見出し画像

アレンジCDを制作してコミックマーケットに初めてサークル参加した話

お久しぶりです。たまごです。
2023年12月30~31日に開催されたコミックマーケット103(以下、C103)にサークル参加してきました。

今回はラブライブ!スーパースター!!のサクソフォンアレンジCDを頒布したのですが、CDを制作する上でのスケジュール感・やること・その他思ったことなどをつらつらと備忘録的に綴っていこうと思います。

最後の方はかなり私見が入ってしまっておりますがご容赦ください…。

この記事がCD制作・頒布をやってみたい方へ少しでも参考になればと思います。
それでは、よろしくお願いします。

1.制作のきっかけ

そもそもCD制作自体についてはかなり前(ラブライブ!の同人作品を漁り始めた頃)から興味があり、サックス五重奏に限らず色んな編成も考えていました。(パーカス・ギター・ベースなどが入ったフレキシブル編成など)

気持ちが大きく動いたきっかけとしては、2023年1月頃の時点でちょうど所属している楽団でラブライブ!スーパースター!!の楽曲を何曲かサックス五重奏で演奏していたことです。
ここからあと数曲書き下ろせばCDにまとめられそうだな、と思い至り制作に向けて本格的に動き出しました。

今回「軌跡」をCDのタイトルに冠したのも今までの総括的な意味合いも込められています。

2.スケジュール

2023年1月頃 曲出し

既存のアレンジとして
・未来予報ハレルヤ!
・Dreaming Energy(ショート)
の2曲
4月に披露する予定のアレンジとして
・Starlight Prologue
があり、この3曲をうまくメッセージ性を持たせて収録曲に入れられたらいいな…という軸で始めました。

正直なところ、ある程度慣れている曲も入れた方が恐らくメンバーのキャパ的にも良いかな…と。

また、Liella!はどんどんメンバーが増えて5人、9人、11人となっていますが、こちら側のプレイヤーが5人であること、その5人で辿ってきた軌跡を形にしたい、という想いから選曲対象もLiella!1期の曲に絞りました。

結果選ばれたのは
・私のSymphony
・What a Wonderful Dream!!
の2曲でした。(かなり悩みました…)

ちなみに最後まで悩んだ曲の候補は
・START!! True Dreams
・GOING UP
・Tiny Stars
で、どれも”夢”を軸にした候補でした。

2023年1月〜2月 編曲・初回練習

ひたすら編曲の日々でした。
2月中旬頃の時点で
・Starlight Prologue(4月に本番有)
・私のSymphony
・What a Wonderful Dream!!
の3曲は書き上げた状態にしておきました。

このタイミングで、CD制作については伏せた状態で4月に本番のあったスタプロのアンサンブル練習の際メンバーに吹いてもらい、比較的好感触な反応を頂いたところでメンバーにCD制作についてお話をしました。

2023年3月~4月 Starlight Prologue 本番に向けての練習・本番

4月にアンサンブルの本番があったため、スタプロ1曲を集中して仕上げました。
メンバーの居住地が愛知から山形までと広い地域に渡っているため、練習頻度は1ヶ月に1回+本番前リハ程度。何とか本番には一旦仕上がった状態に出来たと思います。

2023年5月 アレンジ全曲完成・練習スケジュールの策定

ショート尺で作ってあったDreaming Energyをフル尺にアレンジし直し、全曲のアレンジが完了しました。
本番もひと段落したのでこの辺からCD制作に向けて1ヶ月に1回程度のペースで練習していこう、とメンバーにも共有して本腰をいれて動き出したのが5月だったと思います。

2023年6月~9月 練習

先程も書きましたが、月に1回、4時間程度の合わせ練習をほぼ毎月行いました。
「未来予報ハレルヤ!」「Starlight Prologue」は一度本番で披露するため完成した状態にしていたので時間は20~30分程度と短めに、他の3曲に時間を多めに割いて1回の練習で全曲に触れるようにタイムテーブルを考えました。

7月・8月に所属する楽団の本番もあってスケジュールが厳しいタイミングもあったのですが、同じメンバーで長くやっていて合わせ方もある程度わかっていたのもあり、この間に何とか形にすることが出来たのかなと思います。
一緒に仕上げてくれたメンバーに感謝です。

また、冬コミの申し込みが8月の夏コミが終わって1週間程度だったのでここでサークル名を考えて申し込みをしました。

2023年10月~11月 レコーディング

10月上旬・11月上旬に2回レコーディングを行いました。
時間は1回5時間程度、後で詳しく話しますがレコーディング・マスタリング等やって下さる知り合いのエンジニアさんに来て頂き終始楽しい雰囲気でやらせて頂きました。
メンバーのスケジュールの都合でレコーディングは平日でした。

