国際機関の入り方について考察(雑記)

国際機関の入り口について考えてみる。

他記事や自己紹介でも書いているが、私はそれこそ数年に亘り国際機関就活を行ってきて連敗続きだった。けれど、そうした連敗の中でも、情報収集は継続し、自分なりに試行錯誤してきたし、中の人になってから見えてくるものも出てきた。

そこで、今回は国際機関の入り口について、私の思う所を書いてみる。

JPOやYPPだけが道ではない
中の人になって驚いたのは、外務省が実施する国連JPOからの、世銀JPOという流れが存在することだ。

外務省管轄の国連JPOと、財務省管轄のJPOとでは、管轄が違うから似たようなプログラムだが、ニーズがマッチすれば一人で双方のプログラムを利用できるということか。

ここに関しては、色々な意見がありそうだが、昨今の国連予算削減の流れ(最近もトランプがWHO拠出金を停止するとかで、WHOに所属するJPOや、Term-Staffからすると戦々恐々なのではなかろうか・・)からすると、世界銀行をはじめとする国際開発金融機関(MDB)に流れてくるのは、キャリア開発の戦略上致し方のないことな気もする。

ただ、過去の私なんかがそうなのだが、JPOやYPPが、国際機関にこれまで縁のなかった民間やNPO/NGO、アカデミックから人を流入させる、国際機関に潜り込むためのプログラムと思っていると(まあ、そんなことどこにも書いていないとは思うのだが・・笑 そんな印象を持ってしまうのは私だけではないはず・・)、はっきり言って厳しいと思う。

つまり、国際機関に入るためにJPO選考試験をパスするためには、矛盾するのだが、それよりも前から国際機関に入ることが必要ということである。

なぜなら、あなたとJPO選考試験で競争する相手は、既に国際機関で何かしらの就労経験がある場合が殆どなのだから。そして、世銀JPOも、元国連JPOという強敵ばかりになるのだろう。。

JPO/YPP以外のエントリーポイント

じゃあ、一体どのようなエントリーポイントを活用して国際機関に潜り込むべきなのか?

この点について、現役・元国際機関職員のTwitterアカウントとかをフォローすると、色々な情報がとれるのだが、私が認識している限りだと以下だろう。

① コンサルタントとして雇用されるケース

これは、空席情報を見つけるしかない。勿論、国際機関のジョブサイトなんかにも掲載されている。

けど、この手の情報は結構クローズドで回ってたりする印象がある。

印象的だったのが、私の同僚(別チームだが上司は共通)がコンサルタントとして入社することになった経緯である。

なんと、上司が、オフィスすぐ近くの大学院のファイナンスの教授に連絡をし、「クラスで優秀な生徒を紹介してくれ」と打診し、その際に紹介されたうちの一人が彼なんだそうな。

なんとも効率的な・・。その彼も今や正規職員である(そして、さすがクラスで1番だっただけはある、かなり優秀である・・)

② 国連ボランティア(UNV)として国連機関に派遣されるケース

このパターンも私の知り合いにいる。

その方も、なかなか外務省実施の国連JPOが受からずに(誰もが知っている外資系コンサル出身(PPP担当)なのに・・)、悩んだ末に、UNV経由で国際機関にまずは飛び込むことにしたようである。

その後、無事に外務省実施の国連JPOに合格し、JPOとして国連機関で活き活きと仕事をされているようだ。

③ 青年海外協力隊の派遣先として国際機関に派遣されるケース

これは、実は田才さんのブログ(https://www.ryoyatasai.com/entry/jocv-again)を見るまで知らなかったのだが、なかなか目から鱗だった(でも、みたところ青年海外協力隊に合格するのも結構難しい様子・・、ここは私は未経験なのでよく知らないが)。

他オプションに比べて難易度の高低は分からないが、一つのオプションとして面白いと思う。

④ 広島平和構築人材センター(HPC)のプライマリーコースで国際機関に派遣されるケース

HPCはプライマリーコース以外にも幾つかコースがあるのだが、さすが「プライマリー」、海外研修として1年間国際機関に派遣する模様。

この派遣はUNVを通して行われるので、本質的には②と同様ではあるが、一つのオプションとして有りなのではなかろうか。

私は応募できるものには全て応募するタイプの人間なので、もし1から国際機関就活をするとしたら、②も④も応募していると思う。笑

①から④も、恐らく国際機関就活を続けている方にとっては目新しいものはないと思う。

私自身、実際に一つ一つ試したわけではないので、難易度の比較はできない。

もし、これらオプションの内幾つか経験されていて、難易度だったり体験を教えてくれる方がいれば、ご連絡を頂けると有難い。

JPOやYPPも結局はエントリーポイントの一つ

私が外務省の国連JPOに毎年のように応募していた当時、書類選考落ちのごめんなさいメールをもらう度に落ち込んでいた。

けれど、今になって感じるのは、所詮JPOも一つのエントリーポイントであるというだけで、(特に国連JPOは)仮にJPOとして入れたとしても、その後残れるかどうかという話になってくるし、そもそもマネジメント経験をこれからどんどん積むべき時(何故ならJPO合格者平均年齢は30前後)に、JPOとして下働きをするというのもどうなのかという話にもなってくる(私は現にそのことで悩んでいる・・笑)。

なので、落ちたとしても全く一喜一憂する必要はない。

人生はトレードオフの連続である。今、JPOに落ちても、未来永劫国際機関で働くチャンスが絶たれたかというとそんなわけではなく、寧ろ民間で社会人レベルを上げるチャンスと捉えるべきだと思う。

私よりもそれこそXX年も先輩の行員の方は、最低40代までは民間でガンガン働いて、それからマネジメントや上級職として入行する方がよいと言っていた位である。その方自身、日本の銀行でバリバリ働かれてから、(当時としては珍しいが)国際機関にきて最初からある程度の地位でキャリアをスタートされている。

大きい組織、特に国際機関では、「何を言うか」よりも「誰が言うか」が重視される。

であれば、意外とそうした「何者」かになるには、その先輩行員の言のように、40代過ぎてプロフェッショナルとして脂ののった状態で、上級職として入りこむのも有なのかもしれない。

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