2/15 うちのバレンタインデー

 昨日の夜、旦那さんは、時計の短針が横向きより上向きに近い時間になってから帰ってきた。

 帰り道途中、電車の乗り換え駅から「今から帰る」の一報が入ったので、おなかの空き具合と、晩ごはんは何食べたいかを尋ねた。「おなか、すごいすいてる。ごはん1合食べようかな~、でも太るかな~、でもやっぱり食べる」「今日は食後にチョコレートがございますわよ?」「じゃあ0.5合にしとく」のやりとり。体重とお腹まわりの気にしい、継続中。それでも、「チョコレートは今日はいらない」とは言わないところが、わたしに甘い。書いてある通りにつくるだけのキットを使ったとはいえ、ちゃんと手作りしたチョコレートを、今日中にひとかけらでも食べてもらいたいという、押しつけがましい乙女心を、わかってらっしゃる。さすが。

 晩ごはんは、こってりめのメニューをご希望だったので、生姜焼きにした。玉ねぎ多めで。こってり度はマヨネーズ絡めで追加。流行りの糖質オフダイエットだと、マヨネーズは糖質が少ない優秀な調味料らしく。ダイエットを意識している旦那さんも、躊躇いなく使っている。カロリー至上主義のダイエットだと、マヨネーズはダメだったと思うのに、常識って変わるなぁ、と。

 フライパンで生姜焼きを調理中に、「ブラウニー、つくったまんまだったから、食べやすいように切り分けておこう」と思い立った。包丁を取り出して、20cm四方の正方形の型の中を縦4列横5列に切り分け終わったときには、フライパンの中で玉ねぎが少し焦げていた。慌てて菜箸でフライパンの中をかき混ぜると、フライパンの真ん中に黒く焦げついたかたまりができていた。あちゃー、と思いながら菜箸で焦げをこそいでいたら、旦那さんが帰ってきた。

 コートを着たまま、台所に顔を見せてくれたので、さっそくチョコレートを渡すことにした。ラッピングもしてない、焼いた紙型に入ったままのブラウニー。ふざけて、つきあう前の呼び方や距離感な感じで「先輩! チョコレートです! 大好きです!」と言って、両手でブラウニーを差し出した。旦那さんは、「なんだそれ」と口ではツッコミをいれながら、ものすごく無邪気な笑顔を浮かべて、受け取ってくれた。旦那さん、ときどき無邪気顔する。滅多にしないので、きゅんとした。いつぶりだろう。素敵笑顔、いただきました。「もう、ホワイトデーのお返しとかいいです、もう充分です、ありがとうございます」みたいな気持ちになった。

 ちなみに、少し焦がした生姜焼き丼、旦那さんは追いマヨネーズをして食べた。マヨネーズはいくら食べても大丈夫だと思っているので、際限ない。カロリーはまったく気にしなくていいのか。ダイエットで気にすべきはカロリー説と糖質説の狭間で迷子。

 食後、いっしょにブラウニーをひとり3かけずつ食べた。旦那さんが当然のようにわたしが食べる分を渡してくれた。生地がしっとりしていて、おいしかった。キットだけど。自画自賛。無印良品様様。来年もブラウニー焼くぞ。

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