イラスト・CDデザイン依頼

10月の頭にイラスト等描いて下さる方に依頼の連絡を入れ、承諾を頂きました。
ざっくりとしたイメージ・納期・内容をこちらから伝え、細かいところはやり取りの中で決めていく感じ。
レコーディングが終わったくらいのタイミングでCDのプレス屋さんにもCD制作の見積もりをして、納期等の確認をしました。
年末納品だと12月中旬頃までに入稿出来ていれば良いとのことで、イラスト担当の方にも伝えて進めました。

他制作関係

CDを制作する上で著作権の申請をしなければならなかったので、JASRACのJ-RAPP(https://j-rapp.jasrac.or.jp/)のアカウント作成を11月の中旬頃に行いました。
アカウントの作成はネットで手続きを行った後書面を郵送し、後日メールでパスワード等が送られてくる、今どきにしてはややトリッキーな形式だと思います。
これは収録曲・タイトル等が決まった時点で手続きは始めておくべきでした。

11月に楽団の大きめの本番とそれに伴う練習やゲネプロ、その本番の次の週から3週間連続のライブ参戦、10月には参加しているセッションで結構な曲数が成立していてそちらの採譜・練習に追われていたのもあり、この2ヵ月はかなりスケジュール詰まっていた上での制作になりました。
ここではとにかく体調を崩さないように諸々進行させるのにかなり気を使った気がします。本当に大変な時期でした。

2023年12月 著作権の申請

11月にアカウントだけ作っていたJ-RAPPにて使用楽曲の申請を行いました。
CDのタイトル・使用楽曲などについてサイトのフォームに入力して許諾番号を取得する流れで、ネットで申請した翌日には許諾番号がメールで送られてきたのでそちらで手続きは完了でした。

入稿データ作成など

11月末に音源の入稿データを頂き、12月上旬頃にジャケット等印刷物の依頼していたデータを頂きました。

…なのですが、この時点で4ページのジャケット内側・CD盤面のデザインがまだ固まっていなく、そもそもこの2つは自分でデータを作ることにしていたにも関わらずデザインソフト(illustrator)に全く触れられておらず…。

結局はデザイン担当の方に盤面に関してはたたき台を作って頂き、ソフトの操作方法なども通話で手取り足取り教えて頂きながら何とか作って入稿することが出来ました。

…が、これも入稿データに不備があり、締切が平日の昼間で不備が判明したのがその日の昼前。
職場から家に帰らないと修正出来なかったので、結局締め切り時間を過ぎてしまい大変ご迷惑をおかけしてしまったのですが…プレス屋さんとやり取りをしながら何とか当日中に納めることが出来ました。
この辺が今回の制作での一番の反省点だと思います。ご対応下さり本当にありがとうございました。

他、頒布物の作成

一旦CD本体の制作が終わったので気分的にもひと段落したのですが、ノベルティのステッカーも作りたいなと考えていたのでそちらの入稿も行いました。

1週間前くらいになってブースの準備をし始めたのですが、ポスターも作った方がいいのでは?ブースに置くお品書きは?名刺も作った方がいいのでは?など色々と浮かんできてしまい…。

結局ポスターは引き伸ばしても問題ないくらい解像度の高いデータが無かったのとポスタースタンドが直前に入手不可(どこも在庫枯れてました)で制作を断念しました。
この辺は次回への反省点だと思います。

名刺とお品書きのパネルは何とか間に合いそうだったのでデータを作成し業者さんに入稿しました。

お品書きはパネルで作ったのですが、名刺の印刷をお願いしたラクスル(https://raksul.com/welcome)では納期が間に合わず、色々探したですがカメラのキタムラのプリントサービス(https://www.kitamura-print.com/print/digicameprint/)がjpegデータのみですがA4までパネル貼りつけ対応で店舗受け取りで当日仕上げ可能、それなりに安いという神みたいなサービスだったのでここで共有しておきます。
店舗数も多く意外と受け取れる場所が多いので本当に助かりました。

CD情報の登録

CDが手元に到着したら、CDデータベースへの登録を行いました。
iTunesにCDを読み込ませ、必要データを入力してGracenoteにアップロードする流れです。反映にやや時間がかかるようなのでCD到着をもう少し早めにしてもよかったかと思いました。

