この季節に聴きたい2曲! まずは楽曲提供した作品の中から1曲。この曲を聴くと、とても懐かしくて切ないけれどときめく感じが胸に広がって、これから夏にかけての季節に聴くと実にハマるのである! それで、こんなテキストを書いてみたのである。竹内まりやさんが歌う曲。山下達郎・吉田美奈子のコーラスが豪華。この曲は当時キリンレモンのCMソングだった。そのCMに出演していた”中島はるみ”という長身スレンダーなモデルさんのことが当時すごく好きだった。あどけない顔をしているのにどこか大人っぽい雰囲気が好きだったな。これが当時の中島はるみ。そして青春時代の初恋のような(笑)ダサい言い方! とにかくキュンとします。

”Dream of you 〜レモンライムの青い風〜”(作詞:竜真知子/作曲:加藤和彦)

もう一曲、作家の村上龍が自らの小説を映画化した「だいじょうぶマイフレンド」の主題歌で”だいじょうぶマイフレンド”という曲を紹介したかったのが、ここに貼り付けられるいい感じの映像と音源が手に入らなかった。この曲は、映画に出演していた広田レオナ、渡辺裕之らメインの三人の役者さんが、同じ曲をそれぞれのバージョンでリリース。その後、加藤氏本人もこの曲をリリースした。メロディーはこんな感じです。北畠美枝さんという方がカバーしているようです。本当は元のアレンジの加藤氏のバージョンを聴いて欲しかった。北畠さんごめんなさい。ちなみに映画の主演は、この映画がデビューになった広田レオナと、なんとあの「イージーライダー」の主演俳優であるピーター・フォンダである! マニアックな意味でとても面白い映画(笑)

”だいじょうぶマイ・フレンド”(作詞: 安井かずみ/作曲:加藤和彦)

続いてサディスティック・ミカバンドから3曲。サディスティック・ミカバンドは、1972年に、加藤和彦(g,vo)、加藤ミカ(vo)、つのだ☆ひろ(ds)で結成されたのちに高中正義(g)が加入してデビュー。すぐにつのだ☆ひろが脱退し、高橋幸宏(ds)と小原礼(b)が参加した。日本では当初、デビューアルバムが数千枚しか売れなかったが、ロンドンで評判となったことで日本でも火がついた。その後、イギリスツアーをしたり、ビートルズやピンク・フロイドを手がけたイギリスの音楽プロデューサークリス・トーマスのプロデュースでアルバムを制作した。その後、一時期ベースが後藤次利に変わったり、キーボードの今井裕が加わったりと何度かのメンバーチェンジはあったものの1975年まで活動。その後、加藤氏を除いたメンバーらでサディスティックスとして活動した時期もあった。1989年に桐島かれんを、2006年に木村カエラをそれぞれボーカルに迎えて再結成した。小原礼、後藤次利は個人的日本4大ベーシストのうちの二人! それぞれタイプは違えど最高です。ちなみにあとの二人は、表紙で加藤氏の隣に写っている細野晴臣氏と元レピッシュの等々力達である。

サディスティック・ミカバンド(1971~1975年 第1期)
イギリスの音楽番組出演した時の映像のよう。2曲やってますが、1曲めのインストめちゃくちゃカッコいい! この時のベースは後藤次利ですね。後藤次利のベースと高中のギターに今井のキーボード。めっちゃサイケ感ありつつのファンキーだな〜! 時代の先端行ってますね。

サディスティック・ミカバンド(1985年 第2期)
桐島かれんをボーカルに迎えて再結成され、リリースしたこの曲はマツダのファミリアのCMだったと思うけど、これまた1985年当時の流行のサウンドでキャチーでこれまた先端行っている感じするな。

サディスティック・ミカバンド(2006年 第3期)
木村カエラをボーカルに迎えての最後の再結成となった。1回きりということで行われたNHKホールでのLiveより。奥田民生がゲスト参加してましたね。第1期のヒット曲で、このバンドの代表曲。カエラちゃんの歌いいですね〜 加藤氏がカエラちゃんの日本語の発音をすごく褒めていた。「はっきりとちゃんと日本語を歌っているのにロックだ」と。この場所に生で観られたことは幸せでした。

最後は加藤氏の死の直前に行われたライブでの”あの素晴しい愛をもう一度”。そう思って聴くと詞が突き刺さって涙が出る。ここまで聴いてきて思うのは、加藤氏の作る曲はとても美しい。悲しい最期だったが、彼のメロディーと日本の音楽界に残した功績は永遠である。

なんだか、youtube見ながら家でみんなで飲んでるみたいになってきちゃったけど、もしくはyoutube、naverまとめおじさんみたいだな(笑) しかも長々と書くの嫌いなのに(ネットで長文読むのも嫌い)…こんな長くなっちゃった(^_^;) 

まっいいっか勝手に書いてるだけだから(笑)


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松浦徹

演出・脚本。1965年5月3日生まれ。東京都出身。 映画「ギミー・ヘブン」舞台「七日目にボクはキミと」「恋と革命」TV「小泉今日子50歳ニューヨーク」「情熱大陸」「NONFIX」など。
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