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JaSST Review'18聴講メモ

今年第一回となる本会。なにやら経緯としては、JaSST Review'18のホームページによると

ソフトウェアテストシンポジウムの中で少なからず発表があったものの、レビューを主眼においたシンポジウムは聞いたことがないのではないでしょうか。
そこで、ソフトウェアテスト同様にレビュー分野もより発展させるべく、JaSST Reviewを開催することにいたしました。

とのこと。

レビューというとJSTQB-FLの勉強をしたときにサラッと見た程度と、自動テストコードのPullRequestをGithubでレビューしたぐらいの経験だが、勇気を出して参加してきた。以下スピーカーの発言と所管ごちゃ混ぜの自分用メモなのであしからず。

開会〜オープニング

レビューのシンポジウムとしては国内初とのこと。アンケート用紙をセッション毎に回収するスタイルは新しい。

オープニングセッション

開催の経緯の説明とレビューについての紹介だった。ASTERやらJaSSTやらの紹介。静的技法でテストする手段の一つがレビューであること。日本ではレビューはまだまだマイナーな分野で、JaSSTでもレビュー関連のものは過去6セッションしかない。開催の狙いとしては、「各自のレビューの認識の違いを知りつつ、共通点を探ったりできるのでは?」

1. 設計レビューで問題を叩き出せ!〜QAの役割〜

日立の課長さん?新人教育もやってるらしい。もっとお固い感じの人かと思ったけど結構しゃべる。しゃべりまくって時間もオーバーする(嫌いじゃない)。日立もアジャイルの取り入れが検討されたり、プロジェクトによってはアジャイルでやってるところもある。最近は人員不足だったり、炎上リスク(世間からのバッシングという言葉を使っていた)がある。

日立のレビュー

書いてあることの確認。レビューに書いてないことの確認。設計に書かれてないものがない状態にしつつ、書かれてないことを確認する。検出不具合の86%が設計書に記載がない。58%は仕様に書いてないもの。「残業休出でカバーします」みたいなことがあったりなかったり。機能仕様書、詳細設計書を作るための資料は豊富にある。あるが、多すぎてなかなか使いこなせない。公式レビューは3部門で各部門から二人ずつ出す(主任、副任)。

日立のQAの特徴

顧客対応も場合によってはやったりしている。オフィスに障害対応用の部屋がある。製品不具合報告があったら客先に行ったりする。顧客の信頼構築に貢献している。そこから開発の前段階にフィードバックする。フィールドエンジニアみたい。顧客対応をすることで視野を広げることに期待しているのかな。設計書、仕様書の先に改善の余地がるのでは、と考えるようになる。過去条件系は実際どんなことやってるのか非常に気なる。障害が起こったときにリカバリする機能があるか。原因調査はどうするかの資料を用意しているかどうか これはすごい。探針といってテスト終盤で今後のバックログに回すものや原因分析する機会を設ける。「文章解釈は十人十色」日立が言うと威力ある

2. レビュー再定義

レビューに何を期待するのか。レビューしなきゃいけない。そして難しい。偉くなるとレビューする時間は減っていく。モブワークを通して、レビューはやらなくなった。モブワークっていう選択肢を持つのが大事。あらゆる作業が分担前提になっていないか。モブプロはリアルタイムでフィードバックできて修正効率が良い。経験値が低い人がドライバーになると良い。会話しながら進めるところで、暗黙知が発声によって他社に共有される効果が期待されそうだなと思った。レビュアーもその箇所について初見の場合もあるよね。モブプロ、モブ作業を完璧にやろうとしなくて良い。失敗すべし。情緒を大切にする。楽しさが大事。楽しくなかったらやめよう。

3. アーキテクチャのレビューについて

システムに登場する要素 * その関係性 * レベル(システム全体 ~  コードに登場するメソッドの定義)のレビュー。アーキテクチャが非機能を保障する。組み合わせて想定どおりに(非機能面も含めて)動くかが大事。非機能要件の定義が難しそう。非機能については経産省IPAの資料をまずは見るとよさそう。保守性で、テスト性を高めるのは有効。技術的リスク。非機能要件を満たすために検証が必要なら計画に盛り込む。

4. パネルディスカッション「製品やサービスの価値を高めるレビューとは?」

日立さんが面白い。指摘事項の指摘の仕方はいくつかポイントあるが、大事なのは指摘の考え方を伝えるのが大事、というのが印象的だった。自分は前職で機能の設計書にコメントつけたりしていたけど、それは間違いの指摘というよりは、自分が質問することでよりドキュメントと仕様が洗練されてより良い状態でリリースされることをお手伝いする、みたいな感覚だった。指摘というよりはサポート、アシストする感じ。

全体通した感想

若干場違いかなと思っていたがとても楽しかった。現状一人QA体制だが、今後は興味を持ってくれそうなありそうなエンジニアを誘ってみたい。運営のみなさんお疲れ様でした。

会場内は撮影禁止だったので、写真は開始前に食べた赤坂見附の希須林の写真で🙏