以上、ここまでまとめてみて、演奏自体より後の工程となるCDとしてパッケージングする工程がかなり苦戦していたように思います。(フルパッケージにした影響だと思いますが)
当初は比較的余裕を持ったスケジュールを組んだつもりだったのですが、それでも結構ギリギリになってしまいました。
慣れていないことに手を出すのは腰が重くなりがちですが、それでも早め早めに手をつけておくのが良いというのが今回の教訓です。

3.音源作成について

Youtubeにアップする程度の演奏動画の収録・音源編集は経験があったので当初は自分でそこまでやろうと思っていました。

でも折角CD制作を行うのであれば最高のモノを残したいという想いがあったので、偶然7月の本番でご縁のあった本職の方にお願いしてレコーディング・ミキシング・マスタリング・入稿用音源の用意など音源に関わる作業を全てお願いしました。
詳しくは後述しますが、これが結果的には大正解でした。

レコーディングは専用のスタジオで5人一緒に行い、一度通しで収録してそれを現場で聴いてみて、気になる部分をリテイクして通しの音源を作っていく流れでした。

曲によっては何回も通すと体力的に厳しい曲もあったので大丈夫かな…?と思っていた部分もあったのですが、何回も通すことはあまりなく部分的なリテイクが中心だったので、吹いた時間の割には最後までバテなかった印象です。

リテイクした部分もエンジニアさんがその場ですごく綺麗に繋いで下さってメンバー全員で感動しながらレコーディングをしていました。やっぱり本職の方はすごいです…。

正式なお仕事として依頼したので正直なところ決して安い金額ではありませんでしたが、自分たちだけではこのクオリティのものを作れなかったと思いますし、ここまでスムーズにレコーディングを進められなかったとも思います。

何よりプロにお願いしているという安心感で演奏やその他の作業に専念出来る精神的余裕が得られたのがすごく良かったです。

4.ジャケット・CDデザイン等について

先述しましたが、折角CDを作るならしっかりしたものを作りたかったので、市販されているCDのようなフルパッケージでの制作とし、ジャケット以外にも帯やバックインレイ(CDの裏面・CDの入っている面)なども統一感を意識して作りました。

外に出るイラスト・背景は担当の方にざっくりとしたアウトラインを依頼し、書いて頂いたデータをこちらで確認、フォントや細かい部分の配置を自分が指示して仕上げていく形を取りました。

中身についてはかなり色々とイラスト・デザイン担当の方と話し合い、自分だったらパッケージを開いたときに何があったら嬉しいか、ということを軸に制作を行いました。

入稿データはillustrator形式での作成だったのですが、最後にテキストのアウトライン化(端的に言うとイラスト化)をしなければならないのを知らずに入稿してしまい、結局締め切り時間を過ぎて対応して頂くことになってしまいました。
デザイン自体が出来上がってもそれをそのまま入稿データに出来る訳ではないということですね…。勉強になりました。

5.宣伝について

宣伝は基本的に自身のXで行いました。
レコーディングをした際に制作情報を解禁し、ジャケットイラストが出来た時点で再度告知、その後にクロスフェードを作成してそれぞれポストしました。

クロスフェードは当初YoutubeのURLをポストに載せようと思っていたのですが、Xの仕様で他サイトのURLを載せるとポストが表示されなくなるとのことで、クロスフェード動画を直接ポストに貼り付けることにしました。

5分程度の動画をXのポストに貼ることは通常不可能なのですが、認証済みアカウントだと長時間の動画を投稿出来るので、これがこんなところで役に立ちました。
決して課金を推奨している訳ではないのですが、宣伝ポストは比較的文字数が溢れがちなので文字数制限にかからないという点でもそれなりに認証バッジは役に立ったのかな…とは思います。

あとはコミケスタッフの友人から色々アドバイスを頂きました。
宣伝はとにかくしつこいくらいにやった方が良いとのことで、素材が揃ってからは毎日のように宣伝を引用ポストで流しました。

6.当日・当日準備の話

サークル参加するということは自分でお店を出すこととほぼイコールと考えて準備をしました。
先述しましたが諸々でポスターは作れなかったので、それ以外でなるべく見栄えのいいスペースを作れるようにテーブルクロスやパネルなどを揃えました。(テーブルクロスは近くの手芸屋さんで買いました)

あとこれは今回かなり売り子さんにお願いしてしまった部分なのですが、ブースに装飾があった方が見栄えが良いと思うのでそのジャンルのグッズ(今回はアクスタを置きました)を一緒にブースに置けると良いと思います。

また、当日バタバタするのを避けるために事前にサークルチケットと一緒に届いていた見本誌票も前日に記入を済ませておきました。
売り子さんもコミケに参加経験があり、尚且つ自分の財布を託せる方にお願いして、当日の対応や準備をお手伝いして頂きました。

当日は雨で寒いとの予報で、ずっとブースにいて冷えるだろうと思い上下ヒートテックでカイロを貼るなど結構厚着をして行ったのですが、思ったよりは寒くなかったです。
撤収するときなど建物の中を歩くときはちょっと暑いなと感じることもあるくらいでした。
この辺は難しいと思うのですが、冬はある程度脱ぎ着で調整できる服がいいかなと思います。

サークル入場時間は8:00〜9:30で、りんかい線の国際展示場駅に8:00頃到着してそのまま人の流れに乗って入場しました。
入場してそのまま自分のブースに向かい、売り子さんとブースの設営をしながらテーブルに置いてあった見本誌用の封筒に必要事項を記入し、地区ごとに分けられている見本誌用のポストに見本誌を投函しました。

その後はブースに戻って設営を続け、大体9:10頃に設営完了出来ました。
ブースはこんな感じ。

https://twitter.com/U_C_121X/status/1741250012913578135

開場するのが10:30だったのでかなり時間的には余裕がありました。
その分おとなりのサークルさんにちゃんとご挨拶出来たなどのメリットはあったので早いに越したことはありませんが、もうちょっと遅くてもよかったかもしれません。
実際自分たちがブースに到着した時点でも設営始めていたサークルさんはそこまで多くなかったです。

開場後は売り子さんにお使いを頼み、戻ってこられるまでは自分一人で、戻ってこられたタイミングからは適宜交代で来てくださった方の対応をしました。

ブースには試聴音源のQRコードと試聴機の両方を用意していたのですが、試聴機の方がやはり気軽に聴いて頂ける印象でした。
また、何の曲が収録されているかをブースに出しておらず聞かれることもあったので、タイトルと概要だけではなく収録曲も表に出しておいても良かったかと思いました。

また、 当日の持ち込み数は30枚+献本分+見本誌で大体36枚程度。
売り子さんの御本も委託で少数部頒布しており、せっかくなら一緒に…という方もいらして、ありがたいことに15:00には両方とも完売でした。
その時点で周りのサークルでも撤収しているところが結構あったので、こちらもそのタイミングで撤収作業に入りました。

ブースに訪れる人にも結構波があって、開場して少しして(企業・壁などを巡ってきたであろう)アーリー組、昼前くらいに午前組、13:30〜14:00くらいに午後組など、ある程度まとまって人が来るような感覚でした。
なのである程度撤収のタイミングも読めた感じです。

お昼ご飯は人の波が引いたところで売り子さんに対応をお願いして自分は後ろでカロリーメイトを口にしていました。
これが正しいのかはよくわかりませんが、恐らく食事はブースの外に出ない形がいいのかなとは思います。
ご挨拶などもあるのでなるべくブースにはいるようにしましたが、一時的に売り子さんにブースを任せて島を巡る時間も一応ありました。

7.コミケが終わって

持ち込んだ数が完売したのは嬉しいことではあるのですが、同時に手に入れられなかった方がいらっしゃるということで、これからはその方へのフォローをきちんと行っていく必要があるなと感じています。
(完売するとは思っていなかったので開始前にはほとんどそこまで考えが回っていませんでした)

一応近々である同ジャンルのオンリーイベントには申し込みをしておりそこでも頒布予定で、年始に顔を出す予定のセッションでも(許可を頂ければ)頒布予定ではあります。

ただ遠方で来られないけど欲しかったとか、通販はやらないんですか?という声も当日ありがたいことに頂いており、そういう方へはBOOTHなどを使ってきちんと欲しい方全員に行き渡るよう準備しておいた方が良いな…と今更ではありますが感じています。頑張ります。

8.最後に

めちゃくちゃ個人的な感想になるのですが
コミケでサークル参加してみて、大変なことは沢山ありましたが当日色んな方に自分の”大好き”を沢山の方に目の前で受け取って頂く経験は本当に何にも変えがたいなと感じました。

Xにも書きましたが、今まで繋がってきた沢山の縁を感じながら迎える年末はとても良いものだなとも思いました。

決して楽しいことばかりではありませんでしたが、また機会があれば参加したいなと思いましたし、毎年沢山の方々がこうして自分の”大好き”を形にするイベントが続いている理由も何となくわかったような気がしました。

皆さんの”大好き”の表現のひとつのやり方としてこの記事が参考になれば幸いです。

長くなってしまいましたが、ここまで読んで下さりありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?